切り絵作家として有名な百鬼丸は、その名からもわかる通り、手塚治虫の熱狂的なファンなのだそうで、この短編アニメには他の仕事の依頼を全部、断って参加しました。わら人形にささっていた妖剣、村正。それを手にした武士は、その切れ味を試そうとわら人形を見かけるたびに、次々に斬りつけて行きます。しかし切られると同時にわら人形は人間の姿に変わって行くのです。そんな物語を通して、核の均衡の上で保たれている現代の平和に対する警鐘を鳴らしている、これはそういう作品です。
(C)手塚プロダクション
第2回広島国際アニメーションフェスティバルに公開/8分44秒/パートカラー
手塚プロダクション/1987年8月21日
原案、構成、演出:手塚治虫
キャラクターデザイン:百鬼丸
レイアウト:もとのりゆき、長谷川昌治
音楽:藤舎呂悦、藤舎雄峰
美術:石津節子、宮本清司
背景:斎藤雅巳、高遠和茂
作画:小林準治
仕上:藤田理香
プロデューサー:清水義裕