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虫ん坊 2012年6月号 特集2:『グスコーブドリの伝記』制作発表記者会見のもよう

虫ん坊 2012年6月号 特集2:『グスコーブドリの伝記』制作発表記者会見のもよう

左から、杉井ギサブロー監督、忽那汐里さん、小栗旬さん、柄本明さん

 いよいよ映画『グスコーブドリの伝記』の公開1ヶ月前となりました!
 今月の虫ん坊では、制作発表記者会見のもようをお伝えします。

 この会見では、監督の杉井ギサブローさんを初め、主演の小栗旬さん、ネリ役の忽那汐里さん、クーボー博士役の柄本明さんが登壇し、作品について語りました。
 またこの会見では、小田和正さんの「生まれ来る子供たちのために」が映画の主題歌となることが公表されました。

 関連情報

『グスコーブドリの伝記』オフィシャルサイト
『グスコーブドリの伝記』Facebookファンページ



●グスコーブドリ役・小栗旬さんコメント

虫ん坊 2012年6月号 特集2:『グスコーブドリの伝記』制作発表記者会見のもよう

「『銀河鉄道の夜』を子どもの頃に見て、ジョバンニのキャラクターがとても印象に残っていたので、お話をいただいた時にはうれしい反面、「大丈夫かな」という気持ちもありました。僕は杉井監督が作られた『タッチ』のシリーズが大好きで、その杉井監督に会うことが出来たことがまずすごくうれしかったです。
 実は、杉井ギサブローさんという方は怖い人なんじゃないか、という勝手なイメージがありましたが、お会いするとあまりにもものごしのやわらかい方で、びっくりしました。キャラクターを作っていくにあたって、ブドリは、幼いところから徐々に大人になっていく、というキャラクターなので、そこは大事にやりましょう、というお話が監督からあった他は、特にああしろ、こうしろ、ということもなく。いろいろやってみると監督が「今の感じ、良いですね」とおっしゃってくださる、というようなすすめ方でした」


(本作出演の経験をどのように受け止めているか)


「まだちょっと分からないです。今、自分の中でこの作品の経験を噛み砕いているところなので、そういうことを感じるのは、もう少し先になると思います」


●ネリ役・忽那汐里さんコメント

虫ん坊 2012年6月号 特集2:『グスコーブドリの伝記』制作発表記者会見のもよう

「声優には初挑戦ということで、不安なところもありました。普段の地声が低めなので、監督からはとにかく「幼く、幼く」と言われました。画面と向き合っての仕事というのがとても新鮮で、集中できて楽しかったです。
 アフレコの現場で、アニメーションの途中段階を拝見しました。そういうものを拝見するのも初めてだったんですが、それが変化して言って、実際に色が塗られて、という作業を想像しただけで、すごいな、という気持ちになりました。映像が綺麗なことはもちろん、比喩的な世界と、現実の世界が並行していくようなところのメッセージ性を面白いな、と思いました。自分の声が画面から聞こえてくるのは、ちょっとはずかしかったです」

(本作を通じて学んだこと)

「作品の中では、犠牲の上での愛、というものが描かれていて、そういうメッセージを受け止めました」


●クーボー博士役・柄本明さんコメント

虫ん坊 2012年6月号 特集2:『グスコーブドリの伝記』制作発表記者会見のもよう

「声の仕事はあまりやったことがなくて。杉井監督の作られた世界の中で、監督に導かれながら、やりました。
 ナレーションについては、どういう気持ちで、ということはあまり覚えていません。
 小栗さんの声は、非常に少年らしい、というか……言葉で言うと、さわやか、ということになるのかも知れませんが、まあ、小栗さんらしい声、ですよね。いままさに旬、というような声ですよね(笑)。
 クーボー博士のキャラクターには特に参考にしたものやイメージしたものはありませんでした。原作を読んだり、監督とお話をしたりして、なんとなく雰囲気の中でキャラクターを作っていきましたが、あらかじめ、何かイメージを持っていく、ということはないですね」

(ご自身の理想郷は? という質問に)

「僕はいま63歳なのですが、めぐり巡って見ると、今の自分の場所、というのが理想郷なんじゃないかな、とそんな気がします」


●杉井ギサブロー監督コメント

虫ん坊 2012年6月号 特集2:『グスコーブドリの伝記』制作発表記者会見のもよう

「企画から5年ぐらいかけて、ようやく完成したんですけれども、うれしいですよね。子どもがうまれたような気持ちです。クーボー博士役の柄本さんが『導かれて』とおっしゃいましたが、ぼくは何もしていないんですよ。宮沢賢治の作品を撮るのは2本目なのですが、いつも思うに、役者の方も、現場のスタッフも宮沢賢治の世界を自分の中に取り込んで参加してくれるので、あまり監督はやることがないんですよ(笑)。映画をずっと作ってきて、だんだん「監督ってなにもしないほうが一番良いんじゃないか」と。集まったキャストやスタッフが、どんどん作ってくれるんですよね。言ってみれば、親の気分かな。
 特に今回は2本目ということもあるし、みなさんが自分で作ってくれて、キャストの皆さんがアニメのキャラクターを一人前にしてくれた、世界を広げて貰った、という感覚がすごく強いですね。
 こういう作品なので、後世に残していきたい、という想いがありますので、日本だけじゃなく、世界中の人に見てもらえるような映像にしたいな、と思って、丁寧に作りました。
 映画は、柄本さんにナレーションをしていただいて、グスコーブドリという青年の伝記を、クーボー博士が語る、というような構成にしたのですが、これはもう柄本さんにやっていただくしかないな、と思いました。人の声というのはそれだけで力があると思うのです。ブドリのまっすぐな気持ちを表現した小栗さんの声も、ネリの忽那さんも、短い時間のあいだで映画の中の状況を捉えて、声で演技していらっしゃるのですが、その表現力には役者さんの力を感じました。絵のほうは江口摩吏介さんに、声は役者さんにゆだねているわけですが、久しぶりにそれぞれの方の声の力を感じました。
 係ってくださった方々の気持ちが入って、映画を大きくしてくれた、ということを実感しました」

(小田和正さんの主題歌を起用した理由について)

「企画の段階で、この曲を使いたい、という考えが僕の中にありました。「これから生まれてくる子どもたちへ、何ができよう」という詩そのものが、僕の読み方での賢治がこの童話作品の中に込めた思いとシンクロして。
 そういうメッセージは、説明的に描くのではなく、もっと心に響くような手段で伝えるものだと思うので、小田さんの歌に乗せて、映画全体の思いを伝えたい、と考え、使わせていただきました」



いよいよ映画は7月7日公開! 最新情報は公式サイトでご確認下さい!




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