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ストーリー

現代のありとあらゆる悪を体現する悪魔のような男の姿を通して、現代社会の病理を浮き彫りにしたピカレスク(悪党)コミックです。
真面目で有能な銀行員・結城美知夫のもうひとつの顔は、次々と犯罪を犯し続ける凶悪な誘拐犯でした。
結城は、犯罪を犯すたびに、教会の賀来神父の元を訪れ、懺悔をしていました。
けれども結城と賀来神父とは、男性同士でありながら肉体関係にあったのです。
ふたりは15年前、沖縄近海の沖ノ真船島で恐ろしい事件を目撃していました。
島にあった外国の軍事貯蔵庫から漏れた、秘密化学兵器の毒ガスMW(ムウ)によって、島民が全滅したのです。
そして結城もそのガスに冒され、狂ってしまったのでした。
結城は、その事件を闇に葬った犯人に次々と復讐しながら、ついにMWの行方をつきとめました。
MWに脳や心臓を冒されて死期の近い彼は、そのMWを手に入れて、自分が死ぬ時、世界中にMWをばらまき、全人類を道連れにしようと企んでいたのです……。

解説

手塚治虫は、この作品以前にも『バンパイヤ』(1966-1967年)で、間久部緑郎という次々と犯罪に手を染める凶悪な少年を主人公として描いています。 『バンパイヤ』は、連載当時、従来の手塚治虫のマンガの殻を破った意欲的な作品と受けとられ、手塚治虫の代表作のひとつとなりました。 しかし掲載誌が少年誌だったため、『バンパイヤ』では描けない表現の限界というものもありました。 そこで、青年コミック誌を舞台として、もう一度、徹底した悪人を主人公としたピカレスクコミックの可能性を、とことん追及してみようという意図で描かれたのがこの作品です。 良心のかけらも見られない冷血な主人公・結城美知夫……。そしてその犯罪を止められないばかりか、彼の犯行に加担さえしてしまう賀来神父……。彼らの姿の中に、人間の弱さや、人の心にひそむ原罪が鋭く浮き彫りにされていく異色の作品です。

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  • MW 1
  • MW 2
  • MW 3

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