今年10月2日〜5日、盛況のうちに幕を下ろしたミュージカル『虹のプレリュード』!
今月の虫ん坊では、tezukaosamu.net ニュースコーナーでも期間中公表したキャストの方々からの作品への愛が溢れるコメントを改めて掲載します!
今回初公開のコメントもあり! 舞台をご覧になった方はもちろん、見られなかったー! という方もぜひご覧ください!
——今回、舞台初主演ですが、心境はどうですか?
生田さん(以下、生田):
舞台はずっとやりたいと願ってきたことなので、本当に嬉しいです。
それも小さい頃から触れ合ってきた音楽を題材にした舞台で。
でもまさかこんな早くに主演させていただけるなんて思っていなかったので驚きでした。まだ未熟者な私がやらせていただくという事でとても緊張しています。
今の私に出せるパワーを全て出し切れたらと思います!
——生田さんはすごく女の子らしいイメージですが、男の子を演じるのは大変ではないですか?
生田:
大変です…。声も普段高いのでそれをおさえるのに一苦労ですし、だからといって抑揚がなくなってしまうのもだめなので、試行錯誤しています。
また動きがいつもヒョロヒョロしているので、男の子っぽくしっかり動けるように、初めて筋トレを試みました。筋トレと言っても元々腹筋一回もできなかったので…笑
毎日ほんの少しずつ…。共演者の方々にも応援していただいたおかげで、少しは改善されたのではと思います。
——男の子と女の子どちらも演じる部分で気をつけていることがあれば教えてください。
生田:
男の子を演じる時はやはり立ち姿や声色がなるべく女々しくならないよう気をつけています。ただ、女の子が頑張って男のフリをしているというようなニュアンスも残せるように意識するところもあります。
女の子を演じる時は、それまでとの切り替えを大事にしています。
——「虹のプレリュード」の原作は読みましたか? 読んだ感想を教えてください。
生田:
漫画から音楽がとびだして聞こえてくるような感覚でした。
ピアノを弾いてるシーンもですしワルシャワのにぎやかな街のシーンなども。
音楽にあふれた平和な時間からだんだんと戦いに巻きこまれていく様子が切なかったです。音楽や人に対する愛も感じました。
——ピアノを弾くシーンもありますが、コンサートで弾くのと、役に入りながら弾くので、心境に違いはありましたか?
生田:
どっちもかなり緊張します!!
ですが今回は「革命」をただ弾くのではなくストーリーを思い起こしながら弾くので感情が入りやすいかもしれません。
——他の手塚作品は、読んだりアニメをみたりしたことはありますか?
生田:
ブラック・ジャックは漫画とアニメで、鉄腕アトムはアニメで、三つ目がとおるは漫画で読んでいました。
——今回のミュージカルで一番お気に入りのシーンまたはセリフは?
生田:
男から女に、女から男にという早着がえのシーンです。
いくつかあるのですが、そのすさまじい早さの切り替え、そして状況が変わっていく様子が演じていておもしろいです。
——ご自身にとって、今回演じるルイズは、どんな存在ですか? 自分と「似ているな」「共感できるな」と思うところはありますか?
生田:
信念を貫く強い女性。男のフリまでして、命をかけてまでなんて、すごい覚悟をもっているなと。だから演じる時は1つ1つ試練をのりこえていく所を大切にしています。でも普通に女の子として迷うことも多いんですよね。そういったどの道を選ぶべきかという迷いはとても共感できます。
——他の漫画原作舞台へのご出演のご経験もあり、数々のミュージカルにもご出演ですが、今回の役はどんな思いで向き合われていますか?
中河内さん(以下、中河内):
ミュージカルもストレートプレイもドラマも映画も役の向き合い方は変わりません。
僕はまず、作品のバランスを感じながら自分の役を深めていきます。
今回の役は「音楽」「人生」「愛」をテーマに向き合っています。
——漫画のキャラクターをミュージカルで演じるときに、気をつけていることはありますか?
中河内:
漫画原作の舞台で気をつけている大事な事は、なるべく原作ファンの方たちのイメージを壊さないように演じることです。
僕はダンサーでもあるので、動きとか仕草とか体現するのは得意だと思います。
——ヨーゼフをどういう人物だととらえていますか? ご自身と似たところはありますか?
中河内:
ヨーゼフは音楽を本当に愛していて、ポーランドの素晴らしい才能と芸術を守るためにレジスタンスに参加したのだと思います。真っ直ぐで人想いなところは自分に似ているのかもしれません!
つづいて、将来“あの”ショパンとなる、少年時代のフレドリック・フランソワ・ショパンを演じた中村誠治郎さん。柔和な顔立ちがまさにショパン! という感じ。
——舞台ではアニメやゲーム原作の作品でもご活躍です。今回も漫画のキャラクターを演じるということになりますが、手塚キャラクターを演じてみて、これまでの経験と違うところはありましたか?
中村さん(以下、中村):
これまでの原作物とは違って、そのキャラクターを演じるという感覚よりは、虹のプレリュードという小説を見て演じるといった感覚です。
漫画を見て、そして今回の台本を見て感じたキャラクターを演じようと思いました。
——逆に、今までの経験が生きた、とおもえるところはありますか?
中村:
性格的には180度違い過ぎるんですが、女性に対して告白できなかったり、シャイな部分は実際にありますので、そこは活きてる気はします。(笑)
——フレデリックというキャラクターはどのような性格だと捉えていらっしゃいますか? ショパンを演じてみてのご感想を教えてください。
中村:
音楽に関してはとてつもなく天才なのに、女性に対しては奥手でナイーブな青年というイメージです。
——ご自身が演じられたシーンで、一番のお気に入りのシーンを教えてください。
中村:
ポーランド国歌を歌うシーンが一番好きです。あの団結してる感じが好きです。
——難しかったシーンはありますか? また、歌や踊りで今回ならではの見せ場、とご自身が思うところがありましたら、教えてください。
中村:
全部難しかったです(汗)
見せ場と言えるシーンはわかりませんが、全てが見せ場になれるようにがんばっております!!
さらに、「敵役」ながら生真面目でどこか憎めない一面を持つ印象的なキャラクター、イワノフ大尉を演じた、石井一彰さん。軍人らしい厳しい表情や、きびきびした立ち居振る舞いで手ごわい敵役を熱演しました。
——東宝ミュージカルアカデミーご出身で、様々なキャリアをお持ちの石井さんですが、今回のイワノフ役にはどんな気持ちで挑みましたか?
石井さん(以下、石井):
イワノフの中にあるいろいろな葛藤が原作や台本から感じとることができたので、物語の中で起こる出来事に対して細かく心を使って演じられるようにしようと取り組もうと憶いました。
——原作のイワノフも、敵役でありながら単なる悪役ではなく、深みを感じさせる印象的なキャラクターですが、「イワノフらしさ」を出すためになにか工夫をされたことはありますか?
石井:
彼もヨーゼフやフレデリックのように芸術を愛する心を持っていると思うし、必死に時代の流れの中でいきるための信念をもっている普通の人間だと思います。
らしさというか、彼自身になりきれるようにしたいです。
——様々な役を演じられる中で、「役に入るため」に毎回していることはありますか? また、お稽古や本番期間中にテンションやコンディションを保つために気をつけていることはありますか?
石井:
公演期間中ははやく寝るようにしています。
——ご自身が演じられたシーンで、一番のお気に入りのシーンを教えてください。
石井:
1幕最後のシーンです
(編注:第1幕は石井さんのソロで締め! なんです!)
——難しかったシーンはありますか? また、歌や踊りで今回ならではの見せ場、とご自身が思うところがありましたら、教えてください。
石井:
軍人としての信念と1人の男としての信念との葛藤を表さなければならないところ。
——生田さん、中河内さん、中村さん、石井さん、お忙しいところありがとうございました!