1969年
【解説】
反戦フォークソング集会に参加する弟。それを取り締まる側である機動隊員の兄。台風で両親を失い、ちからを合わせて生きてきた兄弟の間に溝を作ったのは皮肉にも平和を願う心だった。
雑誌『週刊少年サンデー』1969年8月24日号に掲載された読み切り作品。この年の春、東京の新宿駅西口で若者がギターを片手に反戦フォークソングを歌う「フォークゲリラ」という集会が自然発生的に始まった。その人数は週末ごとに数を増やし夏前には7000人にも達した。しかし7月18日、東京都は機動隊を動員して若者たちを強制排除。集会はわずか半年足らずで終息してしまったのである。そんな時代背景をライブでとらえて描かれた作品。