みなさん、9月1日は「防災の日」です。関東大震災や、伊勢湾台風のあったこの日には、万が一の災害に備えて、学校などで防災訓練が行われますよね。
手塚作品の中にも、災害を題材にしたサスペンスがいくつもありますが、その中でも最後の「じんとくる」度が半端じゃない作品をご紹介します!
皆さんも、災害への備え、もう一度見直してみてくださいね。
(手塚治虫 講談社刊 手塚治虫漫画全集『地球の悪魔』あとがき より)
解説
(前略)
「大洪水時代」は短い作品で、「おもしろブック」の別冊付録についたものです。ぼくはノアの箱舟伝説が好きで、どうもいろんな作品に出したがるのですが、これにも箱舟が出てきます。「日本沈没」の洪水版のようなストーリーは、その頃読んだ何かの記事に、「もし北極の氷が全部解けると、何十メートルか水位が上がって、東京一帯は水の下に沈没する」というのがあって、それをヒントにしたのでした。
<Amazon:地球の悪魔 (手塚治虫漫画全集 (9))>
どんなに怖いもの知らずの
日本軍の技師を務める
大災害という、だれにも逆らえない状況において、切羽詰った人間はどんな行動を、そしてどんな心の動きを見せるだろう? この作品はそんな問題にも一つの答えを見せていて、特に脱獄囚たちの心の動きの変化はなかなかに興味深いものがあります。意外な人物が意外な面を見せたりしているので、そんなところにもご注目ください。
そしてやはり、じんとくるラストシーンは必見。サスペンスとすがすがしい感動の両方を味わえる名作です。