2023/08/11
宝塚市立手塚治虫記念館訪問記
写真と文/山崎潤子
2023年7月某日、兵庫県宝塚市にある「宝塚市立手塚治虫記念館」に行ってきました。宝塚市は手塚治虫が幼少期から青年期までの約20年を過ごした地です。
記念館だけでなく、宝塚市自体が魅力あふれるところだったので、レポートします。
前回の手塚治虫記念館レポートからの続きです。
手塚治虫記念館を1階→2階→G階と見て、G階の出口を抜けると......。
あら、おしゃれな建物!
ここは記念館に隣接する「宝塚市立文化芸術センター」です。
手塚治虫記念館と同じ庭園内にあり、G階出口の目の前です。
さまざまな企画展示などが開催されていて、美術鑑賞、散歩、読書、憩いなど、自由に楽しめる施設となっているようです。
有料展示もありますが、宝塚市民だけでなく、誰でも無料で利用できますよ。
早速入ってみましょう。
1階にはライブラリー、カフェ、ショップなど。
2階にはメインギャラリーがあります。
こちらはライブラリー。
もちろん手塚先生の本も。
記念館見学でのどが乾いたり小腹が空いたら、こちらのカフェスペースでSIDEMAAN'S STAND (サイドマンズ スタンド)のドリンクや軽食がおすすめ。
私は自家製ジンジャーエール、Iさんはコーヒーとアイスクリームを。
暑い日はこまめな水分補給が大事!
そしてこだわりのショップも。
昔の宝塚の風景写真などのポストカードが売られていました(人気商品だそうです)。
宝塚は明治時代に温泉が開かれ、大正、昭和時代と、動物園、映画館、植物園などを備えたレジャー施設、ホテル、歌劇場など、観光の街として人気があったそうです。当時の面影がポストカードになっています。
宝塚で育った手塚先生の作品にも、歌劇や賑やかな街の様子などが影響しているといわれています。
ポストカード、購入させていただきました。
屋上庭園!ここでお弁当を食べたりすることもできるそうです。
1階に降りて敷地内を散策。
レオ像も。
ガーデンの石畳には......。
隠れB・Jが!
(石畳には、他にもヒゲオヤジ、『三つ目がとおる』の写楽が隠れています)
ヒョウタンツギのオブジェも何体か緑の中に隠れています。
みなさんもぜひ見つけてみてください。
(私たちは意地ですべて見つけました)
こちらの庭園もそうですが、手塚治虫記念館にも各所に隠れキャラがたくさん潜んでいます。
目を凝らしていろいろ見つけると、楽しみが増えますよ!
次は記念館から数分のところにある、宝塚大橋に行ってみましょう。
橋の上にもタイル!
武庫川が流れる美しい眺め。
反対側からは宝塚大劇場、宝塚ホテルなどが見えます。
ちょうど阪急線の電車が!
阪急線の車両はシックで上品なデザインですね。
阪急マルーンといわれるこだわりの色だそうです。
次はここから少し歩いて、伊和志津神社へ行ってみたいと思います。
宝塚大橋を抜けて左方面に進むと、徒歩10分ちょっとで伊和志津神社に到着します。
ここは平安時代より続く、由緒ある神社です。
季節柄、ブルーの風車と風鈴の涼やかな音色が......。素敵!
なぜここにきたのかというと......。
じゃーん!
そう。ブラック・ジャックの絵馬があるんです!
たくさん奉納されています。壮観です!
宮司の木田隼人さんにお話を伺いました。
──なぜブラック・ジャックの絵馬を?
漫画の神様、手塚治虫先生が宝塚で育ったことは、市の誇りです。伊和志津神社でも、ブラック・ジャックや鉄腕アトムなどのキャラクターを使って何かやりたいと前々から考えていたんです。
というのも、手塚先生が生前、お祭りのぼんぼり用に鉄腕アトムを描いて奉納してくださったというご縁があります。その絵をもとに昨年の12月に御朱印帳を奉製させていただいたのがはじまりです。それが大変な人気になったこともあり、ブラック・ジャックの絵馬を奉製させていただくことになりました。
その、手塚先生が描かれたというぼんぼりの絵が保存されているということで、見せていただきました。
額に入っているのが先生の絵2点、上にあるのが手塚キャラの御朱印、下にあるのが御朱印帳と絵馬です。
御朱印帳はなんと、友禅染という豪華仕様!
──ブラック・ジャックの絵馬はどんな方が?
病気を治すだけでなく、医学部や看護学部の合格祈願、また、忙しい医療従事者の方々が平穏な日々を過ごせるよう「医療成就」という文字を入れました。ちなみに、ブラック・ジャックが四つ葉のクローバーを手にしているのは私のアイデアを採用していただきました。
──御朱印帳と御朱印も、かわいいですね!
御朱印は、手塚漫画のキャラクターが伊和志津神社を参拝している絵柄になっています。季節ごとに絵柄を変えています。
──神社と漫画のコラボというのは、とてもおもしろいアイデアですね。
神社というのは、古くから人々の心に寄り添う場所だと考えています。現代の若い方々に神社を身近に感じていただくためには、古いままではいけない。ブラック・ジャックや鉄腕アトムなどを通じて、少しでも神社を身近に感じていただければと思います。
長い歴史を紡ぐ中で、私は点のひとつにすぎません。後世によりよいバトンを渡すためにも、自分の代でできるかぎりのことをしたいと思っています。それが地域や社会の役に立てれば幸いです。
話し込んだら、とても真摯なお話が聞けました。
木田さん、ありがとうございました!
ブラック・ジャックと一緒にパチリ。
由緒ある神社の宮司様にこんなことを言っていいのかわかりませんが、とってもナイスガイ!!!
みなさんも、ぜひ記念館に来た折には伊和志津神社まで足を伸ばしてご参拝を!
最寄駅は阪急線の逆瀬川になります。行きは手塚治虫記念館からのんびり散策しながら歩き、帰りは逆瀬川駅から電車に乗るという手もありますよ。
今度は宝塚駅方面に戻り、手塚治虫が子どもの頃に昆虫採集をしたという
「千吉稲荷」と「蛇神社」に行ってみようと思います。
記念館のG階にも解説があります。記念館で配っている「手塚治虫のたからづかワンダーマップ」にも大体の場所が紹介されていますので、ぜひゲットしてみてください。
まずは千吉稲荷へ。
宝塚駅あたりから、地図を頼りに進んでいくと......
ところどころに案内表示が。
え? こんなところに?(あぜ道!)
ずんずん進むと......。
ありました!
連なる鳥居を進んで......。
とりあえずお参り。
ちなみに、同行したTプロダクションのIさんは
数分間の滞在で数ヵ所蚊に刺された模様です(笑)。
私は刺されないタイプなので大丈夫でした。
夏場に訪問される際は、虫除け対策が必須です!
さて、またしばらく歩いて、お次は蛇神社へ。
こちらは住宅地の間に、本当に本当にひっそりと佇む祠です。
千吉稲荷も蛇神社も住宅地にある神社です。
訪問される場合は近隣の方々のご迷惑にならないよう、くれぐれもご配慮ください。
第2回はここまで。
次回の第3回は、宝塚グルメと宿泊レポート、宝塚のおみやげについてご紹介します。
......正直、かなり個人的な旅レポートになりますが、きっと宝塚のよさを知っていただけると思います!
つづく!
山崎潤子
ライター・エディター。
幼少期より漫画漬けの生活を送ってきた生粋のインドア派。
好きな手塚作品は『ブラック・ジャック』。著書に『10キロやせて永久キープするダイエット』などがある。