兵庫県宝塚市にある手塚治虫記念館の企画展が新しい内容に替わりました。そのタイトルは「“萬画”〜石ノ森章太郎の世界〜」展。手塚治虫と同じく、「トキワ荘」出身メンバーで、「仮面ライダー」や「サイボーグ009」などの作品を生み出した、石ノ森章太郎を紹介する企画展です。
10月28日から開催していますので、もしかしたら、もうご覧になった方もいらっしゃるかも??
今月の虫ん坊では、企画展の内容や、関連グッズ販売などについて、手塚プロダクションの担当者に聞いてみました。
——今回の企画展のコンセプトを教えてください。
展示担当(以下展坦): 手塚治虫記念館での開催ですので、石ノ森章太郎というマンガ家の全体像を紹介できるような展示を企画しました。
石ノ森章太郎は、手塚治虫が亡くなった1989年に、手塚治虫との思い出を語る作品「風のように」という作品を発表しましたが、「萬画宣言」行いました。この「萬画」という言葉には、「あらゆるものを表現でき、あらゆる世代の嗜好に合い、無限の可能性をもつメディアであり、そしてミリオンアートである」という意味が込められています。
その「萬画」という言葉にふさわしく、まさに無限の広がりを持っている石ノ森ワールドを、可能な限りあまねく紹介しよう、というコンセプトで、多彩な発表作品を紹介しています。「石ノ森章太郎入門」として楽しんでいただければと思っています。
——目玉の展示は何でしょうか?
展坦:石ノ森先生の作品数の多さ、描いた世界の多彩さを体感していただこうと、500冊からなる大全集を並べて展示しました。この冊数は、個人のマンガ家の全集としては世界一なんです! それを認定したギネス・ブックの認定証も、レプリカですが、展示をしています。完全受注生産の商品だったので、なかなか全てを一同に見る機会はありません。
また、先ほどご紹介した作品「風のように」も、全編をパネル展示します。まだ読んだことのない方はぜひ、会場で読んでみてください。
——コラボ商品は楽しみですね! 石ノ森グッズもあるのでしょうか?
ショップ担当(以下シ坦):企画展が開催される事により、手塚治虫×石ノ森章太郎の作品コラボ商品が実現しました。
10/29(土)発売予定の商品は、
・ フェイスタオル 1,200円
・ エコバック 1,000円
・ Tシャツ 2,500円、
11月中旬 発売予定の商品は、
・ マンガるた 1,500円
・ ポストカード2枚セット 315円
・ クリアファイル 350円
です。中でも「マンガるた」はコラボ度120%の一押し商品ですよ!
この商品は、かるたのような要領で遊ぶカードゲームで、両先生の各25作品、計50作品によって札が構成されています。
絵札にはカラー原画が、また読み札(セリフ札)には各作品の名台詞が使われ、ファンの方に喜んでいただける商品になればと思い、両プロダクションで共同企画しました。
主人公になりきり感情をこめてセリフ札を読みあげていただけると、更に作品の世界にひたることができる一品です。
——ミュージアムショップで企画展商品などの取り組みはありますか?
シ坦:もちろん、コラボ商品以外にも石ノ森萬画館グッズを品揃えします。
限られた売場でしか販売していない商品ばかりで、関西地方での店舗販売はミュージアムショップのみです。
関連書籍も充実させる予定ですので、ぜひショップにもお立ち寄りいただけたらと思っております。
——石ノ森章太郎萬画館は現在、東日本大震災の影響で長期休館中で、再開に向けてがんばっています。
展坦:石ノ森章太郎萬画館の紹介はもちろん、させていただいています。また、萬画館が制作した「復興への取り組み」をまとめたパネルの展示も行います。
萬画館や石巻市を応援するメッセージをこの機会に寄せたい! という方は、お絵かきコーナーに、メッセージコーナーを設けますので、そちらで思いのたけをつづっていただければと思います。
——今後、石ノ森萬画館などへ、本企画展が巡回する予定はありますか?
展坦:今のところ、巡回の予定はありません。
この企画は、昨年夏頃から話が出ていたのですが、3月11日の大震災発生により、開催できないと考えていました。しかし先方のご好意もあり、微力ながら萬画館を応援する意義も追加して、今回の開催となりました。
——ところで、記念館といえばもはやおなじみになった、ワークショップなどの催しものはありますか?
展坦:ワークショップの開催予定は、現在ありません。
代わりに、萬画館の紹介を兼ねて石ノ森萬画館で上映されている作品をアトムビジョンにて上映します。
——いらっしゃるお客様にメッセージをお願いします。
展坦:手塚治虫記念館での石ノ森章太郎展、ということで、石ノ森章太郎先生をよく知らない方にこそ、来て頂きたいですね。手塚ファンにとっても、石ノ森先生はご存知の通り、手塚治虫の影響を多大に受けた作家でもありますので、きっと親しみを感じていただけると思っています。
——忙しいところ、ありがとうございました!