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虫ん坊 2017念8月号 特集2:夢のコラボレーション!? 手塚治虫×「踊り子クリノッペ」インタビュー

虫ん坊 2017念8月号 特集2:夢のコラボレーション!? 手塚治虫×「踊り子クリノッペ」インタビュー

 目鼻のない珍妙な黄色い生き物「クリノッペ」……。皆さん一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
 2007年に配信がスタートし、今年で10周年を迎える「踊り子クリノッペ」は、いわばソーシャルゲームの元祖ともいえる存在。そんな「踊り子クリノッペ」と手塚キャラクターのコラボレーションが実現!
 今回の虫ん坊では、「踊り子クリノッペ」の運営を手掛けるグリー株式会社のクリノッペ運営陣にお話をうかがいました。一度ハマったら抜け出せない!? 謎の生物クリノッペの魅力とともにコラボについてご紹介します。




「踊り子クリノッペ」とは?
クリノッペというキャラクターを育成する、ペット育成ゲーム。クリノッペ自体は大きくならず、タイトルにもあるとおり踊り子(ダンサー)としての成長をみせる。目鼻がなくコトバを話さないため、大好きなご主人さまにはダンスで感情を表現する。

  

虫ん坊 2017念8月号 特集2:夢のコラボレーション!? 手塚治虫×「踊り子クリノッペ」インタビュー

●インドで発見された謎の生物
●3cmほどで、プニプニした感触
●つつかれるのが大好き
●性別不明
●人間の赤ちゃんくらいの知能



 これが「踊り子クリノッペ」! 誕生のヒミツ

  

虫ん坊 2017念8月号 特集2:夢のコラボレーション!? 手塚治虫×「踊り子クリノッペ」インタビュー

踊り子クリノッペプロデューサー 森山美登里さん


―――なんとも不思議な見た目をしたクリノッペですが、この目鼻のないヴィジュアルはどこから生まれたのですか?


森山美登里さん :(以下、森山)

 私は開発当初はチームにおらず、聞いた話になってしまうのですが、もともとこの他にもヴィジュアル候補はほかにもいくつかあったそうです。
「クリノッペ」となりうるデザインを数点用意して、キャラクターや流行りものに敏感そうな、渋谷の20代の女性を対象とした街頭インタビューを行いました。


―――まさか、この子がコンテスト形式で一番人気だったとか……?


森山 :

 いいえ(笑)。 目鼻がなく、正体もよくわからないクリノッペは最下位だったそうです。
 用意したデザインの中には、いかにも世に受けそうな見た目をしたキャラクターも入っており、渋谷の女子には「気持ち悪い」「なにこれ?」というコメントも多々いただきもっぱら不評だったみたいで……。


―――最下位のデザインを採用したのはなぜでしょうか。


森山 :

 今ではスマートフォンでのアプリゲームが主流ですが、2007年のGREEはまだゲーム配信を始めたばかりの頃で、当時は携帯電話で遊べる世界初のソーシャルゲームが弊社の「釣り★スタ」で、クリノッペはその次にリリースされたゲームでした。
 携帯電話でプレイするキャラクター育成ゲーム、という初めての試みだったため、不人気なものをあえてメインに据えることで、「なにこれ?」という取っ掛かりから大勢の方に目をとめてもらうという狙いがあったようです。
 とにかく、他のキャラクターとは違う、新しいもの、奇妙で面白いキャラクターを生み出したかった、と聞いています。


―――たしかに、最初見たときは「なんだろうこれ?」と思いましたよ。


森山 :

 目鼻がないので、ピンク色のほっぺの部分を目だと思って、黄色い宇宙人かと間違える方もけっこういます。お子さんには怖がられがちなんです。


―――たしかに……宇宙人というか、UMAというか、手塚マンガにも出てきそうな見た目をしてますよね。「火の鳥」に出てきても馴染んでそうです。



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実は虫ん坊スタッフもやってました! 久々に見てみたら腹ペコ状態……ごめんなさい。


―――実際に、ユーザーの反応はどうでしたか?


森山 :

 実は、クリノッペは当初、限定配布でした。一部のお客様が配布サイトでパスワードを入手することで、数量限定で入手できたんです。
 その後、ありがたいことにご要望が殺到。インドからさらに仕入れ、徐々に配布個数を増やしていき、今では安定的にクリノッペを配布できるようになりました。
 お客さまから「クリノッペへの思い」を募集した際に、「最初はかわいくなかったけど、どんどん愛着が湧いてきた、今はもう離れられません」、「家族の一員です」など、嬉しいご意見をたくさんいただきました。
 以前、ゲームが一時的にできなくなるというエラーが起きた時に、「うちのクリノッペが死んじゃう!」と泣きながらお問い合わせをくださった方もいらっしゃいました。
 ゲーム内で年賀状をお客さま同士で送りあえるサービスはじめたときに、あるお客さまから「喪中でゲーム内でも年賀状を受け取るのが申し訳ないのでお返事できないという項目を作ってください」というご要望をいただいて、とても驚いたことがあります。ここまでゲームに寄り添ってくださっているんだとスタッフ一同、感激してしまって。


―――自分の生活の一部としてクリノッペを遊んでいただいているように感じます。たしかに、育てていくうちに愛着が湧いくるというか……表情がないぶん、踊りで一生懸命気持ちを伝えてくるのもなんだか健気に見えてきて、皆さんがここまでハマってしまうのも頷けます!


森山 :

 まさに、何もまとっておらず目鼻がないからオシャレをさせてあげたい、ダンスで気持ちを伝えてくれる姿にキュンときてしまうとか……極限にシンプルな見た目だからこそ、そういう魅力が引き出せているんじゃないかなと思います。
 今となってはこの「のっぺらぼう」がクリノッペの特徴ですし、今回のようにコラボレーションさせていただく際にも、”何にでもなれる、ご主人さま好みのクリノッペにできる”という良さがあると感じています。


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「クリノッペ」という名前は、クリオネ+のっぺらぼう。水中では足がひっこみクリオネっぽくなる。


森山 :

 今年で10周年を迎えますが、ゲーム配信がスタートした2007年から現在までずっと継続して遊んでいただいている方も多くいらっしゃいます。
 皆さん、私よりクリノッペのことに詳しくて、ドキドキしてしまいます。
 去年、9周年のタイミング(クリノッペの“ク=9”にかけて)で初めてファン感謝祭を開催して、リアルでお客さま方とお会いする機会があったんです。それこそ、その場に初期から遊んでいますというお客さまがいらっしゃって、生の声をお聞きすることができました。
 そこで皆さんに言われて申し訳なく思ったのが、「最近、クリノッペをやっていると周りに懐かしいと言われる。その懐かしいといわれるのが悔しい」と言われたことでした。


―――「クリノッペ知ってるよ! 懐かしいね!」と言われてしまうと、今も自分は楽しんでいるのにと、たしかに悲しいですね。


森山 :

 10周年という節目を迎える中で、もっと皆さんに遊んでいただけるように頑張らねばと思います。今回のコラボレーションも、そのきっかけになれば大変嬉しいです。



 クリノッペワールドに手塚キャラが仲間入り!


虫ん坊 2017念8月号 特集2:夢のコラボレーション!? 手塚治虫×「踊り子クリノッペ」インタビュー

グリー本社、クリノッペチームの一角。


―――そんなクリノッペと手塚キャラ……一体どのようなコラボレーションになるのでしょうか。


森山 :

 ゲーム内では、クリノッペのかわいさを楽しむ一環として、着せ替えアイテムやお部屋のコーディネートができるようになっています。
 アイテムは、他社キャラクターとのコラボレーションをはじめ、毎月150点以上リリースしています。
 着せ替えだったり、コスプレだったり、クリノッペが手塚キャラクターになりきれるものをご用意しました。



虫ん坊 2017念8月号 特集2:夢のコラボレーション!? 手塚治虫×「踊り子クリノッペ」インタビュー

アトムの着せ替え。クリノッペはのっぺらぼうなので、顔を描くことができる「ペイント」というアイテムもある。


―――クリノッペは独特の世界観だと思うのですが、コラボレーションをするにあたり心がけていることはありますか。


森山 :

 対象となるキャラクターとクリノッペを掛け合わせたときの見た目の相性、クリノッペの中で世界観が表現できるかということと、より多くの方に楽しんでいただけるか、を考えてキャラクターとのコラボレーションを提案しています。
 他社キャラクターとのコラボでは、「あるある」というのがキーワードになっていて、コアなファンの方に嬉しいようなマニアックな部分をコラボに反映するのではなく、誰もが知ってる表情や角度、色味を作るようにしています。というのも、クリノッペは弊社で配信しているゲームの中でもお客さまが多いゲームであるため、幅広い方に喜んでいただく、理解していただくというのを大前提としているからです。
 今回のアイテムも、アトムやお茶の水博士、ブラック・ジャックはかなり試行錯誤をしながら作りましたが、誰もが思い描く手塚キャラの一面を出すというのがポイントとなっています。


―――アイテムのデザインは、ビフォーアフターで、ガラリと変わっていますね。




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森山 :

 アバターというものは、基本的に人間の姿をしていますよね。人型のアバターにキャラクターのきせかえを合わせる、というふうに。
 でも、うちでは「クリノッペ」という人間の形ではないキャラクターに他キャラクターを合わせることになるので、その作品の世界観をクリノッペにうまく落とし込まねばならないというのが難しいところなんです。 
 お茶の水博士も、いつものクリノッペに近くデザインしたところ、社内でこれは雰囲気が違うし、ただのおじさんに見える……ということで、より手塚先生が描くお茶の水博士に近くデザインしなおしています。
 クリノッペ内のデザインは、細かく書き込むことはあまりせず、大きなフォルムで作っていくので、それを踏まえながらも原作の特徴を出すというのは苦労しました。
 目の距離感が一寸違うと全然印象が違ってしまって、パーツの位置もかなり調整を重ねています。


―――ブラック・ジャックはどうですか?


森山 :

 手塚プロダクションのご担当の方から、「ブラック・ジャックの顔は、クリノッペらしいキモカワイイ感じか、ブラック・ジャックのかっこよさを思い切り出すか、どこかの方向に振ったほうがよいのでは?」とご指摘をうけたので、これはもうかっこいいブラック・ジャックで行くしかない! と、思い切ってキリっとした表情に修正しました。
 そのため、「丸みを帯びたかわいらしいフォルムが第一で、鋭角的な表現をしない」というクリノッペ的デザインの中でも珍しくハンサムに寄せたアイテムに仕上りました。
 クリノッペの世界に入ったとしても、「あ!これは○○だ」とわかっていただけるよう、誰もが思い描く手塚キャラの一面、キャラクターのポイントを押さえるよう心掛けています。
 お茶の水博士の、この斜めに振った向きの顔アイテムというのもクリノッペでは初の試みです。



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こんな着せ替えアイテムも登場予定! 誰だかわかりますか??


森山 :

 着せ替えアイテムのほかに、持たせるおもちゃアイテムや、クリノッペのお部屋の背景アイテムなど、ここには載っていないアイテムもリリース予定です。
 同じ作品のアイテムで揃えていただくもよし、いろんなキャラクターが入り混じるお部屋を作っていただくもよし、これは禁じ手かもしれませんが……手塚先生のキャラクター以外のキャラクターと融合いただくのもなかなか乙かなと思います(笑)。



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こんなオシャレアイテムも。組み合わせは無限大。



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ぬいぐるみアイテム。


森山 :

 クリノッペを楽しんでいただいているお客さまの年代は幅広いのですが、中でも手塚先生の作品をリアルタイムで読まれていた世代の方は多いです。手塚作品との思い出がある方に響くコラボになればとても嬉しいです。
 虫ん坊読者の皆様も、これを機会にクリノッペと触れ合ってみてはいかがでしょうか?


―――ありがとうございました! 最後に、コラボ期間について教えてください。


森山 :

 コラボレーションは、8月1日から9月29日までとなっています。コラボ期間中には、手塚キャラクターが登場する期間限定イベントもありますので、お見逃しなく!




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