太平洋Xポイント

1953年

空気爆弾という架空の最終兵器をめぐる攻防を描いた読み切りSF作品。核開発競争への強い危機感が込められています。

 マンガ「太平洋Xポイント」より

 マンガ「太平洋Xポイント」より

マンガ「太平洋Xポイント」より

【解説】

コスモポリタン国のナーゼンコップ博士が原爆や水爆を超える破壊力を持った最終兵器・空気爆弾(空爆)を発明した。

空気中の水素が核分裂を起こし、それが連鎖的に広がってゆく空爆は、ひとたび爆発すれば地球全体の空気が爆発して世界が滅んでしまうかも知れない。

だがコスモポリタン国は太平洋のXポイントで空爆実験を強行すると発表した。

ギャング団のボス・地下鉄サムは、息子のエリックとたったふたりで、この空爆実験を阻止しようと試みる。

 

1953年、雑誌『冒険王』1月号の別冊付録として描かれた読み切り作品。

このころアメリカは太平洋のマーシャル諸島で核実験を繰り返しており、このマンガが発表された翌年の1954年3月には、日本の遠洋マグロ漁船がアメリカの水爆実験の死の灰を浴びるという「第五福竜丸事件」が起きている。