1972年
復帰後、間もない沖縄で、米軍の小学校バスが強奪され子どもたちが連れ去られます。犯人はベトナム戦争の心の傷を背負った日本人たち。戦争の狂気を描き出します。
マンガ「イエロー・ダスト」より
沖縄が日本復帰を果たした3ヵ月後の1972年8月23日、米軍の小学校バスが強奪され子どもたち23人が連れ去られた。
犯人が子どもたちを連れて立てこもったのは、戦時中、日本軍の司令部があった地下壕の中だった。
やがて明らかとなった犯人の正体はベトナム戦争に労務者として加わっていた日本人だった。
いまだ癒えないベトナム戦争の心の傷から犯行に至った男たち。
だが悲惨な結末を迎えたのは彼らだけではなかった……。
ストーリーは完全なフィクションであるが、作中には実在する沖縄の地名がいくつも登場し、米軍基地の島として生きるしかなかった戦後沖縄の姿が生々しく描かれている。