安楽死を医療の一環と見做し、ブラック・ジャックと対立しつつも安楽死に対する確固たる信条を貫く姿が印象的なドクター・キリコ。
ブラック・ジャックの最大のライバルであり、根強いファンの多いキャラクターの一人です。
手塚治虫デビュー70周年記念企画として、キリコを主人公としたトリビュート作品『Dr.キリコ〜白い死神〜』が始動し、現在別冊ヤングチャンピオンで好評連載中です。
10月20日には、満を持して1巻が発売されます!
今月の虫ん坊では1巻発売を記念し、キリコをフィーチャーするとともに、『Dr.キリコ〜白い死神〜』をご紹介します!
ブラック・ジャックの対となる存在として登場したドクター・キリコ。医師でありながら非合法な世界で医療活動を行いますが、ふたりには決定的な違いがあり、作中ではライバルとして度々物語に登場します。
ブラック・ジャックがメスをふるい、どんなに深刻な病であろうとなんとしても患者を助けようとするのに対し、ドクター・キリコは患者に安らかな死を与えることを目的としているのです。
キリコを語るうえではずせない要素である、彼の軍医という過去。軍医として野戦病院に赴いたとき、彼の目の前に広がるのは、重症を負いながらも死に切れず苦しむ戦士たちの姿でした。みずから死を求める患者に安楽死を施すキリコ。苦痛から開放され、感謝しながら死んでいく患者たちを見続けているうちに、安楽死に対して「医術的に手の施しようがなく、生きることを望まない患者への救済行為として行う最終手段」という信条を築き、以後、安楽死を生業にしていきます。
かくして、ブラック・ジャックとドクター・キリコ、2人の黒い医者は、お互いの信条をぶつけ合いながら対立を繰り返すのです。
登場話は9話と決して多くはない回数でありながら、『ブラック・ジャック』を語るうえではかかせない存在になりうるほど、読者の心に印象を強く植え付けたキリコ。今一度、彼の活躍を振り返ってみましょう。
「恐怖菌(原題:死に神の化身)」
初出:週刊少年チャンピオン1974年10月28日号
ベトナム戦争で使われた兵器を持ち帰るための輸送船の中で細菌兵器から菌が漏れ出し、船員達は謎の皮膚病にかかってしまった。
新種の細菌兵器による汚染事件を世間に広まることを恐れた政府は、B・Jに多額な医療代と事を明らかにしないことを引き換えに、極秘で手術を依頼する。
しかし、B・Jのほかに、そこにはもうひとりの医師、安楽死を専門とするドクター・キリコの姿があった。
記念すべき、キリコ初登場の回。ページ半分を要し描かれた登場シーンは、白い死神と形容するに相応しい、怪しくも只者ならぬインパクトを感じる姿である。
顔の描写も安定していないのか、どこか劇画調なのも不気味度アップ。
「ふたりの黒い医者」
初出:週刊少年チャンピオン1975年1月6日号
頚椎を損傷した女性患者に安楽死を頼まれたキリコ。子供たちに苦労をかけるよりは、と彼女は安楽死を望む。
一方で、女性患者の息子と娘は、ブラック・ジャックに母の治療を依頼したのだった。こうして、「どんなに苦しく難しい病であっても、必ず救う」、「助かる見込みのない患者は、安らかに生を終わらせてやるのが医者のつとめ」と互いの信念を掲げ、ふたりの黒い医者は相見えることとなる。
2回目の登場ではキリコの過去も描かれ、安楽死を生業にしたその理由が明かされる。
安楽死を施された重症患者が感謝しながら息を引き取るという情景は、いまでもキリコの心に深く刻みついている。それが、彼が安楽死を“治療”と見なす理由なのだ。
「弁があった!」
初出:週刊少年チャンピオン1975年6月30日号
ドクター・キリコの父親が縦隔気胸という難病におかされた。
5年もの間必死に治療を施したキリコだったが、原因となる空気の漏れる穴がどうしても見つからず、やむなく安楽死をさせようと決意する。それを知ったキリコの妹であるユリが、ブラック・ジャックに治療を依頼する。
この話では、今まで私生活や家族構成すべてが謎に包まれていたキリコの家族が登場。
肉親の前では、死神もひとりの息子として懸命に尽くすのであった。
毛の量が兄妹そろって多いのは、きっと父親ゆずりなのだろう。
「浦島太郎」
初出:週刊少年チャンピオン1976年1月12日号
大正13年に発生した炭鉱での爆発事件の被害者であるCさんは、当時の少年の姿のまま55年間昏睡状態が続いていた。
病院の依頼によりキリコが安楽死を行うと知ったBJは、安楽死を阻止するためにCの手術に臨む。
オペにより蘇生に成功したが、目覚めたCさんに起こったのは……。
安楽死が合法的に認められていないことに不満をもらすキリコ。
世界では安楽死が法的に認められている国もあるが、現在の日本では認められていない。
「最後に残る者」
初出:週刊少年チャンピオン1976年6月21日号
西ドイツで6つ子が誕生した。6人のうちに元気があるのは、最後に産まれた子どもだけであった。しかし、その子どもは胎児の姿のままで生まれてきたのだ。
5人の子供が次々と亡くなる中、胎児の姿のまま育てることができないと判断したハンブルク国立総合病院のニッシェ医師は、その子を安楽死させようとキリコに依頼する。
しかし、それを許すことのできなかったB・Jは、亡くなった子供たちの肉体を一部ずつ移植し、胎児の姿の子供を正常な体にしようとメスを振るう。
(B・Jの告げ口により)安楽死装置が税関にひっかかるキリコ。安楽死を決行させまいというB・Jの根回しにより、一時牢屋のなかへ……。取り乱すキリコがなかなかに貴重なひとコマ。
「99.9パーセントの水」
初出:週刊少年チャンピオン1976年11月8日号
キリコがまた患者を安楽死させようとしていると、またもユリがB・Jを訪ねてきた。 とある無人島まで連れて行かれたB・Jが見たのは、病床に隔離されたキリコの姿だった。キリコは、ベトナムで感染した謎の菌の拡散を防ぐために、自分自身を安楽死させようとしていたのだ。
安楽死に自身を投じることすらもいとわないキリコだったが、抵抗するも、BJにより手術を受けることに……。
一命を取り留めたキリコが兄妹ゲンカを繰り広げているこのシーン。
普段はクールな死神も、家族の前では違った表情をみせた。微笑ましくもみえる兄妹ゲンカを、B・J先生は冷ややかな様子で見守るのであった。
「死への1時間」
初出:週刊少年チャンピオン1977年6月20日号
ナチスがユダヤ人を殺すために開発したとされる、使用後の証拠が一切残らない毒薬を手に入れたドクター・キリコ。
安楽死で使用するはずが、何者かによって毒薬が盗まれ、心臓病に苦しむ主婦が薬と誤って飲んでしまう。薬を摘出するためにキリコとB・Jが必死にオペに臨む。
「ふざけるな。おれも医者のはしくれだ」「命が助かるにこしたことはないさ・・・」
可能性があるのならば、できるだけ命を救いたい。冷徹な死神が人間味溢れるホンネをこぼすシーンが印象的だ。
このエピソードのナイスキリコといえば、上記のセリフを呟くシーン、ラストシーン以外に、あえてこのコマをチョイスしたい。
ブラック・ジャックと話し込んでしまい、うっかり大切なカバンを盗まれたことに気づいたときの、このリアクション。意外にウッカリ屋??
「小うるさい自殺者」
初出:週刊少年チャンピオン1977年11月21日号
ビルから飛び降り自殺を図った少年・タカシをB・Jが救った。しかし、タカシは助けられたことに激怒したのだ。どうしても自殺したいと言う少年を連れてB・Jはドクター・キリコの医療施設にむかう。
重度の肝炎のため安楽死を待つ千代子と触れ合ううちに、本当の死というものを実感するとともに、恋心を抱いたタカシは、キリコに千代子の安楽死を取りやめるよう安楽死装置を壊して妨害する。
大切な安楽死装置が壊され、B・Jに損害賠償を求めるキリコ。商売道具がなくなり、ラストシーンではだいぶ閉口したようすだった。ちなみに装置のほかには毒物注射で安楽死させる方法が登場している。
「人生という名のSL」
初出:週刊少年チャンピオン1978年9月18日号
B・Jは不思議な夢を見た。夢の中で乗り込んだSLには、かつての恋人であった如月恵、安楽死を専門とするドクター・キリコ、恩師である本間先生……B・Jの人生において重要な人々が乗っており、皆がB・Jに語りかけてくるのだ。
夢の中でも、キリコは断固として安楽死の美学を突きつける。B・Jの人生にも重要人物としてキリコという存在がしっかりと刻まれているのだろう。
原作/手塚治虫 脚本/藤澤勇希 漫画/sanorin
手塚治虫デビュー70周年特別企画として始動した、キリコに焦点を当てたトリビュート作品。
『ブラック・ジャック』が連載終了し、今もなお読み継がれる長い歴史の中で、キリコが主役となる派生作品が描かれるのは、この『Dr.キリコ 〜白い死神〜』が初めてのことなのです。
別冊ヤングチャンピオン2016年5月号より連載開始、現在好評載中です。10月20日の1巻発売に備え、今回は『Dr.キリコ 〜白い死神〜』の読みどころをご紹介します。
『Dr.キリコ 〜白い死神〜』は、舞台を現代にうつし、医学の限界の先に“安楽死”という信念を持って果たすべき役割を担うキリコの姿を描くストーリーとなっています。
彼の安楽死に対する「医術的に手の施しようがなく、生きることを望まない患者への救済行為として行う最終手段」というスタンスは原作とかわらず、その信念を依頼者へと提唱していきます。
患者の望む安楽な死を与えるためにその使命を果たすキリコの姿は、安楽死のエキスパートとしてブラック・ジャックと対立するあのドクター・キリコを現代に投影しています。
1話が約30ページの読み切りである本作ですが、そこにはキリコの謎に包まれた私生活や安楽死業に焦点をあてストーリーが展開していきます。
依頼人に面会し、依頼内容を尋ねるところから始まり安楽死決行、そしてその後の展開。 そこには原作では描かれることのなかった、ドクター・キリコと安楽死を望む患者自身、そして関与する人々とのヒューマンドラマが繰り広げられます。もしかしたら、ブラック・ジャックが活躍していたその陰で、キリコはこんな風に仕事をこなしていたのではないでしょうか。
新たな切り口でキリコの人物象に迫る、『Dr.キリコ 〜白い死神〜』、ぜひ一読してみてはいかがでしょう。
脚本を手掛ける藤澤勇希さん、作画を担当しているsanorinさんから、虫ん坊へコメントをいただきました。貴重なキャラクターラフも特別にお見せしちゃいます!
脚本・藤澤勇希 さん
漫画家。脚本家。漫画家としての代表作に、『BMネクタール』『レギオン』(いずれも秋田書店より発売)などがある。
漫画・sanorin さん
主にWebでの漫画連載を経て、今回『Dr.キリコ〜白い死神〜』作画をを務める。
手掛けた主な作品に、CAPCOM「ブレスオブファイア6」コミカライズ(Web連載)、CAPCOM「戦国BASARA」シリーズオフィシャルアンソロジーコミック、『咆哮!島津十字』などがある。
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連載の依頼を受けた時のお気持ちはいかがでしたか。
藤澤: 編集さんから『Dr.キリコ〜白い死神〜』のお声を掛けていただいて、そのとき思ったのは、「オレじゃダメだろ!?」もっと実力もネームバリューもある作家さんで喜んで引き受ける方は多勢いらっしゃるでしょうから…。
ただ、これを逃したら手塚先生の作品とお仕事できるチャンスはやってこないと思い、僭越ながら是非に、と。結果『キリコ』のご縁もあって『三つ目がとおる』のリメイク脚本も担当させていただける運びとなりました。幸せすぎて涙がでます。(『三つ目黙示録〜悪魔王子シャラク〜』チャンピオンREDで連載中です!そちらもどうぞよろしく!)
sanorin: あの、『ブラック・ジャック』に出てくるキリコの漫画!? そして何と幸運な事にweb連載も終わったばかりでスケジュールもあいている!
「やらせていただきます」(即答)
そして即答したものの、その後、私なんかが描いていいんだろうか…と言うドキドキ感でいっぱいでした。
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キリコを主人公としたトリビュート作品ということですが、原作『ブラック・ジャック』でのキリコの印象をお聞かせください。
藤澤: ブラック・ジャックの影とよく言われますが、神の手を持ち得ない現実的な医者が最大限生命の尊厳を守り抜こうとした姿こそが、キリコなのではないでしょうか? そういう意味では、両者は天才と天才になり得なかった同一の人物といえると思います。
sanorin: 安楽死業をやっているのは、人を救いたいためなのか自分が救われたいためなのかわからないですが、ブラック・ジャック先生と似て非なるものと言うか、とても魅力的なキャラクターだと思います。
「弁があった」のお話で、キリコは5年間も人を安楽死させるという行為を続けながらも、父親の病気を治そうと必死だったのか…と想像すると、色々グッとくるものがありました。
俗な言い方で申し訳ないのですが、「弁があった」は私にとってキリコに対する“萌え”が満載のエピソードですね。
あと、最後にキリコがブラック・ジャックに平手打ちされたのが結構衝撃的でした! 先生に叩かれた!!!
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本作品は、原作『ブラック・ジャック』におけるキリコの人物設定がかなり生かされていると感じました。 原作では登場回が意外にも少なく、キャラクターとしても背景に不明点の多いキリコですが、原作のイメージをどのようにふくらませて脚本を書かれているのでしょうか。
藤澤: 先程も言ったように、ある意味、キリコはブラック・ジャックであると考えています。患者を前に神の手を持たない自分が為し得る最善は何か? キリコの行動原理をそこに置くことは心掛けています。
キリコファンの皆さんが気になるであろうキリコの過去については、この先機会があれば描きたいと思っています。
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キャラクターのデザインについてですが、キリコのビジュアルをリメイクするにあたり原作をご自身でどのように研究し、デザインへ取り入れたのでしょうか。
sanorin: 原作のあやしげな感じの面影を残しつつ、少しかっこよく、でもかっこよくなりすぎず……というのを出したいと思って描いていますが、さじ加減がとても難しいです。今でもずっと試行錯誤です。
あと、眉を黒のままにするか、眼帯との区別がつきやすいように白にするかでとても迷いました。
結局、眼帯に眉がかかった時に同化してしまわないように白にさせていただきました。
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キャラクターを描くときのこだわりや気をつけていることなど、聞かせください。
sanorin: 誰が読んでも読みやすく、キャラクターの動きや表情をやわらかいものにしたいです。
私はすぐ固くなってしまいがちなので…。 キリコは特にクールで表情が微々たるものなので、微妙な表情を出せるように気をつけなければいけないなと思います。
藤澤: sanorin先生の作画は美しく、全編に渡って私の表現したいことを的確に描いていただいています。脚本を手掛けている身としては、読者の皆さまにキリコという人物が心から生命を尊重していることを感じていただけるように、そこに気をつけて書いています。
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好きな手塚作品、キャラクターを教えてください。
sanorin: サファイア(『リボンの騎士』)です。どういう経緯で観たのか覚えていないのですが、私が初めて好きになった手塚先生のキャラクターだと思います。
男の子として生きるサファイアがかっこいいな〜って思って憧れていました。ぬいぐるみじゃなくてラジコンを買ってもらうような子供だったので。
藤澤: 私にとっては、間違いなく漫画=手塚先生です!作品でいえばやはり『火の鳥・鳳凰編』でしょうか。速魚には泣きました。
とはいえ、幼少期メルモちゃん(アニメ版)の変身シーンで何かが目覚めたのは確かです……。
sanorin: 手塚先生のキャラクター達を観ていたのはもっぱらアニメで、実は先生のマンガはあまり読んだことがありませんでした。マンガだとお小遣いで買わないといけなかったので…。
『リボンの騎士』や『メルモちゃん』、『鉄腕アトム』など、アニメはごく自然な感じで触れてきました。
スペシャルものだと『フウムーン』や『マリン・エクスプレス』を観たなー…などと記憶してます。
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最後に、『Dr.キリコ 〜白い死神〜』への意気込みと、虫ん坊読者そしてキリコファンへ一言お願いします。
藤澤: 安楽死をテーマに物語を作るというのは予想以上にキビしい作業ですが、手塚先生が作られたルールの中で遊ばせていただいているような喜びを感じております。
手塚先生及びファンの皆様に、「ナメとんのか」と叱られぬ様、微力を尽くしてまいりますので、これからもどうかよろしくお願い致します。
sanorin: とても奥深いキャラクターのキリコの魅力をちゃんと出せる作画ができるようにがんばりたいと思います!どうぞよろしくお願いします。
編集・市川 さん
秋田書店ヤングチャンピオン編集者。
『ヤング ブラック・ジャック』『Dr.キリコ〜白い死神〜』両作品の編集を手掛ける。
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手塚治虫デビュー70周年記念として始動した連載ですが、なぜ今キリコを主人公とした企画があがったのでしょうか。
市川: キリコは、実は登場回数はそんなに多くはないのですが、ブラック・ジャック最大のライバルと言われ、非常にインパクトの強いキャラクターです。
「人殺し」のような負の印象を持たれることも多いキリコですが、彼なりの「安楽死」に対する信念や美学は、現代にこそ通じるのではと感じたところから企画があがりました。
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『Dr.キリコ 〜白い死神〜』はキリコの設定は原作に沿った内容にするとあらかじめ企画段階で考えられていたようですが、それはなぜですか。
市川: 先にも述べたよう、キリコは「人殺し」のようなイメージで語られることも多いキャラクターですが、原作に登場した中では患者を助けることもあり、「命が助かるにこしたことはない」とも語っています。 そういった原作にある彼の安楽死に対する姿勢が魅力的だからこそ、そこを表現していきたいという思いが強かったため、原作の設定を濃く反映させようと考えました。
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脚本・藤澤さん、漫画・sanorinさんというタッグはどういういきさつで決まったのでしょうか。両氏を指名した理由をお聞かせください。
市川: 藤澤先生は、パニックアクション作品を多く描かれていまして、その作品はいずれも読者の予想を超えたアイデアを多分に盛り込みながら、物語として非常にまとまりがあり読み応えがあります。
今回の、このキリコを主人公とした作品は1話読み切り形式でいこうというのが当初からの考えとしてありました。そして原作『ブラック・ジャック』でキリコが登場するお話には、どんでん返しがあるものが多くなっています。そういったキリコの作品のイメージに、藤澤先生の作るお話が合うのではと思いました。
作画に関しましては、藤澤先生のネームが完成し、その作画を担当していただく方を色々と探している中で、sanorin先生のしっかりとした表現力や、描くキャラクターの魅力がピッタリだと感じオファーいたしました。
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『ヤング ブラック・ジャック』、『Dr.キリコ 〜白い死神〜』両作品の編集をご担当されていますが、手塚作品をリメイクし現代に発信していくことについて、編集部としてはどのような意義を感じていらっしゃるのでしょうか?
市川:『ヤング ブラック・ジャック』では、元来の『ブラック・ジャック』ファンに加え、手塚治虫先生の作品を読んだことのない若い世代の読者や、掲載誌であるヤングチャンピオンを今まで読んでいなかった女性読者にもアプローチできました。これをきっかけに、手塚先生の他作品やヤングチャンピオンの他作品を読み始めたという方の声を聞くのは非常に喜ばしいです。
『ブラック・ジャック』は今でも常に読まれ続けている作品ではありますが、その魅力的なキャラクターを現状にあわせリメイクし活かし動かすことにより、さらに時代を超えて生き続け、より多くの方の目に触れてくことになれば、と思っています。
著者: 手塚治虫 / 藤澤勇希 / sanorin
定価:本体 562 円+税
発売元:ヤングチャンピオンコミックス
発売日:2016年10月20日
『Dr.キリコ〜白い死神〜』1話試し読みはコチラ!