1954年
地下都市建設の裏に陰謀を嗅ぎ取ったヒゲオヤジは調査に乗り出す。核兵器を作り出す人類の愚かさと自己矛盾を、手塚流SFで描きます。
マンガ「地球の悪魔(地球1954)」より
地上が戦争で破壊された場合に備えて、山奥に巨大な地下都市の建設が始まった。
しかし私立探偵・ヒゲオヤジはこの工事の背後に陰謀の臭いをかぎ取り調査に乗り出した。
するとデモノバース"という謎のキーワードが浮上する。
デモン・オブ・アース(地球の悪魔)とはいったい何なのか?
そしてこの地下都市が造られた本当の目的は……!?
『太平洋Xポイント』の1年後に再び戦争をテーマとして雑誌『冒険王』1954年1月号別冊付録として発表された作品。
人類はなぜ核兵器のような残酷な大量破壊兵器を作ってしまうのか。
その愚かさと自己矛盾を手塚流のSF的解釈で描いている。
1977年6月から刊行が始まった講談社版手塚治虫漫画全集では『ジャングル大帝』第1巻などと共に刊行された第1回配本・全4冊の中に本作品が含まれており、手塚としても思い入れの強い作品だったようである。