「鉄腕アトム」をイメージキャラクターに、ロボットの開発・利用をもっと広めていこう、とさまざまな取り組みを行っている、「さがみロボット産業特区」。
3月22日から、特区内を走るJR相模線に「アトムトレイン」が登場する、ということで、その運行開始イベントを取材しました。
「ロボット開発の将来を担う子供たちに、もっと関心をもってもらいたい」という願いから、神奈川県在住・在学の小学生以下の子供たちを対象に公募して集まった「未来のハカセ」たち。 ハカセになりきった写真と、「こんなロボットが欲しい!」というアイディアでラッピングした電車が「アトムトレイン」です。
始発駅の茅ヶ崎駅を、12時18時に出発、以降約6か月(2015年9月まで)、JR相模線を走ります!
「JR相模線は、利用者も他の路線と比べても少なく、首都圏の中では比較的ローカル色の強い路線になります。そのため、このようなイベントも比較的お客さまのご利用の少ない時間帯であったことから、実現しました」
お話を伺ったJR東日本 横浜支社 総務部企画室副課長 磯嶋雅彦さんによると、このようなプラットフォームに実際に入ってきた車両と一般のお客様が触れ合えるイベントを行うのは、あまり例のない取組みだとのことです。
JR相模線とは、茅ヶ崎駅と橋本駅を結ぶ路線ですが、運行本数も少なく、東海道線や横浜線、根岸線と比べると利用客も実は少なめ。一日、平均でどれくらいのお客様が乗降しているのかというと、だいたいこんな感じ。
JR相模線 | |
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茅ヶ崎 | 11万人 |
厚木 | 1.3万人 |
海老名 | 21万人 |
橋本 | 12.5万人 |
そのほか各線 | |
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横浜 | 81万人 |
川崎 | 40万人 |
武蔵小杉 | 23万人 |
単線で、地形上の理由からスピードもあまり出せないなど、不便さもあることからなかなか利用者が増えない状況です。
「神奈川県内を走る路線としては、認知度もまだまだなんです。
もっと愛される路線になるためにさまざまな画策をしている中で、神奈川県庁を中心として、沿線の各市(茅ヶ崎市、寒川市、座間市、海老名市、相模原市)による相模線沿線を盛り上げるための勉強会が行われておりまして、そこからこの企画が実現することになりました」
では、アトムトレインの全貌をご紹介しましょう!
まずはこの、ヘッドマーク。アトムのシルエットが印象的な、「さがみロボット産業特区」のロゴマークになっています。
「シートは実は消耗品で、定期検査の折に8年程度に一度、取り替えますが、今回のような、シートのカバーを取り替えるというアイディアは、JR東日本としては初めてなんです。シートカバーを専門に作っているメーカーさんに特注して作っていただきました」
JRとしては超珍しいアトムシート、アトムトレインに乗る際にはぜひ一度座ってみてください!
大盛況で終わった今回の「アトムトレイン」運行開始イベント、茅ヶ崎駅始まって以来の大イベントだったそうです。
「これからも、相模線を盛り上げるイベントをどんどん、やっていきたいと思っています! 楽しみにしていてください。」
ちなみに、アトムトレインのベスト撮影スポットは…?
「相武台下から下溝間は約3キロの区間なのですが、ここの間からですと、相模線4両編成がすべて入る、視界のひらけた場所があります。のどかな田園風景の中を走る相模線をカメラに収めるには絶好の場所ですよ! それに、この区間は桜の並木道を走るので、車窓からも桜並木が楽しめます。
駅で良い撮影場所がある駅は、この茅ヶ崎駅から2つ先の駅、香川駅です。駅前広場が整備され、今まで入れなかった場所にも入れるようになったんです。ここから通過するアトムトレインを撮影することもできますので、アトムファン、鉄道ファンにはぜひチェックしてほしいですね!」
こちらも気になりますね! 磯嶋さん、みなさん、お忙しい中、ありがとうございました!