1973/11/19-1983/10/14
1 医者はどこだ!
1973/11/19 「週刊少年チャンピオン」
世界一の実業家ニクラ、彼のひとり息子で不良のアクドが交通事故で瀕死の重傷を負った。B・Jは彼の臓器を入れ替えるために、別の体が必要だと告げた。ニクラは無関係の青年を死刑にさせ、その体を使えと指示した。「金があれば何でも出来る」そう豪語するニクラに対してB・Jは……。
2 海のストレンジャー
1973/11/26 「週刊少年チャンピオン」
嵐の夜、B・Jは何者かに小型漁船へと拉致された。そこには現金輸送車を襲った男たちが待ち受けていた。リーダー格の男の弟が、強盗の最中に大怪我を負ったらしい。手術は成功するものの輸血する血液がないまま、海を放浪することになった一行は、一匹のイルカによって運命を変えられてゆくことになる。
3 ミユキとベン
1973/12/3 「週刊少年チャンピオン」
町のならず者ベン、彼は電車の中で見かけたミユキという少女に恋をする。しかしミユキはガンが全身に転移していて死は目前だとわかる。ベンはB・Jの元を訪れ、愛する女性の命を救ってくれと訴えた。彼女が治るのなら何でもする。死んでもいい、と--。
4 アナフィラキシ-
1973/12/10 「週刊少年チャンピオン」
横田基地へと赴いたB・Jは、戦場で心臓に弾丸の破片が突き刺さった大佐の息子を救ってくれと頼まれる。この息子はアナフィラキシー(過敏症)で、麻酔にも拒否反応を示し、全身を痙攣させる。B・Jは電気麻酔法を試み、手術は成功した。しかし戦死するために助けられた命に何の価値があるのだろうか……。
5 人間鳥
1973/12/17 「週刊少年チャンピオン」
人力飛行コンクール。その上空に翼を持った少女が現われる。彼女の名はイカル。車椅子の生活が続いていた彼女は「鳥になりたい」と願い、B・Jはその願いをかなえるため補助筋肉を移植して少女に翼を与えたのだった。
6 雪の夜ばなし
1973/12/24 「週刊少年チャンピオン」
吹雪の夜、不思議な兄妹が姿の見えない患者を連れてきた。そこには誰もいないのに兄妹は首が折れた母親だと言い、三千万の治療費を支払う。B・Jが仕方なく手術の真似事をはじめると兄妹は「飛行機事故に遭い、母の体は燃えてしまったので魂だけ連れてきたのだ」と告げた。同じ飛行機にこの兄妹も乗っていたらしい。つまりふたりは幽霊なのだった。
7 海賊の腕
1974/1/1 「週刊少年チャンピオン」
体操が得意で人気者のイッチンは腕に痛みを覚えていた。病名はガスえそで敗血症を起こしていた。切断しか道はない。B・Jは特別な義手を作ってやる。海賊のような不恰好な義手だったが、つらいときには励ましてくれる不思議な義手でもあった。
8 とざされた記憶
1974/1/7 「週刊少年チャンピオン」
おんぼろアパート『トキワ荘』の大家は、頭を殴られたのが原因の記憶喪失で昔のことが何も思い出せない。ある日、彼は怪しげな男たちに拉致された。「日本軍が隠した30万ガロンのガソリンの在り処を話せ」。男たちは記憶を取り戻させるため、B・Jのもとへこの大家を連れていった。
9 ふたりの修二
1974/1/14 「週刊少年チャンピオン」
織田社長は会社の全権を中学生の息子、修二へと継がせようとしていた。その修二がデパートの地下で火災の犠牲になった。嘆き悲しむ織田社長は修二の姉、久美を男へと性転換させてくれとB・Jに頼んできた……。久美を修二と偽装するために。
10 鬼子母神の息子
1974/1/28 「週刊少年チャンピオン」
彼女は子供を誘拐してはその子供の指を切って送りつけてくる、という凶悪犯。しかし一方で彼女は自分の幼い息子をとても愛していた。警察の疑いをかわすため自分の息子の偽装誘拐した彼女に、息子はナイフで切りつけた。この傷が残れば、息子に自分が誘拐犯だとわかってしまう。彼女は傷を消してくれとB・Jのもとを訪れた--。
11 ナダレ
1974/2/11 「週刊少年チャンピオン」
雪山の開発工事現場に怪物が現われた。その名はナダレ。怪物は工事作業員たちを皆殺しにする。B・Jはその怪物の正体を知っていた。彼が生物学者の大江戸博士に頼まれて、大脳を胸へと移植した小鹿、それがナダレだ。大江戸博士は大脳をもっとゆとりのある場所に移してやれば、脳はもっと成長し、知能も高くなると考えていたのだが……。
12 畸形嚢種
1974/2/18 「週刊少年チャンピオン」
さる高貴な身分の女性がB・Jの診療所に運び込まれてきた。彼女の体には畸形嚢腫があり、B・Jが調べてみると女性の体内には発育が未熟ながらもひとりぶんの人間の体内部品が揃っていた。B・Jは切除した嚢腫を組み合わせて肉体を持った人間の姿にしてあげる。そしてピノコが誕生する。
13 ピノコ愛してる
1974/2/25 「週刊少年チャンピオン」
自分は18歳だと言いきるピノコだが、やることなすこと赤ん坊のままだ。ピノコのお転婆に手を焼くB・Jのもとに、轢き逃げされた少年が運び込まれてきた。少年には腎臓移植が必要だったが、父親は治療費を値切ることしか頭にない。交渉中に少年の容態が急変。ピノコは自分の腎臓を使ってくれとB・Jに申し出る。
14 後遺症
1974/3/11 「週刊少年チャンピオン」
野球界の大スターである堀切は、心臓動脈瘤を患い、医師からは現役引退を勧められていた。これ以上、心臓に負担をかけたら命取りだ、と。しかし現役を続けたい堀切はB・Jに頼んだ。B・Jは現役に復帰させることは可能だが出来るのはそれだけだと言ってオペをしてやった。グラウンドに戻った堀切に思いもよらない後遺症が襲った。
15 ダ-ティ-・ジャック
1974/3/18 「週刊少年チャンピオン」
地震で出入り口が崩れ、幼稚園児を乗せたトンネル内に閉じ込められた。同じように閉じ込められたB・Jは、大怪我をした子供たちの治療を頼まれるのだが薬も診療道具もないので何も出来ない。B・Jは金持ちの息子ひとりだけを連れて、崩れたトンネルの出口へと向かった。園児を引率する先生はB・Jが逃げたのだと思うのだが--。
16 ピノコ再び
1974/3/25 「週刊少年チャンピオン」
B・Jは自分ではまともな養育が出来ないと、嫌がるピノコを養女に出す。しかしピノコは新しい両親が気に入らない。家出してB・Jの診療所に戻ってみると、B・Jは自分で自分の腹膜炎の手術をしていた。ピノコはB・Jを救うため、手術を手伝う。その勘の良さを見てB・Jはピノコを助手にしてみようかと考える。
17 灰色の館
1974/4/1 「週刊少年チャンピオン」
高級ホテルを経営する美しい女。彼女に呼ばれてB・Jが訪れた館の地下には、見るも無惨に全身が焼けただれた男が隠されていた。女はこの兄を元通りにしてくれとB・Jに頼む。B・Jが診察してみると、男は殴られた後で焼かれたのだとわかる。そんなむごいことをした犯人は、おそらくこの美しい妹だろうとB・Jは睨んだ--。
18 二度死んだ少年
1974/4/8 「週刊少年チャンピオン」
ニューヨークのハーレムで父親を殺した少年が警察に追い詰められ、ビルから投身自殺を図った。心臓停止状態だが、まずかすかに脳波が計測できる。助けられるかもしれない。一度も手術で患者を殺したことのない世界的な外科医が少年の蘇生手術を開始するが、少年は脳死状態になってしまう。外科医はB・Jに助けを求めた。
19 木の芽
1974/4/15 「週刊少年チャンピオン」
その少年は体の中から木の芽がどんどん生えてくる自分に怯えていた。何か人間ではないものに自分が変わってしまうような気がする。少年を心配した兄がB・Jに手紙を出した。B・Jが駆けつけてみると、少年はいままさに人間植物とへと変身しようとしている。B・Jはこれはサボテンが人間に寄生したものだと見て取る。
20 発作
1974/4/22 「週刊少年チャンピオン」
ピノコはB・Jの家を世界一の名医にふさわしい立派なものにしようと思い立ち、壁紙から家具からピアノから、真新しいものをどんどん注文してしまう。帰ってきたB・Jは家の中が様変わりしているのを見て、激しくピノコを叱りつけた。お金があれば新しい家を建てられるとピノコは金持ちの患者をみつけてくるのだが……。
21 その子を殺すな!
1974/4/29 「週刊少年チャンピオン」
超能力者のハリ・アドラ。彼は神の力を借りて病人を治療しているのだと宣言していた。雑誌社の企画でハリはB・Jと腕を競うことになる。母体を救うため子宮外妊娠の胎児を死産させようとするB・Jに対し、ハリは「神の力」で胎児を救うと言い放つ。
22 血がとまらない
1974/5/13 「週刊少年チャンピオン」
その少年と少女は上野駅のコインロッカーの前で出逢った。地方から出てきて東京で精一杯に生きてみようとしている二人だった。ふたりは愛し合うようになるが少女は血友病、少年のほうも悪性貧血で残り少ない命だった。少年は手術で病気は治ったと言ってあげてくれとB・Jに頼む。少年は自分の分まで少女に人生を謳歌してほしいと願ったのだ。
23 誘拐
1974/5/20 「週刊少年チャンピオン」
某国の大統領が暗殺者によって後頭部に弾丸を撃ち込まれた。大統領の命を救うため呼び寄せられたB・Jは手術を引き受ける。しかし手術室に入ったB・Jに電話がかかった。「娘さんを誘拐した。大統領の死と引き換えに娘は返す」B・Jは大統領とピノコの命のどちらを救うかの決断を強いられる。
24 万引犬
1974/5/27 「週刊少年チャンピオン」
物を盗む悪癖が身についている老犬が逃げている最中に車に轢かれた。たまたま通りかかったピノコは「あの犬を助けて」とB・Jに頼む。仕方なく家に連れ帰って治療を施し、老犬はピノコのペットとなった。老犬は無精で何をするにもスローモー。まったく役に立たないこの犬に、まさか自分たちの命を救われることになるとはB・Jもピノコも思いもしなかった。
25 灰とダイヤモンド
1974/6/3 「週刊少年チャンピオン」
一代で大金持ちとなった松方老人は、他人を信用できず全財産を三百個のダイヤに変えて体内に埋め込んだ。しかしそのオペをしたB・Jのこともまた信じられず、彼は体内にダイヤがあるかどうかを百鬼医師に調べさせる。百鬼が調べてみると、あったのは三百個のアクリルの玉だった--。
26 パク船長
1974/6/10 「週刊少年チャンピオン」
嵐の夜、密航者を乗せた貨物船の船長が船の中で重傷を追った。助けを求められたB・Jは、すぐに救難信号を打てと船長に進言するのだが、密航とわかれば本国へ送り返される。嵐の海で命を落とすとしても難民たちを日本へ密入国させると船長は譲らない。B・Jは難民たちを本国に送り返すことしか考えていない日本という国の現実を知らされる。
27 白葉さま
1974/6/17 「週刊少年チャンピオン」
医師に治せない奇病は悪霊の呪いだとして高い祈祷料を騙し取る白葉さま。B・Jはこの祈祷師がインチキであることを暴くため挑戦状を叩きつける。いま蛇の呪いだと言われた少年を自分が治して見せる、と。しかしその少年は外科的な治療が成功した例のない魚鱗癬だった。果たしてこの少年の体をB・Jは治せるのか--?
28 指
1974/6/24 「週刊少年チャンピオン」
29 時には真珠のように
1974/7/1 「週刊少年チャンピオン」
ある日、B・Jのもとに石で作った鞘に収められている一本のメスが届けられた。包みにはJ・Hのイニシャル。B・Jはそれが子供の頃の彼を救った恩人、本間丈太郎からのものだと気づき、本間の元を尋ねて行く。そしてB・Jは老衰で横たわる恩人の懺悔を聞き、その死に立ち会うことになる。
30 ピノコ生きてる
1974/7/8 「週刊少年チャンピオン」
ある日、B・Jが帰宅すると庭先でピノコが倒れていた。調べるとピノコは悪性の白血病で余命わずかだとわかる。B・Jはピノコを救うには全身の血を入れ替えるしかないと判断、ピノコの姉(ピノコとなった嚢腫を宿していた女性)を探して走り回ることになる。
31 化身
1974/7/15 「週刊少年チャンピオン」
馬を愛する少年トミーは特にプロミネンスという馬を可愛がっていた。そのプロミネンスを殺せと指示された牧童たちは誤ってトミーに大怪我をさせてしまう。救命を依頼されたB・Jは、すでにトミーの脳がつぶれていて蘇生は不可能だと首を振った。しかし父親はあきらめない。仕方なくB・Jはプロミネンスの脳をトミーに移植する。
32 閉ざされた三人
1974/7/22 「週刊少年チャンピオン」
デパートが突然倒壊した。地震ではない。地下水をくみ上げ続けたせいで、地盤が陥没したのだ。居合わせたB・Jは重傷を負った男とその息子とともにエレベーターに閉じ込められてしまう。完全な密室となったエレベーターの中で鎮痛剤とわずかな薬だけでB・Jは三人が生き残る方法を模索する。
33 獅子面病
1974/7/29 「週刊少年チャンピオン」
B・Jは無免許で医療行為に従事していることを理由に、とある警部に逮捕された。警部は指定する患者を救うことができたら逮捕をとりやめ、医師免許を取ってやるが? とB・Jに交渉を持ちかける。引き受けたB・Jにあてがわれたのは顔が醜く変形する治療法不明の獅子面病を患う、警部の実の息子だった。
34 ある教師と生徒
1974/8/5 「週刊少年チャンピオン」
言葉の暴力で生徒をどやしつけ、それを教育だと信じている教師と、その教師に怯え、学校へ行きたくないと悩んでいる生徒。生徒はついに自分から車に飛び込んでしまう。両足二本と片腕の切断。それしか救う方法はないと医者に言われた教師はB・Jのもとへ駆け込んでくる。
35 なにかが山を…
1974/8/12 「週刊少年チャンピオン」
深夜、山間のハイウェイを走るB・Jとピノコは、泊まる場所を探していた。その二人の前を首輪をつけた犬が走りすぎて行く。ということは民家が近くにある。山へと分け入ったふたりは貧しい小屋を見つける。そこには狼に変身する青年がいた。バンパイヤ? 違う、彼は狂犬病だ。
36 しずむ女
1974/8/19 「週刊少年チャンピオン」
泳ぐことが大好きで魚を採るのも上手だったヨーコは公害を垂れ流す工場のせいで体を蝕まれ、知能は低下し足も動かなくなった。そんなヨーコに対して世間は冷たい。何も理解できないのをいいことに工場が支払った和解金ももらえない。そんな彼女に同情したB・Jは、彼女の足を治してやろうとするのだが……。
37 2人のジャン
1974/8/26 「週刊少年チャンピオン」
ひとつの体に二つの脳を持つシャム双生児のジャン。B・Jはこの二つの脳の切り離し手術を依頼された。切り離した後、脳を二つとも生かしておければ医学の歴史に残ると担当医たちは言うが、B・Jはあまり気が進まないが、とにかく手術をはじめる。ところがふたりのジャンはある計画を立てていた……。
38 ピノコ還る!
1974/9/2 「週刊少年チャンピオン」
お買い物から帰ったピノコは泥棒と鉢合わせる。泥棒さんの身の上話に同情したピノコは、B・Jからお小遣いをもらって泥棒さんに届けに行き、そのまま帰ってこない。心配したB・Jは国際医師連盟が医師免許を特別に授与してくれるという申し出を放り出してピノコを探して町を走り回る。
39 純華飯店
1974/9/9 「週刊少年チャンピオン」
中国人の中華料理店主が胆石に苦しんでいた。みんなは手術を勧めるのに、この店主は頑として薬で治すと言い張りつづける。しかし胆石を取る薬はない。それでも店主は中国で医者になった息子が、胆石治療薬を開発してくれると信じ、息子がやってくるのを待っていた。この店主を騙して眠らせたB・Jは、さっそく手術をはじめるのだが--。
40 焼け焦げた人形
1974/9/16 「週刊少年チャンピオン」
やくざとその息子が乗った車が対立組織の仕掛けた爆弾で吹き飛んだ。全身やけどを負った子供を救うには、父親の皮膚を移植するしかない。居合わせたB・Jはやくざの仕返しを恐れて尻込みする病院の医師に代わって手術を引き受ける。
41 植物人間
1974/9/23 「週刊少年チャンピオン」
42 赤ちゃんのバラ-ド
1974/9/30 「週刊少年チャンピオン」
不良グループをしきるそのスケバンは、駅のコインロッカーに捨てられている赤ん坊を見つける。ほんの気まぐれでコインロッカーの中で赤ん坊を育て始めた彼女は、やがて母性愛に目覚めてくる。赤ん坊が病気になり、彼女はB・Jのもとへ赤ん坊を連れて行った。赤ん坊は日光にあたっていないため、クル病になっているとわかったB・Jは、駅に届け出て病院へ移せと命じた。
43 誤診
1974/10/7 「週刊少年チャンピオン」
B・Jは知人の結婚式で、個人病院を経営して羽振りのいい学友と再会した。彼は診察も手術も他人任せにして、自分は椅子にふんぞり返っているだけの医者だ。その男が腹膜炎と診断した患者の様態が急変した。手伝いを頼まれたB・Jはすぐにこの学友の誤診に気づく。しかしプライドだけは高い学友はそれを認めない。
44 目撃者
1974/10/14 「週刊少年チャンピオン」
新幹線のホームで時限爆弾が爆発する。売店の女店員がその犯人を目撃していた。けれど彼女は爆破のさい、両目を失明していた。警察は容疑者の面通しをさせるため、B・Jに眼球の移植を依頼する。しかし眼球移植は成功した例がなく、成功しても5分でまた見えなくなってしまうことをB・Jは知っていた--。
45 白いライオン
1974/10/21 「週刊少年チャンピオン」
アフリカから日本の動物園に贈られてきた真っ白なライオン。しかしストレスからなのか、その白いライオンは病気になり、命さえ危ぶまれた。診察を頼まれたB・Jは、この虚弱体質のライオンを治療する方法はひとつしかないと考える。全身の毛細管にメラニンを注入し、普通の色のライオンにしてやることだ。
46 恐怖菌(原題:死に神の化身)
1974/10/28 「週刊少年チャンピオン」
ベトナム戦争で使われた兵器を持ち帰るための貨物船。その船内で異常な皮膚病の患者が続発した。極秘の細菌兵器が漏れ出していたのだ。このことが世間に知れればパニックになる。政府はB・Jに極秘手術を依頼した。B・Jが現場に着くと、もうひとりの医師が呼ばれていた。それは安楽死専門のドクター・キリコだ。
47 光る目
1974/11/4 「週刊少年チャンピオン」
SF好きの少年、哲夫は宇宙人に会うのが夢。しかしそんな夢物語を笑う番長はいつも哲夫をイジメていた。そんなある日、哲夫の目が光りはじめる。宇宙人が乗り移ったのだと哲夫は信じ、手術を薦めるB・Jを拒否する。哲夫は宇宙人の力で番長に対抗したかったのだ。しかしそのまま光る目を放置すれば失明の恐れがあった。
48 電話が三度なった
1974/11/11 「週刊少年チャンピオン」
「高い治療費を払えずに死んだ母親の恨みを晴らすため、おまえを殺す」と電話の主は言った。その男はピノコを人質にとっているらしい。二度目の電話で犯人はすぐ近くまで来たことを告げる。表に出たB・Jを銃弾が襲った。しかし致命傷を受ける前に犯人の姉が立ちはだかり、彼女が被弾してしまう--。
49 二つの愛
1974/11/18 「週刊少年チャンピオン」
B・Jが通うすし屋の職人タクヤンは日本一の寿司を握ってふるさとの母親に食べさせるのが夢だった。そんな彼がトラックに轢かれ、両腕を失ってしまう。運転していた明をしかし彼は訴えない。その代わり、自分の代わりに寿司を握ってくれと頼む。君の腕を使って僕は寿司を握りたいと--。
50 めぐり会い
1974/11/25 「週刊少年チャンピオン」
横浜に寄港した外国航路の客船から、ひとりの船医が降り立った。如月恵だ。如月はB・Jに電話を入れた。久しぶりに会いたい、と。B・Jは横浜へと向かうが「ほかの女に会うのじゃないか」と疑ったピノコも同行する。そしてピノコは如月からB・Jの初恋物語を聞かされることになる。それは淡く悲しい恋の物語だった。
51 ちぢむ!!
1974/12/2 「週刊少年チャンピオン」
アフリカの奥地で奇病が蔓延していた。動物たちの体が縮んで行くのだ。B・Jに助けを求めた現地の医師もまた同じ病に感染し、体が縮み始めていた。研究をはじめてみると、これが病気ではない、とわかる。病でないとしたら、これは神の摂理、なのか? 飢饉が続く世界で生物が生き延びるためには、体を小さくするしかないのか?
52 人面瘡
1974/12/9 「週刊少年チャンピオン」
人間の体に突然出現する第二の顔。それが人面瘡だ。切っても切っても再び現われるという伝説がある。その人面瘡で顔中を覆われた男がB・Jに助けを求めてきた。B・Jは手術で元の顔に戻してやるのだが、人面瘡はやはり切っても切っても現われる。B・Jはこれは精神的な病だと感じ、荒療治を用いるのだが……。
53 はるかなる国から
1974/12/16 「週刊少年チャンピオン」
心臓の難病を抱えるスウェーデンの少女が日本の高名な心臓外科医、板台教授を頼って来日した。マスコミが群がる中、板台は「これだけの難手術が出来るのは私以外にいない」と豪語し、同じ病状の日本の少女よりマスコミの目が集まる少女のほうを優先させた。B・Jは板台が見捨てた日本の少女の手術を引き受け、板台に挑戦する。
54 アリの足
1974/12/23 「週刊少年チャンピオン」
小児麻痺(ポリオ)に苦しむその少年は、かつて自分と同じように手足の不自由な子供が歩いて旅をした、という本間丈太郎という医師の書いた本に感化され、自分も同じ行程の旅に出る。少年は自分の後をB・Jがついて来るのを不審に思ったが、それはB・Jこそが本に書かれていた少年だとは知らないからだ。
55 ストラディバリウス
1975/1/1 「週刊少年チャンピオン」
バイオリンの名演奏家とB・Jの乗った旅客機がアラスカの雪原に不時着した。イヌイットの村に避難した彼らだが、バイオリニストは風に飛ばされた名器ストラディバリウスを探そうと吹雪の中に歩き出ていった。発見されたとき、彼は凍傷で指を失いかけていた。B・Jの必死の治療がはじまるのだが……。
56 ふたりの黒い医者
1975/1/6 「週刊少年チャンピオン」
戦場で体を吹き飛ばされて苦しむ人たちに囲まれ、安楽死もひとつの人助けだと信じるようになった元軍医のキリコ。彼は全身不随の女性に呼ばれた。しかし同じ日にB・Jはその子供たちから母を助けてくれと頼まれていた。B・Jはキリコの手から患者を奪い、オペを開始する。オペは成功するが、母子は退院直後、事故で死んでしまい、B・Jの耳にはキリコの高笑いが残った。
57 ブラック・クィ-ン
1975/1/13 「週刊少年チャンピオン」
その女医は、あくまでもクールで手術に一切の情を通わせないことで有名だった。あまりにも冷酷だと噂され、いつしかブラック・クィーンと呼ばれるようになった。患者の手も足も容赦なく切断する彼女の前に、事故に遭った恋人が運ばれてきた。彼女ははじめて切断以外の治療法を求める。手を貸したのがB・Jだった。
58 快楽の座
1975/1/20 「週刊少年チャンピオン」
59 にいちゃんをかえせ!!
1975/ 1/27+ 2/ 3 「週刊少年チャンピオン」
ユキオの大好きなお兄ちゃんはテレビの特撮ヒーローで悪役を演じていた。そのお兄ちゃんが象皮病にかかり、怪獣みたいになってしまう。治療をひきうけたB・Jを見たユキオは、そのツギハギの顔を見て、B・Jこそお兄ちゃんを怪物に変えた悪の首領だと思い込む。
60 コルシカの兄弟
1975/2/10 「週刊少年チャンピオン」
サーカスで活躍する一卵性双生児の兄弟。そのひとりが見事な空中ブランコを披露している時、事故を起こして大怪我をした。すると怪我をしていないもうひとりのほうも激痛に苦しみ始めた。どちらかが死ねば、もう片方も死ぬ。双子はそう信じていた。B・Jはこのやっかいな患者たちに対して一計を案じる。
61 針
1975/2/17 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの医師としての腕は誰もが一流と認めていた。そんな彼にも対処できない珍事が起こった。点滴の針が折れて血管を流れている、という。心臓や肺を傷つける前に針を取り出さなければならないのだが、針はB・Jを嘲笑うようにして患者の体内のどこかに消え失せてしまう……。
62 ネコと庄造と
1975/2/24 「週刊少年チャンピオン」
崖の斜面に建てた家が崖崩れとともに倒壊。そのさい、奥さんと子供たちを失った庄造はショックで正気を失い、野良猫たちを妻や子供だと信じて暮らしていた。B・Jは庄造の頭がおかしくなったのは家が倒壊した際に頭を打ち、脳内に血種ができたせいだと考え、それを手術で取り除いてやるのだが……。
63 オオカミ少女
1975/3/3 「週刊少年チャンピオン」
内戦状態の続く某国では国境を越える者には厳しい監視の目が光っていた。国境の検問でトラブルをおこしたB・Jは、追っ手をまいて山奥へ逃げ込む。そこで彼は生まれつき顎と口が二つに割れている狼咽の少女と出会う。少女は町の人々から旅人を襲う狼女と恐れられていた。
64 おまえが犯人だ(原題:おまえが犯人だ!!)
1975/3/10 「週刊少年チャンピオン」
強盗に襲われて殺された兄の復讐を誓った小学生の弟は、自分が囮となって犯人をおびき出す。ようやく犯人と相対した弟は自分自身をナイフで刺し、「犯人に刺された」と主張する。しかしB・Jはこの弟が自分で自分を刺したことをすぐに見ぬいた。弟は『犯人が刺した事にしてくれ。それが僕の復讐なんだ』とB・Jに頼むのだが。
65 のろわれた手術(オペ)
1975/3/17 「週刊少年チャンピオン」
発掘された古代遺跡の中から発見された女性のミイラ。しかし発見した学者たちは落盤で重態となり、彼らの治療にあたろうとした医者たちも次々に謎の事故に見舞われた。ミイラの呪いだと恐れられる中、B・Jにお鉢が回ってくる。B・Jはミイラが足と頭蓋骨に怪我を負っていると知り、まず、ミイラの治療からはじめた。
66 火と灰の中
1975/3/24 「週刊少年チャンピオン」
ある大企業の社長とその息子は会社の経営のことでモメていた。社長は跡を継がせたいのだが、息子がそれを拒否し、会社を潰してやるとまで言い放ったのだ。その息子が火山の火口に落ち。大火傷を負った。B・Jは父親に突き落とされたのだとわかり、親子の愛憎のもつれを治療すべく、大噴火の中、オペを開始する。
67 ふたりのピノコ(原題:緑柱石)
1975/3/31 「週刊少年チャンピオン」
さびれた港町を訪れたB・Jは、その町でピノコそっくりの少女、ロミと出会った。ロミは謎の肺病に冒されていた。ロミを往診する保健所の医師はB・Jが「これは公害病だ」と言っても信じようとしない。保健所が手をこまねいているうちにロミの容体が急変し、B・Jは必死に治療に当たるのだが……。
68 えらばれたマスク
1975/4/14 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの家にかかってきた電話。「黒男、元気か」--そう、それはB・Jの父親からの電話だった。母と幼いB・Jを捨てて別の女と共に姿を消した父が手術を依頼してきたのだった。彼の現在の妻がハンセン氏病にかかり、B・Jに整形手術をしてほしいらしい。「世界一の美女に」と頼まれたB・Jは手術を引き受ける。そして--。
69 ガス
1975/4/21 「週刊少年チャンピオン」
風邪薬だと思ってピノコが飲んだカプセルは青酸カリだった。それを知ったB・Jはカプセルが体内で溶けるまでの一時間の間にピノコの体内からカプセルを取り出さなければならなくなる。ピノコを救うため、B・Jの必死のオペがはじまる……。
70 からだが石に…
1975/4/28 「週刊少年チャンピオン」
全身の筋肉が石化して行く奇病、進行性化骨性筋炎に冒された少年を救うためイタリアへ赴いたB・J、しかしすでに手遅れで少年を救うには、べつの体に少年の脳を移植するぐらいしか方法がない。息子のために新品の死体がいると知った、飲んだくれの父親はトラックに飛び乗り、子供たちの中へと飛び込んで行った--。
71 けいれん
1975/5/5 「週刊少年チャンピオン」
メスを持つB・Jの手が痙攣を起こした。彼は気胸のオペとなると必ず手が震えてメスを持てなくなってしまう。それこそが彼が正式の医師免許を取れない理由だった。奇跡を起こす天才外科医の唯一の弱点。それは幼い時の経験がトラウマとなっている心因性の病だった。
72 イレズミの男
1975/5/12 「週刊少年チャンピオン」
ヤクザの大親分は全身に施した華麗な刺青だけが自慢だった。しかし彼はすい臓ガンに冒され、手術が必要になる。B・Jが呼ばれた。刺青に傷をつけずに手術をしろ。そう指示されたB・Jだが、全身に刺青があり、メスを入れられる場所はどこにもない。B・Jは意を決して背中の真中をメスで切り裂いた。
73 こっぱみじん
1975/5/19 「週刊少年チャンピオン」
長い戦争も最終局面を迎え、その首都は敵軍の手に陥落しようとしていた。独裁者は心を病み、もはやまともな指揮は取れなくなっている。それでも権力を振りかざす彼を、その息子は「いっそ死ぬべきだ」と考えていた。しかしB・Jはこっぱみじんにでもされないかぎり、この独裁者の命を救うという契約をしていた。
74 なんという舌
1975/5/26 「週刊少年チャンピオン」
生まれながらに両手のない少年はそろばんの天才だった。B・Jは事故で死んだ少年の手を彼に移植した。そろばんを扱えるようになるまで、血のにじむような努力を重ね、少年は新しい手でそろばんの才能を活かすことが出来た。しかし競技会の日、B・Jは新しい腕を酷使し続けるのは無理だと少年に告げた。
75 スタ-誕生
1975/6/2 「週刊少年チャンピオン」
杉並井草は人気沸騰のスター女優。巷では彼女には恋する人がいると噂されていたが、井草は決して相手の男性のことを口にしようとしない。彼女が恋する男性、それはB・Jだった。彼女はスターを夢見てB・Jに整形手術をしてもらったのだった。だがB・Jは元のままの顔のほうが個性的でずっと美しいと思っていた。
76 水頭症
1975/6/9 「週刊少年チャンピオン」
77 ドラキュラに捧ぐ
1975/6/16 「週刊少年チャンピオン」
その少女の血は呪われていた。代々Rhマイナスの血を受け継いできた父と、そうではない母との間に生まれたため血友病を発症させていた。学校で貧血を起こして倒れたこの少女を自宅まで送って行った女教師は、少女の父に歓待され泊まって行けと勧められる。少女を往診していたB・Jは、父親がこの女教師を娘のための生贄にしようとしていることに気づく。
78 地下壕にて
1975/6/23 「週刊少年チャンピオン」
ハイテクビルを完成させた社長は客を集めてビルを案内していた。B・Jもその中にいたが、彼は社長が払わない治療費を取り立てに来たのだ。コンピュータ制御の地下壕へ降りたとき、ミスで全員がそこに閉じ込められてしまう。壁の中のコードを切断すればシャッターが開く。しかし厚い壁のどこにコードが埋められているのかわからない……。
79 弁があった!
1975/6/30 「週刊少年チャンピオン」
ある日突然、安楽死専門のキリコがB・Jの家に飛び込んでくる。「患者を渡せ!」キリコは言うのだが、B・Jには心当たりがない。キリコは自分の父親を安楽死させようとしていた。彼の妹はそんな兄の手から父親を奪い、B・Jに預ける。B・Jはキリコを助手にして原因不明の奇病に苦しむキリコの父親の手術に挑戦する。
80 ピノコ・ラブスト-リ-
1975/7/7 「週刊少年チャンピオン」
B・Jは、公園で男の子と恋人ごっこをしているピノコを見かけ、ため息をついた。ある日、少年がB・Jの家に担ぎ込まれてくる。内臓の病気らしい。手術に臨むB・Jだが、少年は先天性の内臓全転移症で内臓の位置が毛細血管まですべて左右さかさまについていたため、非常に難しいオペに挑戦することになる。
81 宝島
1975/7/14 「週刊少年チャンピオン」
B・Jが稼いだ金はいったいどこに消えたのか? それを付き止めようとした犯罪者一味は、五条レイという女の名に行き当たった。その女に稼いだ金のすべてを預けているに違いない。B・Jを捕まえて拷問した挙句、彼女の住む宝島へと向かう。しかしそこで彼らを迎えたのは女性ではなく毒蛇だった。
82 ハロ-CQ
1975/7/21 「週刊少年チャンピオン」
無線でニュージーランドに住む少年と会話することだけが楽しみの、車椅子生活の少年。彼は顔も知らない異国の友に「自分は野球が得意なスポーツマン」だと嘘をついていた。ところが会うはずのない友が日本へやって来ると連絡してきた。同じ時、少年に治療費を提供したいと申し出た人物がいるとB・Jは伝えに来た。
83 地下水道
1975/7/28 「週刊少年チャンピオン」
敵対組織のメンバーが暮らしているアパートを、真下の地下水道に仕掛けた爆弾で無関係の住人ごと吹っ飛ばそうと企んでいるテロリストたち。しかし爆弾が暴発、リーダーが瓦礫の下敷きになった。ネズミの大群に襲われながら助けを求めるリーダーに対しB・Jは--。
84 デベソの達
1975/8/4 「週刊少年チャンピオン」
子供の頃からデベソを笑われていた達は、人間と付き合うよりも化石を掘り出すことに夢中の青年に育った。しかしデベソが大きくなり、ついに彼は倒れてしまう。そんな達はB・Jの元へ運ばれてきた。B・Jは嵌頓ヘルニアという珍しい病気だと診断、手術を行う。しかし達は自分ひとりで化石を掘るのだと術後すぐに飛び出して行った。
85 かりそめの愛を
1975/8/11 「週刊少年チャンピオン」
全身にガンが転移し、あと1週間の命と診断された少女は、最後の願いとして「結婚したい」と言った。次に部屋に入ってきた男性と結婚する、と。そこへ入ってきたのがB・Jだった。B・Jは彼女のガンを切除するために呼ばれたのだった。しかしその前にB・Jは少女と結婚しなければならない--。
86 絵が死んでいる!
1975/8/18 「週刊少年チャンピオン」
美しい島で絵を描いていた青年。その島のすぐ近くで核実験が行われ、美しい自然は一瞬にして地獄絵図と変わった。画家は、放射能障害で死の危機にありながらも、核の恐ろしさを絵に残したいとB・Jに頼んだ。B・Jは脳を他人の体に移植することで画家を生き長らえさせる。しかし蘇った彼は納得できる絵を描けなくなっていた。
87 満月病
1975/8/25 「週刊少年チャンピオン」
B・Jはとある墓に花を手向け、近くの喫茶店で働くウェイトレスの姿をみつめるのを毎年の決まりにしていた。今年はそのコがいない。聞くと彼女は体が脂肪でまん丸に膨れ上がる満月病らしい。B・Jは彼女を訪ね、無料で治療する。元の姿に戻った彼女は父の墓に報告に行く。その墓に刻まれた名は本間丈太郎。B・Jの恩師だ。
88 報復
1975/9/1 「週刊少年チャンピオン」
日本医師連盟に呼び出されたB・Jは、いますぐ医師免許を取得し、医師法に基づく報酬だけを受け取るようにしろと命じる。しかしB・Jはこれを拒否し、医師法違反で逮捕されてしまう。折からイタリアの億万長者が難病に苦しむ息子を救ってくれとB・Jに頼むのだが、囚われの身のB・Jにはどうすることも出来ない--。
89 おばあちゃん
1975/9/8 「週刊少年チャンピオン」
その老婆はとても金に細かくてガメツかった。何かを頼めばすぐに「金、金」なので、息子夫婦はいいかげん、ウンザリしていた。その老婆と出会ったB・Jは、彼女らの世の中には本当の名医はふたりいる、ひとりはB・J、もうひとりは甚大先生と教えられた。調べてみると甚大はB・Jと同じように高い治療費を請求することで有名な名医だった--。
90 シャチの詩(うた)
1975/9/15 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの家が建つ岬。その下の入り江にB・Jはやってきた。ここに移り住んできて、最初の患者となったもののことを彼はピノコに語り始める。その患者はシャチだった。傷だらけの自分を手当てしてくれたB・Jのことを、シャチは信頼し、傷つけば必ずこの入り江を尋ねるようになった。いつしかシャチはB・Jの孤独な心を慰めてくれるようになったのだが……。
91 病院ジャック
1975/9/22 「週刊少年チャンピオン」
B・Jが子供の手術をしている最中に、病院が何者かに乗っ取られた。開腹したまま手術を続けられなくなったB・Jは、ジッと患者の患部を見つめたまま動かない。やがて病院内で爆発が起こり、停電した。真っ暗闇の中、B・Jは手探りのオペをはじめる。こういう時のために彼は患部をみつめ、細部を記憶していたのだ。
92 奇胎
1975/9/29 「週刊少年チャンピオン」
ホテルで忙しく働く女性従業員が倒れた。彼女は妊娠六ヶ月。彼女が運び込まれた救急病院から、ホテルに泊まっていたB・Jに電話が入る。どうも異常妊娠らしいというのだ。B・Jが調べてみると胎児はお腹の中で石のようになっていた。いや、石のようなものに胎児が包まれているのだ--。
93 水とあくたれ
1975/10/13 「週刊少年チャンピオン」
水泳部の花形選手が難病にかかり、水泳をあきらめなければならなくなった。そのせいでグレた彼を見て、ピノコは何とか力になりたいと思う。生まれつき、泳ぐことの出来ないピノコにとって彼は憧れだったのだ。B・Jは歩いたり走ったりすることさえ命がけの努力が必要だったピノコを見習えと、泳げない水泳選手を叱った。
94 サギ師志願
1975/10/20 「週刊少年チャンピオン」
ある夜中、治療費を払うことのできない貧しい母親が心臓発作を起こした子供を抱いて病院から病院へと走り回っていた。金がないからと治療を拒否されているのだ。ようやく一軒の町医者が診察だけはしてくれる。すると子供は川崎病ですぐに心臓手術が必要だとわかる。町医者は大金持ちの子供だとB・Jをだましてオペをさせる。
95 魔王大尉(原題:悪魔)
1975/10/27 「週刊少年チャンピオン」
ベトナムで非戦闘員の村の住民を広場に集めて焼き殺した過去があるその大尉は、その事件を後悔もしていなければ反省もしていなかった。戦争なのだから当たり前。そう豪語する彼は、脳の中に突き刺さった弾丸の摘出をB・Jに依頼してきた。B・Jはベトナム難民の子供たちを手術に立ち合わせることを条件に依頼を受ける。
96 道すがら
1975/11/3 「週刊少年チャンピオン」
ピレネー山中で盗賊に襲われたB・Jは半殺しの目に遭い、金を奪われた。村人に助けられたB・Jは、体の回復を待ったが、村をしきるボスに呼ばれる。ボスの息子が破傷風で苦しんでいた。B・Jはその息子こそ自分を襲った盗賊だと見て取るが、ボスは、息子は金など盗らないと断固否定する--。
97 幸運な男
1975/11/10 「週刊少年チャンピオン」
イランの石油プラントで爆発事故が起こり、日本人技師も多数死亡した。現地人の従業員のひとりが、死んだ技師から財布とパスポートを奪う。この技師が石油会社の社長の息子だと知っていたからだ。彼はB・Jに頼んでこの日本人技師の顔にしてもらう。これで自分は大金持ちの息子だ。何という運のいい男だと彼は有頂天になるのだが--。
98 犬のささやき
1975/11/17 「週刊少年チャンピオン」
最愛の恋人が死んでしまった。嘆き悲しむ青年は、生前に録音した恋人の声を、彼女の飼い犬に喋らせてくれとB・Jに頼む。それは犬に対する虐待だとB・Jは反対するが、「一年だけ」と期限を区切ってオペをしてやった。そして青年は恋人の声で「好きよ、好きよ」と鳴き続ける犬と暮らし始めるのだが……。
99 友よいずこ
1975/11/24 「週刊少年チャンピオン」
クロオ少年が皮膚の移植術を受けている。しかし顔に張る皮膚が足りない。執刀医の本間は見舞いにきていたクロオの友達に皮膚の提供を頼むのだが、協力を申し出たのは混血児のタカシひとりだった。大人になったクロオはB・Jとなり、タカシの行方を探した。タカシは「自分は瀕死の地球を救う医者」だと称し、環境保護団体の活動家になっていた。
100 古和医院
1975/12/1 「週刊少年チャンピオン」
山間部の小さな村、そこをバスで通りかかったB・Jは、とあるバス停でバセドー氏病を患う少女が降りて行くのを見かけた。その近くに近在でも評判の医者がいると言う。興味を持ったB・Jが少女の後について行くと、そこには無医村で頑張る、老いた無免許医がいた。
101 侵略者(インベーダー)
1975/12/8 「週刊少年チャンピオン」
サトルはどうも様子がおかしいと感じていた。自分の身の回りの人たちが、まるで知らない人のように感じられる。同じ笑顔を向けてくれるのに、その笑顔の後ろに何か秘密を隠しているのが感じ取れるのだ。彼らはもしかしたら、インベーダーなのかもしれない。サトルは彼らが自分を手術すると知り、恐怖におののいた。
102 奇妙な関係
1975/12/15 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの家に銃で撃たれた男が倒れこんでくる。彼の治療をはじめたとき、またひとり、B・Jの家に両足骨折の男が転がり込んできた。B・Jは肝臓を撃たれた男のために、骨折の男に肝臓を少し提供してくれと頼んだ。ひとりは刑事で時効寸前の銀行強盗を追っていた。もうひとりは時効まで逃げ延びようとしている銀行強盗当人だった。
103 帰ってきたあいつ
1975/12/22 「週刊少年チャンピオン」
学校一の暴れん坊ジョーズは学園祭を荒らし回っていた。そんなある日、彼は心筋梗塞で倒れ、危篤となる。B・Jは、ジョーズの命を助ける。しかし二度と興奮したら心臓は持たないと釘をさした。暴れようとするたびに心臓に痛みが走るジョーズは、それでもカッコ良く生きたいと願い、文化祭の用心棒を買って出るのだが……。
104 ピノコ西へ行く
1976/1/1 「週刊少年チャンピオン」
通常の治療では治癒しない特別なクル病の子供を治してくれと頼まれたB・J。彼は手術はするが効果が現われるまで時間がかかると告げた。しかし親はいつまで待っても子供が治らないとB・Jを告訴した。警察に負われて逃げたB・Jを追って、ピノコは単身、西へ向かう列車に乗り込んだ。
105 雪の訪問者
1976/1/5 「週刊少年チャンピオン」
大病院のベテラン医師。彼は最近気がふれたかのような奇行で周囲を驚かせるようになっていた。手術中の患者を殺そうとまでするのだ。しかし大物医師だから、誰も彼に「休め」とは言えない。そんな医師が自分のオペを担当すると知った青年はB・Jに助けを求めた。B・Jはそして心を病んだ医師の治療をはじめる。
106 浦島太郎
1976/1/12 「週刊少年チャンピオン」
炭坑事故で植物状態となった少年は、55年間、寝たきりのまま目覚めない。しかもいっさい老化せず、彼は少年のままの姿だった。このままを維持するのは病院にとっても大変な負担だ。そこでB・Jが呼ばれた。彼の手術でも蘇らなかったらキリコの手に預けよう。病院はそう決意する。そしてB・Jのオペがはじまったのだが……。
107 小さな悪魔
1976/1/19 「週刊少年チャンピオン」
ママが大変だ。おなかの赤ちゃんが病気らしい。パパと一緒にB・Jの家へママを担ぎ込んだ少年は、ママのおなかの中からぶどうのような玉が無数に取り出されるのを見てしまう。胞状奇胎という異常妊娠だった。しかもママはもう子供が産めない。それを知った少年はすべてはB・Jのせいだと思い込み、復讐を誓う。
108 クマ
1976/ 1/26+ 2/ 2 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの小学校時代の級友だった女性から手紙を受け取った。山で猟師をしている兄がジンベエと呼ばれるクマを仕留めることに取り憑かれ、二度も死ぬほどの重傷を負っていると言う。兄はきっとまたジンベエに戦いを挑むだろうし、そのときは本当に殺されるかも知れない。兄を助けてほしい。そう頼まれたB・Jは山へと向かった。
109 死者との対話
1976/2/9 「週刊少年チャンピオン」
医学生のための解剖実習用の遺体が並べられている。医学生たちは気味の悪さや恐怖心を笑い飛ばそうとするかのように、取り出した内臓を冗談の種にしている。B・Jは解剖されたひとつの遺体に歩みより、生前、この体を使っていた男を思い出していた。それは死刑囚監房の中で「聖書」と出会った男だった。
110 デカの心臓
1976/2/16 「週刊少年チャンピオン」
脳下垂体前葉ホルモンの異常で巨大な体になってしまった高校生。彼の元には連日プロレス団体や相撲部屋からスカウトが押し掛けていた。しかし彼の心臓はその巨大な体を維持するのに精一杯で、とてもスポーツなどはできないとB・Jは忠告する。けれど契約金に目がくらんだ父親は相撲部屋に入門させることにしてしまう。
111 タイムアウト
1976/2/23 「週刊少年チャンピオン」
トラックが大渋滞の中で鉄骨の荷崩れ事故を起こした。歩道にいた少年がその下敷きになってしまう。鉄骨をどかせるクレーン車はしかし渋滞でやって来れない。現場に居合わせたB・Jは鉄骨の中に自らもぐりこみ、その場で子供の四肢を切断し始める。一度切ってまたくっつけ直す。それしか鉄骨に挟まれた少年を救う方法がなかったのだ。
112 望郷
1976/3/1 「週刊少年チャンピオン」
海が汚染され、その島は公害病で汚染されて、住人はすべて退去させられた。以来、誰も住めない死の島となった故郷をジッと対岸からみつめている少年がいる。死んでしまった父と母。その両親と暮らした島へ、彼は帰りたかった。彼の死んだ父親から息子の面倒を頼むと言われていたB・Jは、単身、島へと渡ってみるのだが--。
113 もう一人のJ
1976/3/8 「週刊少年チャンピオン」
ある日、B・Jは自分を知人と間違える男ハンスと出会った。ハンスは「ジョナサン」というかつての友人に命を狙われているという。B・Jがジョナサンに会ってみたところ、確かに自分とそっくりな顔に大きな傷跡があった。かつて、ハンスとジョナサンは地中海で海に沈んだナチの金塊を見つけ、分け前をしぶったハンスがジョナサンを殺そうとしたのだ。生き延びたジョナサンは復讐心のかたまりになっていた。
特別読切 U-18は知っていた
1976/3/10 「週刊少年チャンピオン増刊号」
コンピュータが診察し、コンピュータが手術をする。そんな巨大ハイテク病院を制御するメイン・コンピュータ《ブレイン》がある日突然、入院患者を人質にとって反乱を起こした。「ワタシハビョウキデス。ブラック・ジャックヲ ツレテキナサイ」呼ばれて駆け付けたB・Jは、コンピュータの手術をはじめる。
114 ペンをすてろ!
1976/3/15 「週刊少年チャンピオン」
大ヒットマンガ『エロールの剣』の作者、猪谷は作品が賞を受けても不安そうだ。それもそのはず、本当の作者は尿毒症で入院中の彼の恋人だったのだ。担当医のB・Jが「病気を治したければ一年間、マンガを描くな」と彼女に命じたことでパニックになる。彼女が描かなければ、世間に顔をさらしている自分の立場もなくなってしまう、と。
115 不発弾
1976/3/22 「週刊少年チャンピオン」
町の名士として気球に招待された男と共に気球に乗り込んだB・J。気球は無人島にふたりを降ろした。「どういうことだ!」と怒鳴る男にB・Jは、昔、不発弾の犠牲となった母子の話をする。B・Jと母親の話を。この男はその事故を招いた犯人のひとりだった。そしてこの無人島を舞台にB・Jの復讐がはじまる。
116 ハッスルピノコ
1976/3/29 「週刊少年チャンピオン」
ピノコは通信教育を修了したという免状をもらって大喜びだ。彼女は医学の勉強をして立派なB・Jの助手になろうとしていた。学校に入って勉強したいピノコのためにB・Jも手を尽くすのだが、もともと普通の体ではないピノコには入試試験の緊張に耐えられる体力はなかった。
117 未来への贈りもの
1976/4/5 「週刊少年チャンピオン」
少女はエリテマ・トーデス、少年は筋萎縮性側策硬化症。ふたりとも不治の病だった。ふたりは結婚。若きインターン時代のB・Jはいつか結婚のお祝いを贈ると約束した。それから10年。ソ連で人工冬眠装置が実用化され、B・Jは二人を紹介する。未来には治療法が見つかるかもしれない。その未来こそがB・Jからの贈り物だった。
118 白い目
1976/4/12 「週刊少年チャンピオン」
肺塞栓。それは肺の血管に血の塊が詰まってしまう病気だ。手術で血の塊を除去すれば、それは治療できるはずだった。しかしその患者は取っても取っても新しい血の塊が出来てしまう。最高の医師たちもこの奇病にはお手上げだった。そこでB・Jが呼ばれる。モグリの医者と白い目で見られながら、B・Jはこの奇病に戦いを挑む。
119 ハリケ-ン
1976/4/19 「週刊少年チャンピオン」
大富豪の治療をするため離れ小島へとやってきたB・J、老富豪の若い妻と秘書は死の間際にある老人の遺言を自分たちの有利に書き変えさせるため、B・Jに命を永らえさせてくれと頼んできた。しかしそこへハリケーンが来襲。島から逃げ出さなければ命に関わる。若い妻と秘書は富豪とB・Jを残してさっさと二人で逃げて行った。
120 悲鳴
1976/4/26 「週刊少年チャンピオン」
学校放送の人気者、朝戸レイは天使の美声の持ち主だった。しかしある日、声帯にできたポリープのせいで声が出なくなってしまう。B・Jの手術は成功したが「炎症が治るまで声を出してはならない」という指示にレイは従わない。それを知ったB・Jはレイが真剣に病と向き合うようにするため、きついお仕置きを課すことにする。
121 曇り後晴れ
1976/5/3 「週刊少年チャンピオン」
雷の直撃を受けて重体の男。彼のまだ幼い息子は父を助けてくれと山のホテルの医者に頼むのだが、ホテルはストライキ中で医者も働くことができないと言う。同じホテルに宿泊していたB・Jは、雷に次々に落ちてくる中、少年の父親を救うため、緊急野外オペを決行する。
122 3度目の正直
1976/5/10 「週刊少年チャンピオン」
その青年の心臓はB・Jにとって、屈辱そのものだった。B・Jは彼の心臓の手術を二度も失敗していたのだ。そしていまB・Jは自分の失敗を取り戻そうと「もう一度だけ手術させてくれ」と交渉に赴く。だが青年はレーサーとして負けることの出来ない試合に臨むところだった。レースは心臓に負担がかかるとB・Jは制止するのだが。
123 ディンゴ
1976/5/17 「週刊少年チャンピオン」
オーストラリア大陸を車で飛ばすB・Jは、ガソリンを求めて一軒の農家を訪ねた。その家の家族全員が死んでいる。全身に赤い斑点があり、伝染病と思われた。
そしてB・Jの体にも赤い斑点が出始める。B・Jは荒野で自分自身を手術しはじめる。彼はこれは寄生虫によるものだと見て取った。オペ中の彼を野生の犬ディンゴが襲う。
124 きみのミスだ!
1976/5/24 「週刊少年チャンピオン」
大好きな歌手の歌を録音するのに忙しいその医師は、指示を求める看護婦に上の空で指示を出す。「ペニシリン二万単位でも打っておけ!」そして、患者は死んでしまう。医師はこの医療ミスの責任をすべて看護婦ひとりに押し付けた。B・Jは、看護婦の顔を医師が憧れている歌手そっくりに整形してやり、もう一度病院へと送りこんだ。
125 老人と木
1976/5/31 「週刊少年チャンピオン」
一本のケヤキの木を子供の頃から守り、大切に世話をしている老人がいた。しかしそのケヤキの木がマンション建設のため、伐採されることになる。老人は木を救おうと走り回るが、計画を変えることはできない。世をはかなんだ老人はケヤキの木の枝で首を吊った。通りかかったB・Jは老人を助け、蘇生させるのだが……。
126 座頭医師
1976/6/7 「週刊少年チャンピオン」
盲目の天才針治療師が針の一刺しで病人を治しながら旅していた。人助けが出来ればそれでいいと彼は治療費は受け取らない。そんな針治療師が、B・Jが往診を続けていた患者に針を刺し、病は治したと宣言する。それを知ったB・Jは慌てて少女の元へ走った。少女が異常に針を怖がる子だと知っていたからだ。
127 執念
1976/6/14 「週刊少年チャンピオン」
ガンで死んだ家族のために、ガンを治す医者になることを誓った青年。医師国家試験を受けたときは、彼自身がすでにガンに冒されていた。何とか試験を突破した彼は、主治医の病院で働き始める。最初に担当したのはガン患者だった。青年は自らもガンと戦いながら、彼女を治療し、B・Jの助けを借りて最初で最後のオペに臨む。
128 最後に残る者
1976/6/21 「週刊少年チャンピオン」
129 殺しがやってくる
1976/6/28 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの家に殺し屋がやってきた。彼は某国の大統領の暗殺を計画していた。しかしB・Jもまた何があってもその大統領の命を救う、という契約をしていたため、この殺し屋にはB・Jが邪魔な存在だったのだ。縛り上げた上でB・Jの両手の指をふっ飛ばそうとする殺し屋を阻止しようとして、ピノコは逆に瀕死の大怪我を負ってしまう。
130 霧
1976/7/5 「週刊少年チャンピオン」
精神分裂病の一種である緊張病を患うその少女は世をはかなんで山の奥で自殺を計った。彼女を治療するため追ってきたB・Jは、少女とともに深い霧に閉ざされて身動き取れなくなってしまう。死にたい少女と助けたいB・Jは深い霧の中でふたりだけのサバイバルを余儀なくされる。
131 青い恐怖
1976/7/12 「週刊少年チャンピオン」
B・Jが所有する島で暮らす漁師の父子。少年はもういっぱしの漁師気取りだが、父は「まだまだ半人前だ」と諭していた。「おまえはまだ海の怖さを知らない」と。しかし自分は一人前だと信じる少年は、禁じられた岬へと走って行く。そこで彼は巨大なシャコ貝に足を挟まれ、身動き取れなくなった。海が牙をむいた瞬間だった。
132 研修医たち
1976/8/2 「週刊少年チャンピオン」
その大病院では立派な医師免許を持つ若い医師たちに、看護婦でも出来るような仕事ばかりやらせていた。頭に来た研修医たちは自分たちだけで患者を治して見せると宣言。しかしその患者は水腎症で、盲腸程度しかオペの経験がない彼らには手ごわいオペだ。そこで彼らはB・Jに手術に立ち会ってくれと頼んできた。
133 てるてる坊主
1976/8/9 「週刊少年チャンピオン」
自慢のパパは世界一、ママは世界で二番目の医者だと信じている少年。けれど本当はギャンブルの借金で首が回らない駄目男のパパが突然死してしまい、ママと少年には莫大な借金が残った。その借金の取り立てにやっては来たのはB・J。B・Jは自分を雇ってくれれば大金を稼げると言って、少年の家に住み込みはじめた。
134 あるスタ-の死
1976/8/16 「週刊少年チャンピオン」
ハリウッドの黄金時代に活躍した美人女優マリリン・スワンソン。彼女はいまでは年老いて見る影もなかったが、再び映画のスクリーンに返り咲きたいという夢を持っていた。彼女はB・Jを訪れ、若返らせてくれと頼む。B・Jは全身の皮膚移植から骨格の矯正まで、大手術を敢行してスワンソンを昔のような美女に返り咲かせるのだが……。
135 夜明けのできごと
1976/8/23 「週刊少年チャンピオン」
工事で足止めされたB・Jは車の中で仮眠を取っていた。と、夜明け前の路上を歩いてきた子供が、工事の穴に落ちてしまう。頭蓋骨陥没で手術が必要だ。B・Jは少年に付き添い、門前払いしようとする病院の手術室で強引にオペをはじめる。しかし少年の親は子供を裏口入学させようとしていて、手術費に回せる金はないと言う。
136 戦場が原のゴリベエ
1976/8/30 「週刊少年チャンピオン」
キャンプ場に出没しては人を襲い、ミルクを奪ってゆく山猿がいる。またひとり、この山猿に襲われた子供が指を食いちぎられた。B・Jは指を元通りにするオペをしてやるが、彼が興味を持ったのは、山猿はどうしてミルクを奪うのか、ということだった。
137 震動
1976/9/6 「週刊少年チャンピオン」
新幹線が通るたびにものすごい震動が襲う安アパート。そこでひとりの女性が新幹線にはじき飛ばされた石を腹部に受け、危篤状態となった。居合わせたB・Jは緊急手術を始めるが、二分おきに通過する新幹線の震動が邪魔をする。女性の夫はオペの間だけ新幹線を止めてくれと国鉄に電話で頼み込んだ。
138 きたるべきチャンス
1976/9/13 「週刊少年チャンピオン」
ガンの特効薬を開発してノーベル賞を受賞する運びとなったその医師は、けれど自身が食道ガンに冒されていた。治療を頼まれたB・Jは、新聞社に事実を公表する。特効薬は効き目がないと自ら証明した形で、医師はノーベル賞を辞退する。しかしそれから1年、B・Jの手術でガンから生還した彼は--。
139 魔女裁判
1976/9/20 「週刊少年チャンピオン」
140 畸形嚢腫パ-ト2
1976/9/27 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの元に体内にひとそろいの体の部品を持った嚢腫を抱えた男が運び込まれてきた。ピノコは自分とまったく同じだと知り、B・Jに今度の奇形嚢腫も人間にしてあげてと頼む。ピノコは嚢腫から自分へと話し掛けてくる声を受信していた。嚢腫はタスケテとピノコに叫んでいた。
141 湯治場の2人
1976/10/4 「週刊少年チャンピオン」
針の一刺しでどんな病も治せると豪語していた盲目の針師とB・Jは久しぶりに温泉地で出会った。ふたりともこの山奥に住む老刀鍛冶にメスや針を鍛え直してもらいに来たのだった。しかし老鍛冶師は心臓発作で倒れ、B・Jと針師はそれぞれのやり方で蘇生させようとするのだが--。
142 盗難
1976/10/11 「週刊少年チャンピオン」
ハネムーンで日本を訪れていた夫婦が事故に遭った。若い妻は一命を取りとめるものの両手両足を切断しなければならなかった。B・Jはその美しい手足の形をとどめた義手と義足を作り、リハビリに手を貸す。次第に若妻がB・Jに惹かれて行くのを感じた夫は、妻を引き離す。しかし若妻の心はすでにB・Jで占められていた……。
143 空からきた子ども
1976/10/18 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの家の庭先にウラン連邦の軍用機が亡命してきたのだが、その目的は難病の息子をB・Jに治療してもらうためだった。しかしその病気はB・Jでさえ治せない。自分と医学の無能を嘆くB・Jはとんでもない奇策を思いつく。子供の体と母親の体を一体化させ、母の健康な内臓の力で子供を生かす、という方法だ。
144 金!金!金!
1976/10/25 「週刊少年チャンピオン」
145 霊のいる風景
1976/11/1 「週刊少年チャンピオン」
ある屋敷で降霊会が行われていた。心霊現象がこの屋敷に多発する理由を探ろうというのだ。霊はこの邸に暮らす少年に憑依した。病気に苦しむ女性の霊だ。手術をしてくれと懇願する霊を救うために呼ばれたのがB・Jだった。B・Jは心霊現象など信じていなかったが、霊が憑依した少年を診察すると、手術を承諾する。
146 99.9パーセントの水(原題:限りなく透明に近い水)
1976/11/8 「週刊少年チャンピオン」
キリコの妹がB・Jに助けを求めてきた。キリコがまたひとり安楽死をさせようとしているらしい。その患者はなんとキリコ自身だった。彼は南米で謎の死病にかかり、自らを安楽死させる以外に病の伝染を防ぐ方法はないと考えたらしい。B・Jはこの原因不明の奇病を暴くべく、キリコの胸を開いてオペをはじめた。
147 昭和新山
1976/11/15 「週刊少年チャンピオン」
世界でも珍しいタイプのその真新しい火山の頂上付近で、ひとりの登山家が壁に手を突っ込んだまま身動き取れなくなった。救出に向かったB・Jが頂上へと登り、男の手を切断するしか助ける方法はないと判断。しかしいざ腕を切り落としてみると、意外な事実が……。
148 落としもの
1976/11/22 「週刊少年チャンピオン」
手術不可能と医師たちから匙を投げられた女性がいる。妻の命は金には換えられないと、サラリーマンは家も家財道具も売り払ってB・Jに手術を頼む。しかし彼はその全財産の小切手を落としてしまった--。
149 やり残しの家
1976/11/29 「週刊少年チャンピオン」
ピノコはいまの汚い家を改築したいと考えていた。しかしB・Jはこの家には思い出があると、改築に賛成しない。そしてB・Jはピノコにこの家の最初の入院患者だった大工の丑五郎の話を聞かせてやる。広島で被爆したため白血病を患っていたその老いた大工の、最後の仕事がこの家だったのだ、と。
150 激流
1976/12/6 「週刊少年チャンピオン」
山奥のゴルフ場に往診した帰り、B・Jは増水した川に足止めされてしまう。渡し守の家には臨月の奥さんと17人の子供たちがいた。奥さんは自分が川を渡してやる、と言って、B・Jを渡し舟に乗せた。そこへ鉄砲水が襲ってきた。B・Jと奥さんは激流を押し流される。それに加えて、奥さんの陣痛が始まった。
151 ホスピタル
1976/12/13 「週刊少年チャンピオン」
東亜大学出身の医師ばかりがふんぞり返っているこの大学病院では、やはり東亜大学出身の院長が大名のようにほかの医師たちを従えていた。院長は回診の際、わずか五秒の診察だけで、患者の腕を切断しろと命じる。しかしその患者はピアニストだった。担当医は何とか腕を切らずに済ませられないかとB・Jに相談した。
152 約束
1976/12/20 「週刊少年チャンピオン」
大金を強奪しては貧しい難民キャンプに配っていた義賊のルペペ。彼は大動脈に弾丸をめり込ませて虫の息となっていた。しかし設備のない難民キャンプでは本格的な治療が出来ない。また必ずオペの続きをすると約束して別れてから1年。B・Jはルペペとパリの死刑囚監房で再会した。
153 フィルムは二つあった
1977/1/1 「週刊少年チャンピオン」
映画監督の野崎は、B・Jの治療シーンを撮影したいと望んでいた。彼の息子がすべての医者に見放された難病だったのだ。彼は息子の闘病を記録した映画の最後にB・Jを登場させ、映画をハッピーエンドにしたいのだ。
154 失われた青春
1977/1/3 「週刊少年チャンピオン」
一代で巨大な石油会社を築き上げたゼット・リングはB・Jを呼び寄せると、自分を若返らせ、まったくの別人にしてくれと頼んだ。会社のためだけに生きた自分にもう一度、青春を楽しませたいのだ、と。B・Jの手術は成功し、ゼット・リングは一年間だけ別人となる。だが彼が若返った本当の理由は復讐を決行するためだった。
155 コマドリと少年
1977/1/10 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの家にコマドリが飛んできてはお金を置いて行く。何が目的だろう? B・Jとピノコはコマドリの後を追いかけた。そしてB・Jは怪我をしたコマドリを助けるために、薬を買い続けていた少年の存在を知る。その少年が病気になったためコマドリはB・Jに助けを求めていたのだと知る。
156 音楽のある風景
1977/1/17 「週刊少年チャンピオン」
徹底した思想管理の政策がされているD国では外国製の音楽を禁じられていた。しかし世界一の外科手術の腕を持つその博士は、音楽に包まれて暮らしたかった。だから手術室の中で音楽を聴くようになり、以来、音楽を流しながらオペをするのが常となった。その博士の公開手術を見学したB・Jは、博士から「今度は君の腕前を見せてくれ」と頼まれた。
157 B・J入院す
1977/ 1/24+31 「週刊少年チャンピオン」
車に跳ね飛ばされたB・Jは、右腕を骨折して病院に入院した。右腕がつかえないのでは、自分で手術することも出来ない。B・Jの担当医となった男はB・Jの悪名を聞き及んでいた。そしてB・Jの右手を手術しながら「もし神経を一本でも切っておけば、もうB・J伝説もおしまいだな」と囁いた--。
158 不死鳥
1977/2/7 「週刊少年チャンピオン」
159 お医者さんごっこ
1977/2/14 「週刊少年チャンピオン」
とても演技の上手な男の子キートンは、いつもコングという図体のでかい級友にイジメられていた。そのコングの妹はずっと病気で寝たきりで、治るにはB・Jの手術が必要だと信じている。コングは妹のためにB・Jを演じてくれとキートンに頼んだ。キートンは嫌々ながらもB・Jを演じることになる。
160 白い正義
1977/2/21 「週刊少年チャンピオン」
暗殺者に狙われているその患者はB・Jのオペを受けるため、日本に向かっていた。彼と飛行機の中で出会った白拍子医師は、B・Jよりも良心的な医者がいるのだと示すべく、自分の病院へと連れて行く。患者が別の病院に運ばれたとは知らない暗殺者たちはB・Jをリンチし、ピノコを銃で撃つ。すべては「医師の正義」を主張する白拍子のせいだった。
161 上と下
1977/2/28 「週刊少年チャンピオン」
高層ビルのオフィスで大動脈を破裂させた社長を助けるためB・JはRHマイナスの血を探させ、隣の工事現場から作業員が連れてこられる。この作業員のおかげで一命をとりとめた社長が、大きな取引のためアメリカへ向かおうとしているとき、連絡が届いた。作業員が事故で怪我をして、輸血が必要だと。社長は会社の未来と恩人の命を秤にかけなければならなくなる。
162 気が弱いシラノ
1977/3/7 「週刊少年チャンピオン」
団地に暮らす白野は、同じ棟に暮らすジュンという少女に恋していた。しかしジュンは向かいの棟に住む栗須という青年に憧れていた。重い病気でベッドに寝たきりのジュンに白野はせっせと栗須からの手紙を届ける。もちろんそれは白野が書いた手紙。栗須が事故で死んだことを知った白野は、B・Jに自分を栗須の顔に変えてくれと頼む。
163 本間血腫
1977/3/14 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの恩師である本間丈太郎医師が発見した心臓の奇病、それが本間血腫だ。しかし本間医師でさえ、その治療法を発見できず、彼は治療と称した人体実験をしていると謗られ、医学界を追われた。その本間血腫の患者がまた現われた。B・Jに治療をとの依頼がきたが、B・Jは本間から「手術では治せない」と忠告されていた。
164 勘当息子
1977/3/21 「週刊少年チャンピオン」
雪の田舎町に降り立ったB・J、彼は町外れの民宿に一夜の宿を求めた。そこの老婆は自分の還暦の祝いの準備をしていた。久しぶりに都会から3人の息子が帰ってきてくれると老婆はうれしそうだ。しかし息子たちは帰ってきてはくれない。ガッカリした老婆はそのまま持病を悪化させて倒れてしまう--。
165 おとずれた思い出
1977/3/28 「週刊少年チャンピオン」
166 リンチ
1977/4/4 「週刊少年チャンピオン」
シシリー島のその村では、よそ者を極端に嫌っていた。だから子宮ガンに苦しむ村のボスの娘を治療するために訪れたB・Jに対しても、敵意剥き出しだ。「ボスの娘を裸にして体をさわりやがった!」そう因縁をつけられB・Jは半死半生のリンチを受ける。しかしそれでも約束は約束とB・Jは血だらけのままオペを開始した。
167 春一番
1977/4/11 「週刊少年チャンピオン」
千晶はB・Jの手で角膜移植手術を受けた。だが、それ以来、そこにいるはずのない青年の姿が見えるようになる。B・Jは自分の手術にミスがあったのかと詳しく調べるが異常はない。それでも千晶は男の幻を見つづけ、しだいにその男に恋をするようになる。B・Jは角膜提供者が最後に見た映像を瞳に焼き付けたのだと思い当たる。
168 三者三様
1977/4/18 「週刊少年チャンピオン」
北海道のとある大都会。試験に落ちて死のうとしている少年。毎日を精一杯に生きればそれで充分と考えている土木作業員。そして無免許であることを理由に逮捕されたB・J。三人の人生は大きなガス爆発事故によって、ひとつに重なり合う。二度とない出逢いがしかし、少年の人生も土木作業員の人生も大きく変えることになる。
169 モルモット
1977/4/25 「週刊少年チャンピオン」
入院生活が続く少年、羽仁夫は看護婦に連れられて実験動物を見に行った。そこで飼育されているモルモットを好きになった。しかしそのモルが自分の病気の治療法を探るため解剖されることになる。そうと知った羽仁夫はモルに強烈な精神波を送り、戦えと命じる。狂暴化したモルと羽仁夫を同時に救うためB・Jは奇策を用いる。
170 助っ人
1977/5/2 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの元へ恩師の山田野医師が訪ねてきた。病院内部の政治的駆け引きのせいでメッケル憩室の手術をさせられることになったという。それは盲腸同様の簡単な手術だから失敗などするはずもないものだ。しかし山田野は目がほとんど見えない。それを知ったB・Jは恩師のためにオペの助っ人を引き受ける。
171 壁
1977/5/9 「週刊少年チャンピオン」
172 命のきずな
1977/5/16 「週刊少年チャンピオン」
パリの空港で旅客機が炎上した。居合わせたB・Jは別々の病院に収容された赤ん坊の命を気遣いつづける若い母親と、両親を失って泣き叫んでいる重態の赤ん坊を同時に治療することになる。親を失った赤ん坊と、赤ん坊を失った母親。両者は神によってつながれた絆を持っている。B・Jはふとそう思う。
173 あつい夜
1977/5/23 「週刊少年チャンピオン」
ハワイの大農園を所有するダグラスは何度も殺し屋に命を狙われていた。銃撃されて危篤になるたびにB・Jは彼を蘇生させる。これで三回目。しかしダグラスには命を狙われる覚えはまったくない。ただひとつ、ベトナム戦争の時に非戦闘員を殺したこと以外は--。
174 身の代金
1977/5/30 「週刊少年チャンピオン」
男の子を誘拐して一千万の身代金を奪った男。彼は逃走中に撃たれた腕を無視して、男の子と共に山へ逃げ込んだ。その山で男の子と暮らすうちに誘拐犯には親子の情みたいなものが生まれてくる。その男の子が足にひどい炎症を起こし、誘拐犯は身代金をはたいて、B・Jに子供を治療してくれと頼み込んだ。
175 闇時計
1977/6/6 「週刊少年チャンピオン」
B・Jはアフリカのとある村でオペをしていた。報酬は少年が持っていた大きなダイヤの原石だ。その原石を受け取り、街で鑑定してもらっているB・Jを見て、ひとりの邪な人間がダイヤの鉱脈に案内させようと、少年とB・Jを連れて洞窟の中に入る。と、落盤! 三人は生き埋めとなった。B・Jは自らの脈で時間を計りながら救出を待つ。
176 信号
1977/6/13 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの家が建つ岬に工場を建てようとしている社長が、立ち退かないB・Jと交渉するため自ら足を運んできた。しかし岬に空いた深い穴に落ち、助けられたときはすでに植物人間状態だった。意識も脳波もない。しかしB・Jは彼が本当の植物状態ではないと気づく。それは彼の呼吸だ。呼吸が何かを伝えようとしている。B・Jはそれが呼吸を使った一種の信号だと気づいた。
177 死への一時間
1977/6/20 「週刊少年チャンピオン」
キリコは新薬を手に入れた。服用すればおだやかに眠り、一時間後に心停止する、という毒薬だ。そんな薬とは知らず少年は心臓病の母のためにと薬を盗んだ。B・Jとキリコが少年の家を突き止めたときにはすでに母親は薬を服んだ後だ。一時間で母親は死ぬ。B・Jはタイムリミットぎりぎりまで命を救うためにメスをふるう。
178 鯨にのまれた男
1977/6/27 「週刊少年チャンピオン」
捕鯨船から海に落ちて行方不明になった三人の船員。彼らは数時間後に船に引き上げられた鯨の腹の中から救出された。消化され、顔も判別できなくなっていたが、しかしひとりは生きていた。B・Jはその船員に皮膚移植をして新しい顔を与えてやる。顔が変わり、記憶も失った彼は母親だと紹介された女性と生活をはじめるのだが--。
179・180 土砂降り(原題:メス(179)、土砂降り(180))
1977/7/4、1977/7/11 「週刊少年チャンピオン」
ちいさな島に恩人を訪ねたB・J、しかし恩人は崖崩れの犠牲となり、島にはその妹でたったひとりの医師として忙しく働いていた。嵐のせいで島に足止めされたB・Jと過ごすうち、美しいその女医はB・Jに対して恋心を抱くようになる。だが再び崖崩れが発生、今度はその女医が島の子供たちと共に生き埋めになってしまう。
181 通り魔
1977/8/1 「週刊少年チャンピオン」
アラスカ、マッキンリー山近くにあるミサイル基地では頻繁にミサイル発射実験が行われていた。その基地の周辺で人間を無差別に切り裂く通り魔が出没。B・Jは通り魔に襲われた人を助けようとして、逆に犯人と間違われてしまう。だがB・Jは真犯人は人間ではないと考えていた。真犯人、それはカマイタチだ、と。
182 ご意見無用
1977/8/8 「週刊少年チャンピオン」
ヤクザの親分がB・Jを訪ねてきた、指名手配中の息子を離れ小島に隠しているが、嵐で大怪我をしたらしい。B・Jは島へと渡るが、そこでは本格的なオペが出来ない。とりあえず本土へ渡ろうとした船の上で、意識を取り戻した患者は、島から出るな! と船長を殺した。B・Jはこの殺人鬼と共に漂流を余儀なくされる。
183 おとうと
1977/8/15 「週刊少年チャンピオン」
癌で死を迎える間際、父親は二人の息子に言った。癌を治せる医者になれ。兄は父の残した工場を守りながら、なんとしてでも弟を医者にしようとする。しかし時は流れ結局、弟は医者になれず、兄は癌で寝たきりの老人となっていた。弟は自分のために走り回ってくれた兄を救うため、B・Jの助けを乞う。
184 猫上家の人々
1977/8/22 「週刊少年チャンピオン」
B・Jが整形手術の代金を取り立てるために訪れたのは、旧家の猫上家。その屋敷には化け物が出る、家に近づくと祟られる、そんなうわさがB・Jの耳にも届く。しかし気にせずその家に一泊したB・Jは、古い屋敷に隠された秘密を暴くことになる。
185 六等星
1977/8/29 「週刊少年チャンピオン」
次期院長を誰にするかでふたりの候補が争っている真中病院。しかし権力欲剥き出しの二人の候補と同じキャリアを持つ、もうひとりの医師がいた。椎竹医師だ。彼は医師としての素晴らしい技術と人間性を持っていたが、権力欲だけは持ち合わせていなかった。B・Jは夜空の六等星のように目立たない椎竹医師のために陰から力を貸す。
186 アヴィナの島
1977/9/5 「週刊少年チャンピオン」
その部族では姫と結婚する者は断崖からダイブして海底の貝を取ってこなければならない、というしきたりがあった。姫と愛し合う若者はこれに挑戦するが、全身の骨を折ってしまう。姫はB・Jに手術を頼んだ。身分の違いと危険な儀式、そして世間知らずの姫君の純愛に辟易としながらもB・Jは治療を引き受ける。
187 キモダメシ
1977/9/12 「週刊少年チャンピオン」
188 肩書き
1977/10/31 「週刊少年チャンピオン」
某国の皇帝陛下が公式に来日。彼は日本でB・Jのオペがみたいと、本国から心臓病の患者を連れてきていた。外務省は仕方なく無免許医B・Jの公開オペをセッティングするのだが、政府がそのままB・Jに大切な賓客の前で技を披露することを許すはずもなかった……。
189 銃創
1977/11/7 「週刊少年チャンピオン」
とある山間のスナックで夕食を採っていたB・Jは、強盗に銃で撃たれ、持っていた金を奪われた。居合わせた客の中には有名医大卒出を自慢する外科医がいた。B・Jはその医師に弾丸摘出を頼むのだが、その外科医、本当はオペなどしたこともない無能な男だった。
190 一ぴきだけの丘
1977/11/14 「週刊少年チャンピオン」
冬季五輪の会場となった山は、いまでは見るも無惨に荒れ果てていた。その山で斜面を滑り落ちて大けがをしたB・Jは、山に住むクマに助けられ、病院まで運ばれる。クマに恩を感じたB・Jは、山の自然を回復させるため、多額の寄付をして植林を始めるのだが--。
191 小うるさい自殺者
1977/11/21 「週刊少年チャンピオン」
B・Jはビルから投身自殺を図った少年を救った。しかし少年は助けられたことに怒り、何としてでも死ぬのだと言い張る。ため息をつくB・Jは少年をキリコのところへ連れて行った。少年はそこで重病に苦しみ、安楽死を待つ少女と出会う。少年はその少女によって死ぬことと生きることの意味を学んで行く。
192 命を生ける
1977/11/28 「週刊少年チャンピオン」
あと1年と持たない難病に冒されているその女性は、生け花の見事な腕を持っていた。父親は彼女に家元になってもらいたいが、それには大勢の人の前で華を生けて見せなければならない。B・Jは三億円で、1日だけでも人前に出られる体にしてくれと頼まれる。しかしB・Jには死んで行く花に興味はなかった。
193 ある老婆の思い出
1977/12/5 「週刊少年チャンピオン」
妊婦が路上で倒れていた。看護婦の彼女は、通りかかった医師に助けを求めた。その医師は胎児と妊婦を同時に救う大手術を引き受けてくれる。無免許ゆえに誰からも賞賛されない彼のおかげで確かに歴史は変わったのだ。時は流れ、生まれた赤ん坊の乳母となった彼女は帰宅した大統領を迎える。そう、彼があのときの赤ちゃんだ。
194 二人三脚
1977/12/12 「週刊少年チャンピオン」
テロリストたちは大金を不法に稼ぐB・Jに一億円を要求した。そのテロリストのメンバー昭吾の父は、息子が悪い仲間に加わり、自分を無視するようになったのが耐えられない。何とか幼い頃のように息子と心を通わせたいと父は願う。しかし父は仲間たちにリンチを加えられ、爆弾と共にB・Jの家へと突っ込まされてしまう--。
195 二人目がいた
1977/12/19 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの母親を殺し、彼の体を吹き飛ばした不発弾。B・Jはその不発弾処理の責任者五人を探し出して復讐しようとしていた。ひとり目は地雷を埋め込んだ島に連れて行って復讐した。そして二人目。ようやくみつけた二人目の男は、末期ガンで死んだも同然の状態だった。B・Jはその男の娘に頼まれて延命処置を施すのだが……。
196 腫瘍狩り
1978/1/1 「週刊少年チャンピオン」
B・Jを毛嫌いする白拍子医師。彼はアメリカの大学で開発された全自動ガン治療機を大々的に宣伝した。しかしその機械はガンには効果があるが同時に副作用もひどいことが明らかになった。白拍子はテストとしてその機械で治療した末期ガン患者を救うため、いやいやながらもB・Jの手を借りることになる。
197 ゴーストタウンの流れ者
1978/1/2 「週刊少年チャンピオン」
どこともしれないゴーストタウンに足止めされてしまったB・J。砂嵐をさけるために入り込んだ空き家には先客がいた。それは脱獄囚で、銃で撃たれた腕の傷が腐りかけていた。命を救うためには腕の切断しかない。オペをしてやったB・Jに脱獄囚は切り落とした腕を町に住む恋人へ届けてくれと頼んだ。
198 浮世風呂
1978/1/9 「週刊少年チャンピオン」
ゴリラみたいだと自分自身でも思っている柔道部の男子高校生、彼は風呂屋の壁を通して女湯から聞こえてくる可愛らしい声に恋していた。その声の主はどんな美人だろうと毎日想像しているのだが、彼は自分の容姿に自信がないから声に耳を傾ける以外の何も出来ない。彼はそのラブリーな声の主がピノコだとは知る由もなかった。
199 終電車
1978/1/16 「週刊少年チャンピオン」
かつてブラック・クィーンの異名をとっていた女医がいた。彼女は患部をすぐに切断してしまう医者だったが、自分の恋人の足だけは切断できなかった。その恋人の足を切らずに治したB・Jと久しぶりに終電車の中で再開した彼女は、B・Jを自分の病院へと誘う。彼女は結婚生活か医者を続けるかの選択で悩んでいた。
200 すりかえ
1978/1/23 「週刊少年チャンピオン」
生まれた子が重病だと知った母親は、魔がさして保育器の中の赤ん坊を別の子とすりかえてしまう。それから三年、愛くるしい子に育った息子を彼女は深く愛していた。しかしそんなある日、彼女のもとに脅迫電話がかかってくる。彼女は自分の罪を担当医だったB・Jに告白し、助けを請うのだが--。
201 助け合い
1978/2/6 「週刊少年チャンピオン」
某国で身に覚えの殺人事件の犯人にされそうになったB・Jを救ったのは、アリバイを立証してくれた日本人の蟻谷だった。B・Jはいつか恩返しをすると約束した。時は流れ、蟻谷は会社の不正発覚を恐れた上司から、すべての罪を背負って死んでくれと頼まれる。B・Jはニュースで蟻谷が自殺を計ったと聞き、大慌てで病院へ駆け付けた。
202 20年目の暗示
1978/2/13 「週刊少年チャンピオン」
ある日突然、B・Jの指が麻痺してきた。詳しく調べてみるが体にはどこにも異常がない。しかし麻痺はひどくなり。メスさえまともに握れなくなってくる。原因は子供の頃に本間丈太郎がB・Jを手術したときの失敗としか考えられなかった。B・Jは催眠術で過去へさかのぼり、手術のとき、何があったのかを探るのだが--。
203 がめつい同士
1978/2/20 「週刊少年チャンピオン」
五千万の治療費を踏み倒して逃げ回る男をようやく追い詰めたB・J。その男自身も高利貸しで、日々借金の取り立てに走り回っている男だった。彼はいまから金を取りたてるから、それで治療費を払うと言う。彼は貧しい工場主から工場と家の権利書を奪い取ると、B・Jに差し出す。その直後、工場主一家が心中を計った--。
204 消えさった音
1978/2/27 「週刊少年チャンピオン」
空港が出来たせいで、その周囲の農民たちは騒音に悩まされ、ノイローゼから自殺する者たちも頻発した。騒音公害を糾弾していたリーダーもノイローゼになり、耳に熱湯を流しこんでしまう。B・Jは特別な鼓膜を移植してやる。日常の音は聞こえるが騒音は聞こえない、という鼓膜だ。しかしその鼓膜は患者をしあわせにはしなかった。
205 海は恋のかおり
1978/3/6 「週刊少年チャンピオン」
腕っ節の強さだけが自慢の船員がB・Jを訪ねてきた。全身に彫った入れ墨を取り除いてほしいという。本来なら自分で勝手に彫った入れ墨を自分の都合で消してくれという安直な頼みを聞き入れるB・Jではないのだが、船員の持参した手紙を読んだB・Jはオペを断れなくなってしまう。それはかつての恋人、如月恵からの依頼書だったのだ。
206 山猫少年
1978/3/13 「週刊少年チャンピオン」
フランス人医師トリュフォーに呼ばれてその山の中の診療所を訪れたB・Jを待っていたのは山猫に育てられた小頭児の少年だった。生まれてすぐ何かに頭を挟まれていたため、頭頂部が平らになってしまったこの少年は放置すれば長く生きられないだろう。B・Jは頭蓋骨整形を施し、彼に人間らしく振舞うよう教育し始めるのだが……。
207 しめくくり
1978/3/20 「週刊少年チャンピオン」
国民的に大人気のヒーロー小説を書いている作家がガンのために筆を絶った。最終回を書き上げるまで生かしてくれ、そう頼まれたB・Jは自身がその小説のファンだったため、延命治療をひきうける。絶体絶命のヒーローは、果たして生き延びるのか。命を燃やすような患者の執筆をB・Jは見守った。
208 ブラック・ジャック病
1978/3/27 「週刊少年チャンピオン」
アフリカの奥地で胃が黒く固まり死に至らしめる奇病が流行し、現地の医師はこれをブラック・ジャック病と名づけた。治療に金がかかる病気だからだろうとB・Jは怒るのだが、それは間違いだ。B・Jならきっと治療法を見つけてくれる、という願いを込めての命名だったのだ。B・Jは自身の意地にかけてこの病との対決を余儀なくされる。
209 落下物
1978/4/3 「週刊少年チャンピオン」
210 家出を拾った日
1978/4/10 「週刊少年チャンピオン」
出来の良くない生徒だった彼を励まし、いつか競馬の騎手になるという夢を与えてくれた先生が、突然姿を消した。彼女は薬品の事故でふためと見られない顔になってしまったのだ。先生を探して家出した少年と出会ったB・Jは、少年の夢と女先生の人生を取り戻すため、外科医の少年の父親に協力を申し出て、先生の顔の整形が始める。
211 未知への挑戦
1978/4/17 「週刊少年チャンピオン」
B・Jは人里離れた寺院に呼ばれた。出迎えた僧侶もまた、ここへ患者に呼び寄せられたのだという。その患者を目にして、さすがのB・Jも驚愕する。そこに横たわっていたのは異星人だったのだ。B・Jは米軍機に撃ち落とされた円盤に乗っていたという異星人の手術をすることになる。
212 ある女の場合
1978/5/8 「週刊少年チャンピオン」
深夜の駅のホーム。ひとりの女が倒れた。居合わせたB・Jは駅舎の中で緊急オペをはじめる。命を救われた彼女は無一文で家を飛び出してきたのだという。B・Jが再びその女性と出会った時、彼女は貿易商と結婚し大きな屋敷に暮らしていた。そんな女の人生の変転を眺めながらB・Jは、金だけの人生の空しさを見つめていた。
213 人形と警官
1978/5/15 「週刊少年チャンピオン」
街角に立つお巡りさん人形。何故かひとりの巡査がこの人形のことを友達のように大切にし始める。街角にたたずむ孤独な人形に、彼は自分自身の姿を重ね合わせていたのだ。ある日、その人形を殴りつけていた男たちを制止しようとした車に撥ね飛ばされ、脳内に傷を負った。B・Jは彼のオペを担当し、壊された人形の修理もしてやるのだった。
214 鳥たちと野郎ども
1978/5/22 「週刊少年チャンピオン」
使い物にならない広大な土地を所有する老人。だがその土地の地下には油田が眠っていると知ったマフィアが「土地をよこせ」と脅しをかけてくる。拒否すると、老人の孫が銃撃された。鳥たちを愛した少年の治療に当たるB・Jに対してもマフィアが攻撃を仕掛けてくる。鳥たちは少年とB・Jを守るために空を舞う。
215 山小屋の一夜
1978/5/29 「週刊少年チャンピオン」
雨のハイウェイでB・Jはひとりの女性のヒッチハイカーを車に乗せた。彼女は臨月のお腹を抱えている。B・Jはすぐに彼女が、湖で自殺するつもりなのだと見抜いた。B・Jはその女性と共に山小屋で一夜を過ごすことにする。女性はその山小屋で必死に卵を暖める小鳥の姿を見て、親になろうとする者の強さを思い出すのだった。
216 裏目
1978/6/5 「週刊少年チャンピオン」
ハリウッドで活躍するそのプロデューサーは、B・Jをモデルにした映画を作ろうと考えていた。しかしB・Jは協力を断る。そこで実際の怪我人を治療する様子を小型カメラで隠し撮りしようと、黒人青年をわざと事故に巻き込み、大怪我を負わせた。そのたくらみに気づいたB・Jは、一計を案じて映画人たちを逆にトリックにかける。
217 コレラさわぎ
1978/6/12 「週刊少年チャンピオン」
空港で医師団と出会ったB・Jは、友人に誘われ酒に付き合った。しかしその直後、医師団の中でコレラが発生したというニュースを聞く。自分も感染したかもしれない。それを恐れたB・Jは自分で自分を隔離した。一方、B・Jの家ではB・Jの帰りを待っていた患者が意識を失って倒れ、危険な状態になっていた。しかしB・Jは帰れない--。
218 山手線の哲
1978/6/19 「週刊少年チャンピオン」
山手線きってのスリ、哲の仕事ぶりはまさに指先の芸術だった。しかしその哲がやくざ者に両手の親指と人差し指を切断されてしまう。長い付き合いの警部は哲の芸術的な指技を守るため、B・Jに手術を依頼する。
219 戦争はなおも続く
1978/6/26 「週刊少年チャンピオン」
長い戦争が続くその国では兵士になることが何よりも名誉だと思われていた。その母親も息子を立派な兵士にしたい。なのに息子は椎間板ヘルニアで起き上がることも出来ない。母親はB・Jに治療を頼むのだが、B・Jは「戦争で殺すために命を助けてどうする!」と母親を叱りつけた。
220 カプセルをはく男
1978/7/3 「週刊少年チャンピオン」
飛行機の中で苦しがっている男を診察したB・Jは、男が胃の中から薬のカプセルを次々に吐き出すのを見た。水に溶けないカプセルに入れられていた薬、それはモルヒネだった。どこかの医者が麻薬をこういう方法で密輸しているらしい--。
221 黒潮号メモ
1978/7/10 「週刊少年チャンピオン」
マニラからカヌーでひとり旅に出ようとしている日本の大スター。この冒険はテレビ局がバックについた大掛かりなものだった。しかし彼はスタート直前に車で事故を起こし、相手の車に乗っていた心臓手術を終えたばかりの少年はショックで死んでしまう。B・Jは冒険を中止して、子供の両親に謝罪しろと迫るのだが……。
222 ピノコ・ミステリー
1978/7/17 「週刊少年チャンピオン」
ひとり留守番をしていたピノコは、B・Jの机の中にあった一通の手紙を読み始める。それにはピノコ出生の秘密が延々と綴られていた。ピノコはさるテロリストの娘で、幼い頃、爆弾の暴発に巻き込まれてバラバラになったのだと記されている。ピノコは実の親がいると知って会いに行くのだが--。
223 もらい水
1978/7/24 「週刊少年チャンピオン」
狭い敷地に立つその病院は、入院患者が多くて部屋が足りない。だから満室になると院長は自分の母親の部屋まで病室にしてしまう。そのせいで居場所がなくなってしまう母親は仕方なく山奥の掘っ建て小屋に泊まった。その夜、大地震が襲い、老婆が小屋に寝ているのを知っていたB・Jは、彼女の救出に急いだ。
224 密室の少年
1978/7/31 「週刊少年チャンピオン」
自動車事故で車椅子の生活となってしまった少年。彼を診察しようとする医者はみんな逃げ出してくる。聴診器もメスもみんなねじ曲がってしまい、壁からは本が襲いかかってくるのだ。B・Jはこれは少年の精神エネルギーが引き起こすサイコキネシスだと見て取る。そしてB・Jと超能力少年の戦いが始まる。
225 動けソロモン
1978/8/14 「週刊少年チャンピオン」
ピノコがプールで溺れた。助けてくれた青年はアニメーターだった。本格的なフル・アニメーションの動画を500枚も描いてプロダクションに届けると、こんな膨大な動画は使えないと突っ返された。落ち込んだ彼はプールで気晴らしをしようとして、溺れてしまう。今度はピノコが助けた。診察したB・Jは彼が思った以上の重病だと知る。
226 ポケットモンキー
1978/8/21 「週刊少年チャンピオン」
深い霧の夜道でB・Jはひとりの男を轢いてしまう。男は死んでいた。警察に届け出たB・Jは殺人容疑で逮捕された。男は二度も轢かれた上に持ち金三百万を盗まれていたのだ。身に覚えがない、と抗弁するB・Jだが警察は信じない。真相を知っているのは死んだ男が可愛がっていたペットのポケットモンキーだけのようだ。
227 刻印
1978/8/28 「週刊少年チャンピオン」
子供時代の親友、間久部がB・Jを訪ねてきた。間久部はフランスの暗黒街でのし上がるため、髪や目の色を変えていた。そしていま指紋を変えるためB・Jの技術を頼ってきたのだ。B・Jは願い通りの手術をしてやる。しかしB・Jは間久部の部下が仕掛けた爆弾で吹っ飛ばされてしまう。秘密を知るB・Jを葬ろうとしたらしい。
228 台風一過
1978/9/11 「週刊少年チャンピオン」
台風が直撃した夜、B・Jは15才の清純派アイドル歌手の子宮外妊娠の手術をする羽目になった。本当は一刻も早く台風が真上を通過する我が家に戻って、怖がっているはずのピノコのそばにいてやりたいのだが、手術は極秘で行わなければならず、機材も輸血用の血液も足らない。しかも停電になってしまう。今夜は帰れそうもない。
229 人生という名のSL
1978/9/18 「週刊少年チャンピオン」
ガランとすいているSLにひとり揺られているB・J。が、気づくとこのSLには思い出深い人々が乗り合わせていた。唯一の恋人だった如月恵。安楽死専門のキリコ、そして命の恩人の本間先生……。B・Jは美しいレディとなったピノコとも出会う。この人生という名の列車はまだ終点には行き着かないようだ。
230 身代わり
1979/1/15 「週刊少年チャンピオン」
雪の降る真っ白な世界に現れた黒ずくめのB・Jをみて、少女は「悪魔だ」と思った。だがB・Jはこの雪景色の病院の院長になりすまし、院長の身代わりとしてオペをするためにやってきたのだ。オペをする患者はこの少女の母親だった。少女はどんな奇跡を演じても「悪魔」としか思われない「天使」もいるのだと学ぶことになる。
231 復しゅうこそわが命
1979/ 1/22+29 「週刊少年チャンピオン」
パパが持ち帰った鞄には時限爆弾が仕掛けられていた。テロリストが鞄を間違えたのだ。「鞄をあけるな」と告げた男は「ブラック・ジ--」と名乗りかけて電話を切る。その直後、鞄が大爆発する。電話に出ていた娘以外の家族全員が爆死。自分を救った医師がB・Jという名だと知った娘は、彼こそ犯人と思い込み復讐を誓う。
232 虚像
1979/4/30 「週刊少年チャンピオン」
B・Jは小学校の同窓会に出席していた。恩師を迎えての賑やかな式になったが、唯一、クラス全員に慕われていた志摩先生だけが欠席だ。訊くと病気らしい。B・Jはクラスのみんなに頼まれて、先生の治療に向かう。しかし、B・Jが尋ねてみると、あこがれの先生は重度の麻薬中毒患者となり果てていた。
233 骨肉
1979/9/24 「週刊少年チャンピオン」
B・Jの父親が脳卒中で危篤となった。急いで父のもとへ向かったB・Jだったが、腹違いの妹は遺産目当てだとB・Jをなじる。しかしB・Jが欲しいと思っているのは自分と母を捨てた男の残した金などではなく、別のものだった--。
234 再会
1980/2/4 「週刊少年チャンピオン」
アキラはトラックで女性を撥ねてしまう。病院に運ばれた彼女を手術したのはインターン時代のB・Jだ。一命をとりとめた女性は記憶を失っていてアキラが暮らしの面倒をみる。やがて二人の間に愛が芽生えたある日、女性は記憶を取り戻しアパートを飛び出して行った。そしてふたりは思わぬ形で再会することになるのだが……。
235 話し合い
1980/9/15 「週刊少年チャンピオン」
どんな生徒でも対等に話し合うことが出来れば必ず心が通じ合うはずだ。その教師はそう信じていた。自分自身が学生時代に、どんな痛めつけてもひるまない教師と出会ったことがあった。いま、乱暴な生徒にリンチを受け、B・Jに救命治療を受けながらも、彼は自分の信念に間違いはないと信じていた。
236 されどいつわりの日々
1980/12/1 「週刊少年チャンピオン」
人気アイドルが事故で全身麻痺状態になった。プロダクションはB・Jに別の娘の顔をこのアイドルとそっくりに整形してくれと頼んでくる。しかしB・Jはアイドル本人の麻痺を治すオペを敢行する。しかしアイドルの体は動かない。彼女には治ろうとする気持ちがまったくなかったのだ。
237 B・Jそっくり
1982/1/1 「週刊少年チャンピオン」
大金を支払えば、どんな病人でも治す奇跡の医者。そんなB・Jにそっくりな医者がいた。その医者がひとりの老婆を植物状態のまま何年も生き長らえさせているのを知ったB・Jは、その金さえ貰えるなら命を永らえさせてやる、という態度を見て、はじめて自分自身を客観的に見つめた。しかし彼とB・Jにはひとつだけ違いがあった。それに気づいたB・Jは--。
238 過ぎさりし一瞬
1982/6/11 「週刊少年チャンピオン」
傷アレルギーのタクシー運転手を調べたB・Jは、背中に銃撃された傷があり、それを見事に処置した外科手術の痕を発見した。自分より見事な腕を持つ外科医がいる。それを知ったB・Jは居ても立ってもいられなくなり、その外科医を探す。探した末にたどり着いたのはエル・サルバドルの教会だった。
239 流れ作業
1983/1/14 「週刊少年チャンピオン」
ろくに問診もしないまま流れ作業で回診している医者は、最近患者が減っていることに気づいた。どうやら隣街にB・Jの診療所があるせいらしい。勝手にそう思い込んだ医師は、B・Jに文句を言ってくる。しかしB・Jは患者のために親身にならない医師自身が悪いのだと取り合わない。
240 短指症
1983/1/21 「週刊少年チャンピオン」
脳のすぐ近くに腫瘍がある子供。彼を治すため大金持ちの父親は世界中の名医を訪ねたが誰もが手術不可能と匙を投げていた。B・Jは手術を引き受けたが、その夜、やくざ者が乱入してきて、オペを失敗させなければ命はないと脅してきた。この脅しこそが世界の名医たちを及び腰にした真相だと見て取ったB・Jは--。
241 笑い上戸
1983/6/10 「週刊少年チャンピオン」
中学校時代のB・Jには、ひとり妙に気に障る旧友がいた。その男は笑い上戸で、いつも楽しそうに笑っている。屈託のない笑い声が、B・Jには苛立ちを募らせた。しかしそんな笑い上戸の友は、親が夜逃げして以来、天涯孤独の少年だった。マンガ家になりたいという夢を持つ旧友はしかし、借金取りに襲われて……。
242 オペの順番
1983/10/14 「週刊少年チャンピオン」
西表島へ向かう船の中、密漁されたイリオモテヤマネコが船内に逃げ出し、乗客の赤ん坊に牙を立てた。驚いたハンターが思わず発砲。弾はイリオモテヤマネコと西表島開発を進める代議士にあたった。居合わせたB・Jが迷わず代議士の治療をいちばん最後に回したことで訴えられるのだが……。