2023/08/04
宝塚市立手塚治虫記念館訪問記
写真と文/山崎潤子
2023年7月某日、兵庫県宝塚市にある「宝塚市立手塚治虫記念館」に行ってきました。宝塚市は手塚治虫が幼少期から青年期までの約20年を過ごした地です。
記念館だけでなく、宝塚市自体が魅力あふれるところだったので、レポートします。
東京から宝塚へ向かうには、まず新幹線で新大阪へ。
新大阪に着きました。
新大阪から宝塚駅へはJR線と阪急線が使えるのですが、JR線なら新幹線を降りてから乗り換えもスムーズ、新幹線チケットの「都市区内ゾーン」を利用できるのでお得です。
というわけで、今回はJR線で宝塚へ向かいます。
乗車時間は40分ほど。
同行したTプロダクションのIさんとおしゃべりしていたら、あっというまに着きました。
今回は乗り換えなしで行けましたが、ダイヤによっては大阪、尼崎での乗り換えが必要です。
ちなみに、新大阪から宝塚への乗車賃は510円。都市区内ゾーンを利用したので330円で済みました。阪急線なら、同じく都市区内ゾーンを利用して新大阪から大阪梅田へ行き、そこで乗り換えます。電車賃は290円。
宝塚到着!
改札口を出たら右に進みます。
ロータリーを挟んで阪急線の宝塚駅が並んでいます。手塚治虫記念館へ行くには歩道橋を通って向かいの阪急線の駅方面に進みます。
案内板もあります。
歩道橋を降りて、阪急線の駅を抜けると......。
駅前の「宝塚ゆめ広場」へ!
おお! 宝塚に来た!という感じです。
宝塚といえば、ご存じ、宝塚歌劇団の本拠、宝塚大劇場ですよね。
到着日は公演がなかったので静かでしたが、公演日はヅカファンたちで大いに賑わうそう。
「ソリオ宝塚」という、店舗がたくさん入った商業ビルを抜けていきます。
そこから先は......花のみち!!!
ここは宝塚大劇場へ続く歩道で、舞台への花道という意味もあるそうです。
この花のみちがとっても素敵なんです。
テンション上がる!
左右の建物も宝塚歌劇場に合わせたデザインになっていて、まるでテーマパークにきたかのような気分に。
花のみち、すっかり気に入りました。
春は桜並木となるそうなので、春にも来てみたい!
しばらく歩くと、右手にかの宝塚歌劇場が見えてきます。
素敵! 外観だけでも拝んでおきます。
花のみちのあちこちには、歌劇にちなんだ銅像が。
「ベルサイユのばら」像!
ギリギリですが、バラの花が完全に散る前に見られてよかった......。
オスカーーール!
歩道にはこんなタイルも!
さらにテンションが上がります。
7、8分歩くと、手塚治虫記念館が見えてきます。
おわかりでしょうか......?
そして......。
到着!
火の鳥のモニュメントがお出迎えしてくださいます。
神々しい......。
記念館前には手塚キャラの手形、足形がいっぱい!
ハリウッドのチャイニーズシアターのようです(行ったことはありませんが)。
B・Jの足、意外にちっちゃいのね......(笑)。
W3(ワンダースリー)のボッコ、プッコ、ノッコ。わーかわいい!!!
(他にもたーくさんあります)
では、記念館に入館します!
私の大好きなサファイア像が!
天井には数々の手塚キャラ。
床には手塚先生!
(ごめんなさい。踏みました......)
1階の常設展示には、展示カプセルがずらり。
『火の鳥 未来編』に登場する生命維持装置がモチーフだそう。
じっくり鑑賞します。
おそらく人それぞれ、刺さるカプセルは違うと思います。
私は手塚先生の手書きの題字が大好きです。
うまく撮影できなかったのですが、手塚先生の題字のデザインは、どれも秀逸すぎます。
作品の世界観に合わせた題字で、短編でも手を抜かないのがすごい!
そして、先生が子どもの頃に描いた昆虫図鑑!
これもすごすぎます。
奥にある映像コーナーでは、手塚先生本人の映像、そして名だたるクリエイターの方々による「手塚治虫を語る」が観られます。
こちらはこのあとご紹介する館長のおすすめ展示だそうです。
手塚先生のマンガやアニメへの情熱が伝わります。
時間があれば最後までご覧ください!
2階に登ります。
2階は企画展示のコーナーがあります。
CAPCOMのストリートファイターシリーズを代表する対戦格闘ゲームとのコラボ企画が開催されていました。
『テヅカプファイティングユニバース CAPCOM vs. 手塚治虫CHARACTERS』
(2023年10月29日まで)
ストIIあたりはよくやったものです。
現在はストリートファイター6が発売されて、ものすごい人気なんですよね。
手塚先生の原画も展示されています。
やっぱり見入ってしまいます。
ちなみに、企画展示は4ヵ月スパンで年3回開催されているそうです。
入れ替えの間は休館するそうなので、常に何かの企画展が行われていることになります。
4ヵ月おきに来るたび、違う展示が見られるのはいいですね!
ちなみに、過去の人気企画展示はエヴァンゲリオンやマクロスだそうです。
見応えのあった企画展示を抜けると......。
お楽しみのミュージアムショップ!
私、ミュージアムショップって大好きなんです。
企画展のグッズも並んでいます。
こちらは館長激推し①のチョコラングドシャクッキー。
手塚キャラがプリントされています。ここでしか買えません!
(この日は残念ながら品切れでした)
さらに激推し②、無添加レトルトカレー。
保存料、化学調味料不使用です。お子様も安心!
さらに激推し③、B・J名言トイレットペーパー。
トイレが長くなりそう......。
というか、もったいなくて拭けないかも。
さらに激推し④、B・J名言ステッカー。
玄関に貼ったら押し売り対策になるかしら......。
私も何点か購入したので、第3回で見せびらかしたいと思います(笑)。
ショップの先には手塚治虫の作品を揃えたライブラリーがあります。
蔵書は約2000冊!
ここ、1週間くらい余裕でいられそうじゃないですか?
近未来的な検索機。
わお! ジャングル大帝の世界をイメージした休憩コーナーもあります。
奥にはキッズが遊べるスペースもありますよ!
そしてエレベーターで一番下のG階(グラウンドフロア)へ。
エレベーターの扉も凝ってますよね。
G階にあるアニメ工房です。
ここではなんと、アニメーション制作体験ができます。
実際にやってみました。
お姉さんの指示にしたがってイラストを起こすと......。
わ! 私がつくった棒人間アニメ!
動いています。うれしい!
隣のIさん、アトムが飛んでいます。
なかなかうまいわね......。
今回は時間の関係で簡単なアニメーションでしたが、
もう少し複雑なものもつくれるそうです。
手塚先生が夢中になったアニメ制作、その楽しさが少しだけ理解できたような......。
大人も子どももおすすめです。
そして、モニタの前に立つと動作の真似をしてくれる「まねっこロボット」(これも楽しい)。
いい大人が子どものようにさんざん遊び......。
手塚治虫記念館、満喫しました!
ものすごく楽しかったです。
そうそう、記念館の入館チケットはバリエーションがあるそうです。
こんな感じ!(特別にサンプルをいただきました)
レオ、かわいい......。
何が出るかはお楽しみ。
これ以外のパターンもあるみたいですよ!
第1回の最後に、手塚治虫記念館館長、水野寧さんをご紹介します。
B・Jとツーショット。ベレー帽がお似合いです。
2023年4月に館長に就任したばかりだそう。
手塚治虫記念館は「宝塚市立」の施設です。そのため、館長さんも宝塚市の職員の方なんですね。お話を伺ってみました。
──水野さんが館長になられた経緯は?
これまで福祉や社会教育に携わっていました。ですから、今回の館長就任は思いもよらない人事でした。
──実は漫画やアニメにものすごくお詳しいとか?
全然そんなことはありません。子どもの頃に『ブラック・ジャック』などは読んでいましたが、手塚先生の全作品を読んでいたわけではなかったので、まだまだ必死で勉強中です。就任したばかりでわからないことも多いですが、だからこそおもしろさもあると思っています。
──手塚治虫記念館は、宝塚市にとってどんな存在ですか?
記念館は宝塚市の「手塚治虫記念館条例」にもとづいて運営しているんです。宝塚は手塚治虫先生が育った地ですから、先生の偉業を広く後世に伝えること、若い世代が夢や希望を感じられることを大切にしています。遠方から来てくださる方はもちろん、市民、市内の子どもたちに親しまれるような施設でありたいですね。市内の子どもたちは小学校の社会見学の一環で訪れています。
──水野さんが思う、記念館の楽しみ方を教えてください。
自由にじっくり、ゆっくり、一人ひとりのペースで楽しんでいただきたいなと思っています。館長として、いかに快適に見ていただけるかを第一に考えています。私のおすすめは1階で上映している手塚先生の動画です(前記参照)。
──手塚治虫、そして記念館についてひとこと!
生命や自然といった最も大切な本質を、漫画を通して残してくださったことは、手塚先生の素晴らしい偉業だと思います。やっぱり、楽しいもの、おもしろいものって、一番心に残りますよね。記念館を見て、体験していただくことで、先生のメッセージが間接的にでも伝わるといいなと思っています。
たとえば家族で来ていただいて、子どもさんは「楽しかった」と感じてくれればそれでいいし、大人の方は手塚先生のメッセージを感じていただいて、言葉にはしなくてもいい意味でのつながりがあるといいなと思います。学校の勉強ばかりでなく、人が育つ、人を育てるというのは、そういうことだと思います。
就任したばかりということで謙遜されていましたが、手塚作品の真髄を広く伝えようという志が感じられました。
水野館長、ありがとうございました!
記念館の展示について、詳しくは手塚治虫記念館の公式サイトでも紹介されています。
第1回は、ここまでです。
第2回は手塚治虫記念館から、気軽に回れる宝塚のおすすめスポットなどをご紹介します。
第3回は宝塚の宿泊とグルメレポート、激推しおみやげなどについてご紹介します。
山崎潤子
ライター・エディター。
幼少期より漫画漬けの生活を送ってきた生粋のインドア派。
好きな手塚作品は『ブラック・ジャック』。著書に『10キロやせて永久キープするダイエット』などがある。
宝塚市立手塚治虫記念館訪問記 宝塚取材が思った以上に楽しかった件 第2回
宝塚市立手塚治虫記念館訪問記 宝塚取材が思った以上に楽しかった件 第3回