1971年
終戦の日の幸福感と音楽が結びつき、音楽を聴くと笑いが止まらなくなるという奇病を持った男の話。手塚治虫自身の終戦時の体験をモチーフとしています。
マンガ「笑う男」より
音楽を聴くと笑いが止まらなくなる持病を持ったひとりの男。
その原因は終戦の日に米軍の流した音楽を聴いたことだった。
戦争が終わった幸福感と音楽とが結びつき、音楽を聴くとあの日の幸福感を思い出して笑いが止まらなくなってしまうのである。
たった今この瞬間に死ぬかも知れないと思っていた恐怖から一瞬にして解放されたとき、果たして人はどのような態度を取るのか。
1945年8月15日の敗戦を体験した手塚自身の気持ちが戯画化して投影された掌編である。