進化した鳥が、やがて人間を支配するという架空の未来を描いたSFです。
ある日、地球の鳥類が急に知能を持ち始め、人間を襲って、地球の支配者になってしまいました。
それは実は、はるかな宇宙の鳥類に属する高等な宇宙人による策略でした。
鳥たちは人類を家畜としてあつかい、人類の文明を引き継いで、国家、法律、貨幣制度、階級を持つ高度な文明を作っていきますが、それは人類の歩いた道を再びなぞることでもあったのです。
やがて鳥たちの間に、肉を食べる種族と、虫や穀物を食べる種族の対立が生まれ、争いのたえない社会になっていきました。
そのころ宇宙では、再び地球の支配者を別の生物に変えようという議論が始まりました。そして選ばれた新たな支配者となる生物とは……。
1971/03-1975/02 「SFマガジン」(早川書房) 連載
この作品が掲載されたのは、コミック雑誌ではなく、SF専門誌「SFマガジン」でした。 手塚治虫は、この作品以前にも「SFマガジン」に、『SFファンシーフリー』(1963-1964年)というショート・ショートを連載したことがありますが、今回は本格的な長編を目指して執筆が始められました。 毎月7ページの連載ですが、掲載誌がSF専門誌ということで、毎回、熱のこもった内容の作品となっています。 海外からのファンレターも届き、そうした外国人読者も意識して、絵も西洋風にバタくさく、擬音にも英文を使ったりしています。