ロストワールド<私家版>

1945年頃


マンガ「ロストワールド<私家版>」より


マンガ「ロストワールド<私家版>」より

マンガ「ロストワールド<私家版>」より

【解説】
 手塚が後年、『幽霊男』の次に描いたと語っている初の大長編マンガ。原本は『幽霊男』と同様に紙の表裏両面にペンで描かれ、全3巻に自家製本されている。
 大昔、地球からちぎれて分離したもうひとつの星があった。その星の名はママンゴ星。そのママンゴ星が500万年ぶりに地球へ大接近することになった。敷島博士が探検隊を組織してママンゴ星を訪れてみると、そこは巨大な恐竜が闊歩する太古の地球そのままの世界だった。
 戦時中に描かれたにもかかわらず戦争の暗さは微塵もなく、手塚が戦後続々と発表することになるSF作品群に通じる突き抜けた面白さがある。
 終戦後、手塚はこの作品を自らリメイクし、1948年12月、大阪の不二書房から『ロスト・ワールド<前世紀>』全2巻として刊行した。