勝利の日まで

1945年

アメリカ本土爆撃の子どもの夢から一転、自身の体験を反映した日本への空襲を描く内容ですが、ミッキーマウスやフクちゃんなど、日米のキャラクターを登場させています。

 マンガ「勝利の日まで」より

 マンガ「勝利の日まで」より

マンガ「勝利の日まで」より

【解説】

1945年の春から6月ごろにかけて描いたと思われる作品。

 

物語は日本軍機がアメリカ本土を爆撃するという子どもの夢から始まり、一転して日本への本物の空襲と、逃げ惑う人びとの様子を生々しく描いている。

 

1944年11月、南洋での制空権を奪ったアメリカは、本格的な日本本土への空襲を開始。

1945年1月からは大阪や神戸でも断続的な空襲が始まっていた。

3月13日の大阪大空襲では手塚も勤労動員先の工場で被災しており、そうした体験がこのマンガにそのまま反映されている。

 

だがそんな殺伐とした展開ながらも、アメリカ側の登場人物としてミッキーマウスやジグスとマギー(戦前に日本でも翻訳紹介されたアメリカの4コママンガの主人公)などが顔を見せており、日本側ではフクちゃんやタンクタンクロー、ノンキナトウサンが活躍するという豪華オールスター作品となっている。