シリーズ
20XX年、アフリカ・ケニヤにあるトウ・モロー メタモルフォーゼセンターには、重罪人が続々と送りこまれていた。センターでは生きた人間に改造手術を施し、獣にして野に放っていたのだ。(「ザムザ復活」)
太平洋戦争下、南の島に降り立った南方軍の名将・雨月大将が見捨てられた村で出会った少年と少女は、実は...... (「大将軍森へ行く」)
このシリーズでは、そのものずばりタイトルに持ってきて、さまざまな「変身」をテーマにした作品が展開しています。
幸福な変身、不幸な変身、邪悪な変身、切なく美しい変身......
様々なシチュエーションでの「変身譚」をどうぞお楽しみください。
01,ザムザ復活 1976/05 「月刊少年マガジン」(講談社)
02,べんけいと牛若 1976/06 「月刊少年マガジン」(講談社)
03,大将軍森へ行く 1976/08 「月刊少年マガジン」(講談社)
04,すべていつわりの家 1976/09 「月刊少年マガジン」(講談社)
05,ウオビット 1976/10〜11 「月刊少年マガジン」(講談社)
06,聖なる広場の物語 1977/01 「月刊少年マガジン」(講談社)
手塚治虫は「変身(メタモルフォーゼ)」の魅力についてこう書いています。
「メタモルフォーゼ(変化、変貌、変身)こそ、ぼくが一生追求してやまないものなのだ」(『観たり撮ったり映したり』)。
アニメでは「バンダーブック」のヒロイン(?)ムズとして表現されたり、マンガでも『ふしぎなメルモ』のキャンディーでの変身や、『リボンの騎士』で白鳥に姿を変えられてしまう主人公・サファイアなどにその変身愛を見ることができます。
そのようないわばもっとも得意の変身ものをテーマにしながら、このシリーズはわずか6作で中断してしまいました。手塚の仕事量が多すぎたのが原因でした。
第3話、「大将軍森へ行く」はなんと、アメリカのホテルでたった半日で描かれました。