虫ん坊

第30回 手塚治虫文化賞贈呈式のもよう

2026/06/15

朝日新聞社が主催する漫画賞・手塚治虫文化賞の第30回贈呈式が有楽町朝日ホールにて開催されました。

今年で30回目となる今回の受賞作は以下の通り。

マンガ大賞 『本なら売るほど』(KADOKAWA) 児島青さん

新生賞 サイトウマドさん 『怪獣を解剖する』(KADOKAWA)
 突き抜けた設定の中でエンタメ性と社会性を両立させた高い技量に対して

短編賞 『あたらしいともだち かわじろう短編集』(マガジンハウス) かわじろうさん

特別賞 武田一義さん『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』(白泉社)
 マンガ本編と映画版が見せた戦争表現の新境地と、戦後80年の年に放った反戦平和の力強いメッセージに対して


○マンガ大賞 児島青さん

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 受賞スピーチでは受賞作『本なら売るほど』の本屋さんという舞台について、まさに作品中に描かれる様々なキャラクターたちを通じて描かれたように、「出会いの場でもあり、居場所でもあり、逃げ場ともなる場所。作品を読んで、本屋さんに立ち寄ってみよう、と感じてほしい」と語った児島青さん。
 手塚治虫はマンガ家にとって家系図の上のほうに書かれた、共通の祖先の名前のような存在であり、その名前を冠した賞を受けたことには戸惑いもありながら、「描き続けるしかない」という気持ちの転換があった、とのこと。これからの意気込みも交えてスピーチされました。


○新生賞 サイトウマドさん

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 前回の第29回手塚治虫文化賞で短編賞を受賞された榎本俊二さんに単行本の帯の推薦文をいただいたご縁がある、というお話から、瀬戸大橋の橋脚がそびえる与島の情景のお話を目に浮かぶような表現で語られたサイトウマドさん。受賞作『怪獣を解剖する』は、「怪獣」とは何を意味するのか? を探る作品だったのではないか、とご自身でも改めて考えてみたとのこと。現実のありふれた風景が驚きをもってとらえる感性に根差した受賞作を読むことで、よむ側にもふと、何かの風景を見た瞬間などに作品を思い出してもらえたら、と語りました。

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 なお、新連載も決定しており、次のテーマは「幽霊」とのこと。怪獣とともに昔から人気のある「異形」を、どのように描き出されていくのか、目が離せません。

○短編賞 かわじろうさん

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大きなテーマを追いすぎていて、いつしかマンガが描けなくなっていた、というかわじろうさん。マンガ教室に通いなおし、小さなテーマや自分の感じたことをマンガで伝えてみよう、と考えを変えたそうです。

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考え方も、感じ方も違う他人に、描きたいことが「伝わる」ことそのものに着目することで、改めてマンガ表現そのものの幅や深さ、面白さに気づかれたそうです。そうして描かれた作品が受賞作『あたらしいともだち かわじろう短編集』となって結実しました。
何かを表現したい気持ちはありながらもどうすればよいのか分からずに躊躇しているような方にも、勇気をもらえるようなスピーチでした。 


○特別賞 武田一義さん

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10年前、戦後70年に天皇のペリリュー島訪問をきっかけに「戦争を知らない世代の戦争マンガ」である受賞作『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』を描き出した、という武田一義さん。なぜ描こうかと思ったきっかけの中には、手塚治虫をはじめとした戦争を体験した世代のマンガ家たちの作品があった、と振り返ります。

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 武田さんは戦争について、戦災当事者ではないから描いてはいけない、ということはないと考えています。すでに10年、外伝を含めて描き続け、映画化まで育った受賞作ですが、「これからも『戦争を知らない』マンガ家たちが戦争を描きつないでいくことになるのでは」と話されました。
 受賞作は描かれる過酷なドラマとは裏腹に3頭身の親しみやすいキャラクターが印象的。これは、小さい子供にも読んでもらえるような工夫の一つだそうです。この絵柄を好意的に受け止められることが多く、作品を読んだ小学生からもメッセージをもらったこともあるそうで、そうした子供たちが将来何かのきっかけで、おなじように戦争マンガを描いてみようと思ってくれたら、本作品が本当に成功したのだ、と言えるのでは、と思いを語りました。


受賞された皆様、ほんとうにおめでとうございます!


○記念トークショー『素顔の手塚治虫』

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休憩をはさんでのトークショー、今年は30回を記念して、『素顔の手塚治虫』と題して手塚治虫について楽しく紹介するショーとなりました。

登壇したのは選考委員からトミヤマユキコさん、矢部太郎さん、ゲストに毛塚治虫ことガリットチュウの福島善成さん、そして、手塚るみ子です。

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 トミヤマユキコさん

「手塚治虫の好物は?」「怖いものは?」など、エピソードを交えながらご紹介。

その後、登壇された方から手塚るみ子に、手塚治虫についての質問が。

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矢部太郎さん

「手塚治虫の娘でよかったこと・嫌だったこと」「マンガのアイディアはどうやって出すのか?」などなど、答えが気になる質問が飛び出しました。

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毛塚治虫...こと、ガリットチュウ・福島善成さん

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手塚るみ子

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第30回 手塚治虫文化賞についてはこちらに詳しく紹介されています。
受賞作品はもちろん、ノミネート作品いずれも傑作ぞろいです。

ぜひ読んでみてください。

URL:https://www.asahi.com/special/tezukaosamu-culturalprize/2026/


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