11月7日(土)渋谷シダックスホールで開かれた「手塚治虫ファン大会2009」。今年初の試みとして、ファンの方による手塚治虫をテーマにした研究発表が披露されました。
虫ん坊では、研究発表をされたお二人のファンにインタビュー、研究発表後の心境などを聞きました。
1月号では、「手塚少女マンガのナゾ」のタイトルで発表をした扇谷正敏さんのお話を紹介します!
手塚マンガのジャンルというのは数多くありますが、今回は、とにかく色彩と構図がきれいな少女マンガをちょっと調べてみたんですね。それで、作品リストを作ってみたら手塚治虫の少女マンガというのは、意外と少ないという発見があったことがひとつ。また発表作品が昭和34年ごろを境にして、ぷっつりとなくなっているということで、年表を作ってみたら、これは森晴路さんも言っている名言なんだけど、作品リストというのは立体的なものだ、というわけですよね。作ってみたリストを立体的に見て、今回は深さを切り口に読んでみようと。作品の数が少ないから、割と網羅もしやすいしね。手塚の作品についてはいろんな人が数多くの解説をしているけれども、少女マンガに限って、述べているひとが少ないもんでね。
でもやっぱり、半分が掲載時のままで完全な復刻がなされているということは、やっぱり手塚プロとか、関係者の方が気にして、力を入れて、大切にしているところなんでしょうね。原稿がカラーだったということもあるのでしょうけど。もともとは5倍ぐらいの分量がある解説文だったんですけれども、資料室の森さんも登壇する中で、15分で、森さん、田中さんを取り込みながら喋るというのは、ちょっと大変でした。
それと、今回の発表についていろいろ参考になる、ご協力いただいた「少女クラブ」編集者の丸山昭さんが、わざわざ僕の発表を聞きにこられたということで、ちょっと緊張しましたね。
ええ。発表したいことはいくらでもあるんだよね。だから、手塚ファンマガジンのほうに出していこうかな、とも思っているんだけど、題材がちょっと長くなるかなと思います。
またがあったら、ぜひやってみたいですね。
今年の春からやっているNHKの「週刊 手塚治虫」でゲストにベストテンを書かせるのをやっているけど、皆さん書きにくそうだよね。ジャンルと名作が多いので一言というのは難しい。私個人の好みを強いて言えば、日本古代史の手塚作品は好きです。「火の鳥」のうちのいくつかがその舞台ですね。
手塚マンガを読むこと、手塚マンガを集めることが、趣味だということはとても素晴らしいことだと思います。なので、その趣味を自信を持って続けなさい。また、「同好の趣味を持つ全国のテヅカニアンよ、団結せよ!」ということですね。
ファン大会後のお時間をいただき、ありがとうございました! 手塚少女マンガの美しい図版を交えての発表、手塚作品への愛が伝わってきました。
2ヶ月にわたってのファン大会研究発表者へのインタビュー、いかがでしたでしょうか? 今回はこのような企画が初の試みでしたが、発表者にも皆さんにも楽しんでいただけたようでよかったです!
僕も/私もこんな研究をしています! という方、虫ん坊では365日、あなたの研究発表を大歓迎、お待ちしております!
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