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鉄腕アトム

1952/04-1968/03

サブタイトル

1 アトムの両親(原題:無題) 1952/04/01 「少年」

ロボットのアトムは、人間と同じ小学校へ通うようになった。でも、せっかくもらった成績簿を見せる親もいない。 寂しがるアトムに、お茶の水博士は、ロボットの両親を作ってプレゼントする。 しかし、生まれたばかりでまるで世間知らずの両親は、アトムと同じ小学校へ通うことになる。

2 気体人間の巻 1952/05-1952/10 「少年」

アトムのクラスメートのタマオが、いきなり平気で盗みをする少年になってしまった。 お茶の水博士がタマオの体を調べると、タマオの体にはガス状の生物が取りついていた。 そのガス状の生物とは、成層圏から地上乗っ取りのためにやってきた気体人間だった。 気体人間は、人間に寄生して人間を操り、飲料水となる貯水池に毒を流す。 その水が流れるのをくいとめようと、アトムは水道管をせき止める。 だが人々は、そんなアトムの意図を知らず、アトムを爆弾でこわそうとする。

3 フランケンシュタインの巻 1952/11-1953/04 「少年」

人間たちが管理をなまけていたために、ロボット製造工場で、怪物ロボット・フランケンシュタインが生まれてしまった。 町で暴れるフランケンシュタイン。 それを機会に、人間たちにしいたげられていたロボットが、いっせいにクーデターを起こす。 アトムは、フランケンシュタインに誘拐されたタマオを救おうとしてクーデター組織の本拠地へ乗りこむが、反対に、タマオの命とひきかえに、命令に従うよう脅迫される。 そうしている間にも、人間たちのロボットに対する反感は高まっていた。 アトムは、ロボットの名誉をかけて立ち上がる。

4 赤いネコの巻 1953/05-1953/11 「少年」

開発によって武蔵野の自然が失われていくことに怒ったY教授は、赤いネコと名のり、その開発を妨害する。 だが、それでも開発をやめないため、Y教授はついに最終手段に出た。 町中の犬やネコ、そして動物園のゾウや鳥までをもあやつって、町を破壊しはじめたのである。 Y教授の幼なじみのお茶の水博士には、彼の武蔵野を愛する気持ちが痛いほどわかっていた。 だが、だからといって、Y教授のしていることは許されることではなかった。

5 海蛇島の巻(原題:アトム赤道をゆくの巻) 1953/08 付録 「少年」

タマオたちといっしょに海水浴にやってきたアトムは、手紙の入ったビンが、いくつも流れついているのを見つける。 手紙には、囚われの身となっている誰かが、助けをもとめる内容が描かれていた。 その手紙が気になったアトムは、夜中にこっそりと家をぬけだし、その手紙に描かれていたポチョムポチョム島という名の島を探して、南の海へ飛ぶ。 するとそこには、ロボットの海ヘビに船を沈められ、海底工場で働かされているたくさんの人々がいた。 手紙は、そこにとらわれている少女ルミコが流したものだったのだ。

6 空飛ぶ摩天楼の巻 1953/12/01 「少年」

300人乗りの大型旅客機・空飛ぶ摩天楼号の出発が近づいていた。 これには、アメリカへ招かれたアトムとお茶の水博士も乗ることになっていた。 ところが、その乗組員たちは、出発前に悪人とそっくり入れ替わっていたのである。 空飛ぶ摩天楼号は、賊たちによって、原爆実験がおこななわれる予定のB島へと機首を向けられた。 しかし頼みの綱であるアトムは、切符をなくしたためにエネルギーをぬかれ、荷物として倉庫に入れられていたのだ。

7 火星探検の巻(原題:火星隊長の巻) 1954/01/01 「少年」

アトムがアメリカへ招かれたのは、火星探検隊の隊長になってもらいたいというモス博士の依頼によるものだった。 アトムはその任務を引き受けたが、ロボットが隊長になることに反感を持つ部下の存在や密航者の出現など、その前途は多難だった。 そしてようやく到着した火星で、アトムたちを待ち受けていたのは、第1次探検隊の生き残り・レンコーン大尉がひきいる、ロボット隊の攻撃だった。

8 コバルトの巻 1954/06-1954/09 「少年」

日本の近海に、時限爆破装置付きの水爆を積んだジェット機が墜落した。 アトムはその回収を頼まれる。 しかしアトムは、困ったことがあるとすぐに頼りにされるのを重荷に感じて、家出をしてしまう。 お茶の水博士は、仕方なくアトムの弟ロボット・コバルトの完成を急いだ。 だが完成したコバルトは、アトムほど手先が器用ではなかったため、時限装置の解除という複雑な作業はとても無理だった。 そこで、コバルトのオメガレーダーを使ってアトムを探させたところ、アトムはすでに海底で水爆を探し続けていたことがわかる。 しかし、爆発のタイムリミットは刻一刻と迫っていた。

9 サンゴ礁の冒険の巻 1954/08/15 夏休み大増刊号 「少年」

ロボットのアトムには怖いという心がない。 そこでアトムは、お茶の水博士に頼んで、2日間だけ、怖がる心を取り付けてもらった。 ところが、ちょうどそこへ、幽霊船を調査してほしいという依頼が舞いこむ。 アトムはビクビクと怖がりながらも赤道方面へ調査に向かい、問題の幽霊船を発見した。 調べてみると、その船は、実は水爆実験の実験台にされたかわいそうな動物たちが乗せられ、漂流していたものだった。 アトムは、さらにほかにも実験の危機にさらされている動物がいると知り、助けに向かおうとするが、怖くてどうしても行くことができない。 と、ちょうどそのとき、お茶の水博士が設定した2日間の期限が過ぎた。 アトムに再び勇気がわいてくる!

10 ZZZ総統の巻 1954/09-1954/12 「少年」

世界各国の要人が、ZZZ(スリーゼット)総統と名のる男に毒ガスを浴びせられ、つぎつぎと頭をマヒさせられていた。 その攻撃は、来日中だったリヨン大統領の息子・ロベールにも向けられたが、偶然、そこに居あわせたアトムに救われる。 ロベールは、父の行動に疑問を持ち、父の飛行機に忍びこむが、すぐに見つかってしまう。そしてその行く先は、ZZZ総統のアジトだったことを知る。 父・リヨン大統領は、ZZZ総統と手を組む約束をとりかわしていたのだ。 一方、アトムもそのアジトに潜入し、ひそかに様子をうかがっていた。 そしてまもなく、リヨン大統領とZZZ総統の、意外な関係が明らかになる。 ゲスト ロベール/ロック・ホーム

11 電光人間の巻 1955/01 付録 「少年」

透明なロボット電光が、悪人スカンク・草井によって盗まれた。 まだ善悪の判断をもっていない電光は、その透明な体を利用して、スカンク・草井の手下となって次々と悪事を働く。 アトムは、そんな電光に、いいことと悪いことの違いを教えようとする。 そして、電光の体にコールタールを塗ろうとするが、電光はその途中で逃げてしまった。 スカンク・草井のところへ戻ってきた電光に、草井は爆弾を持たせ、お茶の水博士の研究所に投げこんでくるように命じた。 アトムは電光と会って爆弾を渡すように説得するが、電光はどうしても聞き入れようとしなかった。 ゲスト スカンク・草井/スカンク草井 クズ鉄/ハム・エッグ

12 ゲルニカの巻 1955/01/15 お正月大増刊号 「少年」

ある科学者が、食料危機を解決する目的で、巨大化なかたつむり・ゲルニカを生み出した。 ところがゲルニカは凶暴化し、逆に人間を襲いはじめた。 街を破壊し、暴れ回るゲルニカに、もはや人間に打つ手はないと思われたそのとき、アトムがある秘策を思いつく。

13 若返りガスの巻(原題:生きている隕石の巻) 1955/02-1955/09 「少年」

南アルプスの駒ケ岳に落下した隕石に、生き物を若返らせる若返りガスが含まれていることがわかった。 そのガスを奪おうとたくらむ悪人たちが、じゃまなアトムと、アトムの弟のコバルトを戦わせ、どちらも壊してしまおうと計画する。 そしてロボット同士のレスリング=ロボッティングに出場したアトムとコバルトは、相打ちとなって両方とも壊れてしまう。 ところが、これでじゃま者はいなくなったと安心した悪人たちの前に、覆面をした謎の少年が現われた。

14 冷凍人間の巻(原題:なぞの冷凍人の巻) 1955/07/01 「少年」

アトムは、マヤ遺跡の発掘の手伝いをたのまれて、メキシコへやってきた。 しかし、目的のピラミッドには、国王の墓を守るスフィンクスのロボットとカニ型のロボットがいた。 アトムたちが、カニ型ロボットを倒し、ピラミッドの奥へ入ってみると、そこには、冷凍装置の中で人口冬眠を続ける科学者がいた。 スフィンクスとカニ型ロボットは、この科学者を守るために作られたものだったのだ。 ゲスト ムッシュウ・アンペア/ムッシュー・アンペア ドン・ペレス・プラド博士の弟/レッド公 ドン・ペレス・プラド博士/レッド公 アセチレン・ランプ/アセチレン・ランプ

15 黄色い馬の巻(原題:人工衛星W47の巻) 1955/10-1956/02 「少年」

世の中に、とつぜん"黄色い馬"という麻薬が流行しはじめた。 アトムは警察からたのまれて、人間の少年に変装し、密輸団マボロシクラブのアジトへ潜入する。 アトムが無線で送ってきた情報によって、密輸団のメンバーはつぎつぎに逮捕された。 ところが、かんじんの首領が見つからない。 実は、密輸団の首領は、宇宙空間に浮かぶ人工衛星を本拠地としていたのだ。 さっそくアトムは人工衛星へ乗りこんだ。 するとそこには、お茶の水博士が黄色い馬を注射され、麻薬中毒となってとらえられていた。

16 アルプスの決闘の巻 1956/01/01 「少年」

アトムは、人間のように、音楽や花を美しいと思う心を欲しがり、お茶の水博士に人造心臓を取り付けてもらう。 しかしその装置を付けると、美しさを感じる心と同時に、恐怖心までそなわってしまうのだった。 アトムが弱虫になったことを知った悪人が、アトムの両親を誘拐し、アトムを倒そうとする。 アトムは、怪物ロボットを目の前にして、おじけづき、身動きできなくなってしまう。 そこへ、アトムのクラスメートのケン一と四部垣が、アトムを助けにやってきた。

17 アトラスの巻 1956/03-1956/07 「少年」

インディオのラム博士は、白人に母親を殺された怨みから、ロボット・アトラスを作った。 アトラスに"オメガ因子"を組み込み、白人に復讐をしようと考えたのだ。 オメガ因子というのは、ロボットに悪の心を持たせる装置だ。 しかし、アトムがそのたくらみをじゃましようとしたため、アトムを捕え、アトラスにアトムそっくりの首をつけて暴れさせる。 ところが、オメガ因子を組み込んだアトラスは、ラム博士の言うことさえきかなくなってしまう。

18 テスト・パイロットの巻 1956/09/01 「少年」

ある夜、お茶の水博士の家に、突然、22世紀から来た時航機(タイム・マシーン)が不時着する。 中にはひとりの科学者が乗っており、科学者は、時航機のテスト中に21世紀に止まってしまったと言った。 そうこうしているうちに、科学者は時航機をふたたび発進させ、アトムとお茶の水博士も乗せて、紀元前1億年の時代に到着した。 そこは、恐竜がのし歩く前世紀の世界だった。

19 ミドロが沼の巻(原題:美土路沼事件の巻) 1956/08-1956/11 「少年」

ミドロ沼に怪物が棲んでいるといううわさが広まり、アトムが調べてみると、そこには、知性を持った恐竜たちが繁殖していた。 恐竜たちは、時航機(タイム・マシーン)に密航して、前世紀から現代へやってきたのだった。 恐竜の吐く毒液を浴びると、人間は恐竜たちの命令通りに動くようになってしまう。 アトムは、恐竜を捕え、お茶の水博士に毒液の秘密を調べてもらって恐竜たちを倒そうとする。 ところが恐竜たちは、人間に作らせた巨大ロボットで攻撃をしかけてきた。

20 ロボット爆弾の巻(原題:□□□□からきた男の巻) 1956/12-1957/08 「少年」

その昔、海底に捨てられたロボット爆弾が、勝手に動き出し、仲間を増やして、海底に王国を築き上げていた。 ロボット爆弾たちは、人間たちを倒し、やがて地上に出ることを計画していた。 アトムとタマオは、そのロボット爆弾に誘拐され、海底へ連れていかれる。 アトムは、ロボット爆弾たちに、人間と和解するよう説得する。 そしてその説得は受け入れられたのだが、こんどはメイスンという悪人が、ロボット爆弾を利用しようとたくらんでいた。 ゲスト メイスン/メイスン

21 幽霊製造機の巻 1957/01/01 「少年」

独裁者ヒトーリン首相が支配するゴルゴニア連邦で、幽霊製造機の開発が進められていた。 幽霊製造機というのは、生物の体を、空気中の分子と合成してそっくりコピーしてしまう装置である。 その完成には、日本のお茶の水博士の力が必要だと知ったヒトーリンは、お茶の水博士を誘拐して、強制的にゴルゴニアへ連れてきた。 アトムは、お茶の水博士を救出するために、ロボット法を破り、ひそかに日本を出て、ゴルゴニアへと飛んだ。 そこでアトムは、ヒトーリンの政策に反対して抵抗運動を続ける、プラチナというロボットと知りあう。 プラチナは、ヒトーリンに幽霊製造機を作らされているパブロス博士によって作られたロボットだった。

22 ブラック・ルックスの巻 1957/09/01 「少年」

ロボットの富豪ばかりを狙う強盗団が現われた。 その首領はブラック・ルックスと名のる謎の男である。 アトムは、ブラック・ルックスを追って、ヒゲオヤジ先生と一緒に、南極近くにあるオーロラ山へと向かった。 その国では、ロボットたちは、人間からひどい差別を受けていた。 そして、ブラック・ルックスは、母親をロボットに殺されたために、ロボットをうらんでいるのだということを知る。 だがその先には、ブラック・ルックスも知らない、もうひとつの真実があった。

23 ふしぎなボールの巻(原題:浮遊生物エロス族の巻) 1957/10/01 「少年」

アトムのクラスメートのケン一が、南米移民でブラジルへ行くことになった。 ところが、ケン一たちが到着した開拓村は、何者かによって跡形もなく消されていた。 その現場落ちていたふしぎなボールは、ケン一によって日本に送り届けられた。 しかし実はそのボールは、宇宙の小惑星を食べて生きているエロス人の信号玉だった。 エロス人は、地球を食べつくすためにやってくる計画だったのだ。 そして、信号玉に呼び寄せられて、エロス人の本隊が地球へやってきた。 どんなものでも食べてしまうエロス人に、弱点はないのだろうか!?

24 スーパー旋風の巻 1957/12/01 「少年」

鉄のかたまりを巻きこんで荒れ狂う超大型台風が、日本へやってきた。 実はそれは、墜落してきた人工衛星が巻き起こした台風だったのだ。 台風を消すためにあらゆることが試みられたが、どうしても消すことができない。 そこでアトムは、三原山を爆発させてその爆風で台風を吹き飛ばすというアイデアを思いつく。

25 十字架島の巻(原題:十字架大陸の巻) 1958/01-1958/04 「少年」

科学省のお金を使いこみ、刑務所へ入れられていた戸沢博士は、脱獄して十字架島へ向かった。 十字架島は、ウラニウムや金の採掘をしている鉱山の島で、そこには大勢のロボットたちが暮らしていた。 そしてその島のロボット学校には、戸沢博士が未完成のまま残してきたロボットのプークもいたのだ。 戸沢博士は、アトムを壊し、その部品を奪ってプークを完成させる。 プークは、ライオンや鳥など、いろいろな姿に変身できるロボットだったのだ。 けれども、そこに悪人・金三角が現われ、プークを利用して悪事を働こうとする。 ゲスト アセチレン・ランプ/アセチレン・ランプ 四角四面/ハム・エッグ 金三角/金三角

26 天馬族の砦の巻 1958/05-1958/07 「少年」

北海道から、鈍 栗太郎(どん くりたろう)という怪力少年が御茶ノ水小学校へ転校してきた。 その日から、街に光る白い馬を見たといううわさが広まり始める。 実はその馬は、栗太郎を追って北海道からやってきた、天馬族のヌウという宇宙人だった。 ペガサス座を故郷とする天馬族は、大昔から地球へ来ており、かつては人間の友だちだった。 しかし今では、ごく限られた子どもとだけ接触をもっていたのだ。 ところが、その天馬族を金もうけのたねにしようと、悪人たちが動きはじめた。 アトムは子どもたちと協力し、ヌウを自分の家へかくまってやることにした。

27 マッド・マシーンの巻 1958/08-1958/09 「少年」

ロボット議員のコルト氏によって、1ヵ月に1日、ロボットが休める「ロボットの日」が制定された。 しかし、そのことをこころよく思わない人間たちが、フーラー博士から、マッド・マシーンという機械を買った。 マッド・マシーンは、電磁波によって、あらゆる機械を狂わせてしまう装置だった。 しかし、装置はときどき、3分間だけ動きを止める。 お茶の水博士は、アトムに、その3分間の間に、マッド・マシーンを破壊するように命令した。 ゲスト フーラー博士/フーラー博士

28 コウモリ伯爵の巻(原題:ミイラ伯爵の巻) 1958/09-1959/01 「少年」

宇宙の果てで、反陽子爆弾の実験をやろうとしたペダン博士は、失敗して死に、宇宙へ流された。 しかし博士は、ブズブズ星人という宇宙人に再生されて生き返り、地球へ帰ってきた。 博士は、タマオたちを誘拐し、アトムも、溶解液で両足を溶かされて身動きができなくされてしまう。 そんなアトムのために、フーラー博士は、アトムの意志で自由に動くミニアトム人形を作ってくれた。 だが、フーラー博士は、その裏では、1億円でペダン博士に協力するという密約を交わしていたのだった。 ゲスト フーラー博士/フーラー博士

29 キリストの目の巻(原題:七つの影法師の巻) 1959/01/01 「少年」

ある教会に7人の賊が押し入り、神父が殺された。 手がかりは、神父が殺される間際に、キリスト像の目に刻んだ謎の記号だけだ。 ヒゲオヤジ先生は、その記号から、ある工場を割り出し、そこへ忍びこんだ。 すると、案の定そこには悪人たちが集まっていた。 彼らは教会で、ひそかに殺人ロボットを作っていたのだった。 ゲスト 神父/レッド公

30 イワンのばかの巻(原題:月のうらの秘密の巻) 1959/02-1959/03 「少年」

宇宙ロケットが遭難し、アトムと5人の乗客が救命艇で脱出、月へ不時着した。 最初は、そこはまったくの死の世界かと思われたが、太陽がのぼると、凍っていた空気が溶けて人間も生きられることがわかった。 そしてそこには、はるか昔に遭難したソ連のロケットが朽ち果てていて、イワンという旧式のロボットがいた。 イワンは、主人だったミーニャ中尉が死んだあと、ひとりでロケットを守っていたのだった。 ゲスト 救助ボートの乗客のひとり/ロック・ホーム

31 エジプト陰謀団の秘密の巻 1959/04-1959/08 「少年」

エジプトにクレオパトラの生まれ変わりと自称する女王が現われた。 だが、その正体は、エジプト陰謀団のバリバリー博士が作ったロボットだった。 クレオパトラは、ひょんなことからアトムの手に渡ってしまった王位を継ぐための証しである首飾りを取り戻そうと、日本へやってきた。 アトムはクレオパトラの部下の石像ロボットに腕をもぎ取られ、絶体絶命のピンチとなる。 するとそこへ、帽子で顔を隠した謎の科学者が現われ、アトムを救った。 アトムのことを「わしのアトム」と言う、その科学者の正体は……!!

32 ガデムの巻 1959/08-1959/09 「少年」

たまたまアトムが乗りあわせた豪華客船を、巨大なムカデ型のロボットが襲い、乗客から金品を強奪する。 ところが、船員たちが駆けつけてみると、ムカデロボットは、まるで煙のように消えていた。 一方、船には、悪人たちにロボットを売りつける死の商人メフィストと、謎の47人の男たちが乗っていた。 彼らとムカデロボットには、何か関係があるのだろうか。

33 人工衛星SOSの巻(原題:小惑星SOSの巻) 1959/08 夏休み大増刊号 「少年」

アトムのクラスメートのゲンチンは、父親が宇宙の灯台である人工衛星110号の信号係であることを四部垣たちにからかわれ、落ち込んでいた。 そんなゲンチンにやさしく声をかけてきた男がいた。 実はその男は密輸団の一味で、人工衛星110号を乗っ取って、密輸の足場にしようとたくらんでいたのだ。 アトムはそれを知り、ゲンチンを助け出して、人工衛星110号へ向かい、悪人をやっつける。 だが、そんなおり、宇宙航路に向かって小惑星群が近づいていた。 至急、危険信号を打たなければ、航行中の宇宙船が大事故にあう。 ゲンチンは、負傷した父に替わって危険信号を打ち続けた。

34 地底戦車の巻(原題:鬼火仮面の巻) 1959/10-1959/11 「少年」

ヒゲオヤジの乗った飛行機が何者かに墜落させられ、ヒゲオヤジは、砂漠の真ん中に放り出されてしまった。 それを救ったのは、地底戦車に乗った謎の男だった。 彼は、世界征服をたくらむサボルスキー将軍の部下だったが、地底戦車が悪用されることを知り、戦車を盗み出して逃げたのだ。 しかし戦車に爆弾をしかけられ、戦車は地下2千メートルのところで立ち往生してしまう。 ヒゲオヤジは、アトムを呼び寄せることのできるオメガ感応器を使って、アトムに助けを求めることを思いついた。

35 人工太陽球の巻(原題:火の壷島の巻) 1959/12-1960/02 「少年」

北太平洋のあちこちで、船が太陽のような火の玉に襲われるという事件が相次いだ。 そこでICPO(国際刑事警察機構=インターポール)は、イギリス諜報部からシャーロック・ホームスパンを招き、アトムと一緒に事件の捜査にあたってもらうことになった。 しかしホームスパンは、ロボットが大嫌いだった。 一方、アトムは、お茶の水博士の謎の行動を追跡するうち、海の上で問題の火の玉に遭遇する。 その火の玉の正体は、巨大な人工太陽球だった。

36 宇宙ヒョウの巻 1960/02-1960/04 「少年」

ある日突然、あらゆるエネルギーを吸収してしまう雪が降った。 エネルギーが強かったアトムだけは、かろうじて止まらずに済んだが、そのアトムの前に、6本足のヒョウの怪物と謎の男が現われた。 実は、その男とヒョウの怪物は、宇宙からやってきた、自由自在に姿を変えられるアメーバ状の宇宙生物だったのだ。 宇宙生物にまともに立ち向かったのでは、いくらアトムでもエネルギーを吸い取られてしまう。 ところが、そこに今まで見たこともない巨大なロボットが現われ、宇宙ヒョウと戦い始めた。 しかもその巨大ロボットは、いくらエネルギーを吸われてもいっこうに平気だった。 果たして、このロボットの正体は……。 ゲスト フーラー博士/フーラー博士

37 透明巨人の巻 1960/05-1960/07 「少年」

ある日、家庭用の立体テレビ受像機から透明な怪物が現われて大騒ぎになった。 その怪物の正体は、物質電送機の実験中に装置を壊され、元の体に戻れなくなってしまった花房理学士だった。 花房は、自分の体をウッズ博士の元へ電送しようとしたのだが、ウッズ博士は、装置の完成をねたんで装置を壊してしまったのだ。 花房は、同時に電送した魚・ウサギ・ロボットと混ざり合い、理性を失った怪物となっていた。

38 ウランちゃんの巻(原題:1/2人間の巻) 1960/08-1960/09 「少年」

アトムの妹のウランが、興味本位からロボット同士の試合=ロボッティングに出場し、勝ってしまった。試合が面白くなったウランは、学校へ行きたくないと言い出す。 するとそこへ雪杉博士という科学者が現われ、「学校と試合の両方に行かれるように、きみを改造してやろう」と言い出した。 アトムはそれに猛反対するが、ウランは夜中に家をぬけだして博士に改造してもらう。 すると翌日、ウランの体が突然、縦に半分に割れ、そこから泡が吹き出してきた。 そしてその泡が固まると、なんとウランが2人になってしまった。 だが、実はこの改造には大きな欠点があった。体が半分になると、力も半分になってしまうのだ。 そうとは知らず、ロボッティングに出たウランに、巨大なロボットが迫る! ゲスト ロボット・ガメランの主人/アセチレン・ランプ

39 ロボット流しの巻 1960/08/15 夏休み大増刊号 「少年」

20世紀の日本には、1年に1度、亡くなった人のことを偲ぶ「お盆」という習慣がある。 21世紀には、それは「思い出の日」という名前になっていた。 亡くなった人そっくりのロボットが3日間だけその家へやってきて、その人の生前の姿を懐かしむのである。そして3日間が過ぎると、ロボットは川へ流される。 アトムは、ヒゲオヤジ先生から、その思い出の日に、ある家へ行ってほしいと頼まれる。 その家の、1年前に突然行方不明となってしまった息子のジロウ少年が、アトムにそっくりだったのだ。 アトムは、そのジロウ少年の部屋で、時航機を発見し、それに乗って過去へ飛ぶ。 そしてアトムは、20世紀の日本で、自分そっくりの少年に出逢った。

40 デッドクロス殿下の巻 1960/09-1960/12 「少年」

グラービア国で、世界初のロボット大統領が誕生した。 その大統領ラグ氏の元から、日本のアトムのところへ使者がやってきて、ぜひグラービア国へ来てほしいという。 実はグラービア国では、ロボットの政権に反対する秘密結社デッドクロスが、政権の転覆をはかっていたのだ。 事件のにおいを嗅ぎ取ったアトムの学校の教師・ヒゲオヤジこと伴俊作は、ひそかにアトムを尾行してグラービア国へ行く。 ところがヒゲオヤジは、グラービア国へ着くなり、デッドクロスに誘拐されてしまう。 なぜデッドクロスは、そんなにロボットを嫌うのか? やがてラグ大統領とデッドクロス殿下の意外な関係が明らかになっていく……。

41 白熱人間の巻 1961/01-1960/03 「少年」

探検家のガストン氏が、アフリカの奥地で宇宙人の乗り物を発掘し、その中からロボットの設計図が見つかった。 お茶の水博士は、ガストン氏の依頼を受け、日本の精密機械局の総力を結集して、そのロボットを制作する。 ロボットはブロンXと名づけられ、あとは首を取り付ければ完成というところまでたどりついた。 しかし、アトムはそのロボットが危険であることを感じ取り、それをお茶の水博士らに必死で訴えた。だが、誰もそれを信用してくれない。 アトムは、仕方なくそのロボットの首を盗み出し、南の果ての孤島に隠してしまう。 するとガストン氏は、首のないロボットを動かし、首を探しに向かわせた。

42 植物人間の巻(原題:アルソア12星人の巻) 1961/01/15 お正月大増刊号 「少年」

吹雪の夜、アトムの家へ遭難者がやってきた。その正体はアルソア12という星から、水を求めてやってきた宇宙人だった。 だが、お茶の水博士の話によると、そのアルソア12星はすでに爆発し、宇宙から消え去っているという。 にもかかわらず、間もなくやってきた宇宙人の本隊は、円盤の大群で、地球の水を吸い上げ始めた。 実は、彼らは1人をのぞいてすべてがロボットで、出発前に受けた命令をそのまま忠実に実行しているだけだったのだ。

43 ホットドッグ兵団の巻 1961/03-1961/10 「少年」

ヒゲオヤジ先生の愛犬・ペロが、何者かに誘拐されてしまった。 ペロを誘拐したのは、ソ連のアンタ・マリア大公妃だった。 アンタ・マリア大公妃はポンコッツ博士に命じて、世界中から集めた優秀な犬をサイボーグに改造し、ホットドッグ兵団を結成していたのだ。 ロボットは悪事は働けない。そこで犬をサイボーグ化して、思いのままに動かすことをたくらんだのである。 そしてペロも、ポンコッツ博士の手によって、すでにサイボーグ44号として改造されていた。 だが、その記憶の奥底には、ヒゲオヤジ先生に対する懐かしい思い出が、わずかに残されていたのだ。 一方アトムは、44号を追跡してアンタ・マリア大公妃の宮殿に潜入し、ホットドッグ兵団結成の本当の目的を知った。

44 熔鉱炉の怪人の巻 1961/08/15 夏休み大増刊号 「少年」

街で青年が連続して行方不明になる事件が起きており、ひとりの若い刑事が、その犯人は、もしかしたら自分の父親かも知れないと悩んでいた。 刑事は、父親が青年の死体らしきものを、溶鉱炉へ投げ込んでいるところを目撃してしまったのだ。 刑事はアトムに、自分の父親が善人か悪人かを判断してほしいと願い出る。 アトムには、善人と悪人を見分ける能力があるのだ。 アトムは、刑事の父親の研究室に隠れて、その真相を調べることにした。 そして明らかになった真実とは……!!

45 第三の魔術師の巻(原題:三人の魔術師の巻) 1961/10-1962/01 「少年」

壁ぬけの魔術で有名な、ロボットの人気魔術師・キノオが、赤野多仁(あかのたにん)という悪人魔術師にさらわれた。 赤野多仁は魔術を悪用して泥棒をはたらいており、その手伝いをさせるためにキノオをさらったのだ。 アトムはそれを知り、キノオを救いだそうとするが失敗。キノオは改造されて、平気で悪事を働くロボットになってしまった。 ロボットに対する批判の声が高まる中、アトムは必死でキノオを説得しようと試みる。 そんなとき、アトムの前に、赤野多仁に改造されたキノオとは別の、もうひとりのキノオが現われた!!

46 宇宙の寄生虫の巻 1962/01-1962/04 「少年」

ある日突然、人間の性格が豹変し、樹木が動き出し、街に巨大ネズミが現われる。 それらは、すべて宇宙の寄生虫のしわざだった。寄生虫は、動物や植物に寄生し、その体を乗っ取って、自由に操ってしまうのだ。 寄生虫は、人類に条件を出してきた。ネズミなど、人類がいらないと思う生物の体を自分たちのために提供しろと言うのだ。 しかし人類は、その申し出を断わり、寄生虫と戦う道を選んだ。 アトムはその先頭に立って戦うが、宇宙からは、寄生虫を乗せた宇宙船の大群が地球に迫りつつあった。

47 ロボットランドの巻(原題:ロボットランドの怪人の巻) 1962/05-1962/09 「少年」

灰戸(はいど)博士が、南の小島にロボットランドというレジャー施設を建てた。 そこでは、さまざまなお伽話や童話の世界が、ロボットによって再現されている。 ところが、そのロボットランドから、アトムの元へ、白鳥ロボットのオデット姫が、助けを求めにやってくる。 実はロボットランドは、ロボットたちにとっては地獄の島だったのだ。 ロボットランドのロボットたちは、大魔王ロボットに支配され、反抗するとすぐに壊されてしまうのだ。 そして、オデット姫を追って、アトムの元へ、その大魔王ロボットが現われた。

48 アトム対ガロンの巻(原題:アトム対魔神の巻) 1962/10-1963/02 「少年」

ある日、地球へ落ちてきた隕石を組み立ててみると、巨大なロボットになった。 そのロボットに添えられていた手紙を、アトムが解読してみると、それは、ある星から別の星へ送られる途中で地球に落ちてきた、ガロンという名前の、星の改造用ロボットだということがわかった。 落雷で目ざめたガロンは、地球を自分が住んでいた星のように改造しはじめる。 岩を溶かし、空気の成分を変えはじめるガロン。そのガロンには水爆さえも効果がなかった。このままでは地球は死の星になってしまう。 そこでアトムは、ガロンを倒すために、ひとつの作戦を思いついた。 ゲスト 天川博士/レッド公

49 白い惑星の巻(原題:黒い惑星の巻) 1963/01/15 お正月大増刊号 「少年」

ロボット自動車・白い惑星は、レーサーである光一の、亡き父が開発した車で、赤道レースに5年連続優勝を果たしている名車だった。 だが今年の赤道レースの直前、白い惑星は、悪人によって破壊されてしまう。 光一は、妹・光子の提案で、お茶の水博士に修理の相談を持ちかけた。 お茶の水博士は、アトムの電子頭脳を白い惑星に搭載すれば、次のレースに出られるという。 そして光一は、アトムの電子頭脳によってよみがえった白い惑星でレースに参加した。 そこへ、ふたたび悪人が妨害をしかけてきた。 すると、そこへ助けに現われたのは、なんと電子頭脳を抜いてあるはずのアトムだった! ゲスト 光一/ロック・ホーム

50 悪魔のハチの巻(原題:ダーマの宮殿の巻) 1963/03-1963/06 「少年」

モンゴルのゴビ砂漠の地下に、超ジンギスカン帝国という謎の国があった。 その国では、子どもたちは10歳になると親元から離され、皇帝陛下のために、働きアリのように働かされていた。 そんな中で、1体のロボットが国を抜け出し、日本のアトムのもとへ、助けを求めにやってきた。 アトムは、さっそく超ジンギスカン帝国へ潜入した。 だが、その動きはすでに皇帝に知られており、アトムは、昆虫ロボットの攻撃を受けて、皇帝の住むダーマ宮殿に捕えられてしまう。

51 ロボット宇宙艇の巻 1963/07-1963/12 「少年」

日本でロボット宇宙艇が開発された。 ロボット宇宙艇は、いくつもの部品がそれぞれ別々のロボットになっていて、全部が合体すると巨大な宇宙艇が完成する。 アトムの号令のもと、ロボットたちは一斉に宇宙へ飛び立っていき、合体した。 ところが、エンジンレバーだけが合体するのを嫌がって逃げている間に、ブロンズ共和国のスパイに盗まれてしまう。 実はブロンズ共和国でも、合体ロボット兵器の研究をしており、日本のロボット宇宙艇の秘密を知りたがっていたのだ。 ブロンズ共和国のポポ博士は、日本のロボット宇宙艇がうまく合体できる秘密は、アトムが指揮官をつとめていることにあると知り、今度は、アトムを連れてくる計画を立てる。 ゲスト バスコム大尉/メイスン

52 悪魔の風船の巻 1963/12-1964/02 「少年」

ある日突然、日本の空に、たくさんのアトムそっくりの風船爆弾が飛んできた。 風船爆弾は次々と人を傷つけ、アトムはみんなから嫌われてしまう。 実はこの爆弾は、ロボット嫌いの東京都知事候補・大福安古(だいふくあんこ)が、悪人スカンク・草井に作らせたものだった。 アトムは、大福に一度は壊されてしまうが、お茶の水博士によって修理され、東京湾の海底に作られた爆弾製造工場を突き止めた。 ゲスト スカンク・草井/スカンク草井

53 地球最後の日の巻 1964/03-1964/06 「少年」

宇宙からひとりの少年が、冷蔵庫のような箱を抱えて地球に降り立った。 実は彼の正体は、ニコロ星人という宇宙人が作った、ベムという爆弾ロボットだった。 冷蔵庫のようなものが爆弾本体で、ベムはそれを動かす手足と頭脳の役割を持っていたのである。 だがベムは爆弾として使われるのがいやで、地球へ逃げてきたのだ。 アトムはベムをかくまってあげるが、そこへニコロ星人たちが、ベムを返してほしいと言ってやってきた。

54 地上最大のロボットの巻(史上最大のロボットの巻) 1964/06-1965/01 「少年」

国を追われた中東の王サルタンが、私財を投げうって、百万馬力のロボット・プルートウを作った。 サルタンは、プルートウこそが真の地上最大のロボットであることを見せつけるために、プルートウを世界中の有名なロボットと戦わせ、相手を次々と破壊してまわる。 スイスのモンブラン、スコットランドのノース2号、トルコのブランド……。プルートウ対策に乗り出したドイツのロボット刑事ゲジヒトも倒された。 そしてプルートウは、日本のアトムにも戦いをしかけてくる。 だがお茶の水博士は、十万馬力のアトムにはとても勝ち目がないと言って、戦うことを禁じた。 くやしくてたまらないアトムは、自分の生みの親である天馬博士に、自分を百万馬力に改造してもらいたいと頼みこむ。 しかし、小さなアトムの体を百万馬力に改造するのは、とても危険なことだった。

55 悪役たちのロボットの巻(原題:無題) 1964/08 「鉄腕アトムクラブ」創刊号掲載 「鉄腕アトムクラブ」

今までさんざんアトムに苦しめられてきた悪人たちが集まり、アトムの持っている7つの威力をそっくり複製したロボットを作った。 ジェット噴射で空を飛び、目はサーチライト、耳の力は人間の1千倍、お尻にはマシンガンを装備している。しかも力は20万馬力。 これなら絶対勝てると自信を持った悪人たちは、アトムを宇宙へおびき出し、戦いを挑んだ。 ところが、このロボットにはアトムと違うところがひとつだけあったのだ。

56 うそつきロボットの巻 1964/09 「鉄腕アトムクラブ」

世の中を騒がせるうそつきロボット少年がいた。 そのうそつきロボットに困り果てた警察は、アトムに彼のことを調べてくれるように依頼する。 アトムはロボットのあとを追いかけてその家をつきとめた。 するとそこには、病気で寝たきりの母親と、その看病をして暮らすひとりの青年がいた。 アトムはそこで、うそつきロボットを作ったのはその青年だったことを知り、さらに青年から、その意外な理由を聞かされる。

57 すりかえ頭脳の巻(原題:井地の巻) 1964/10 「鉄腕アトムクラブ」

アトムの同級生の井地は、学校の成績がいつもアトムに負けて2番であることをねたんで、母親に泣きついた。 過保護な母親は、悪人に頼んで、アトムの電子頭脳を新品と入れ替えてしまった。 電子頭脳が新品になったアトムは、せっかく勉強した知識がなくなり、成績がガタ落ちとなる。 ところが、井地の母親が悪人に十分な報酬を払わなかったため、悪人たちは井地を誘拐してしまった。

58 タイムマシンの巻(原題:無題) 1964/11 「鉄腕アトムクラブ」

お茶の水博士が作ったタイムマシンのテストをするために、アトムがタイムマシンに乗って過去へ向かった。 アトムは、いくつかの時代へ行ったあと、2001年に飛び、天馬博士の息子・トビオが交通事故にあう直前にやってくる。 今にも大型トラックにはねられようとするトビオ。 アトムは、それを見過ごせずに、トビオを救けてしまう。 だがアトムは、天馬博士のひとり息子・トビオが交通事故で死に、その身代わりとして作られたロボットなのだ。 つまりトビオが死ななければ、アトムは作られないことになる。 果たしてアトムは消えてしまうのか!?

59 ジャングル魔境の巻 1964/12-1965/02 「少年」

60 ロボイドの巻 1965/01-1965/05 「少年」

ある日、人間を平気で殺すロボットの怪物・ロボイドが現われ、ひそかに地球征服計画を進めていた。 そのことをいち早く知ったお茶の水博士は、アトムのほかに、世界中から4人の優秀なロボット諜報部員を集め、ロボイドたちの計画をたたきつぶすように命じる。 ロボット諜報部員たちはロボイドと互角に戦ったが、早くもふたりが壊されてしまう。 そして、アトムの元には、妹のウランに化けたロボイドがひそかに迫りつつあった。 しかし、かろうじてその危機を脱したアトムは、地底に作られたロボイドの本拠地に乗り込む。 アトムがそこで知ったロボイドの正体とは……!!

61 ロビオとロビエットの巻 1965/05-1965/09 「少年」

ロボット学者の矢似鳴太(やになった)とロボット技師の井塩春三(いじおはるぞう)は、先祖代々から仲が悪く、それぞれが作るロボットも、お互いに相手のロボットを憎むように作られていた。 お茶の水博士は、そんなふたりを批判するが、両家の争いはますますエスカレートしていくばかりだ。 ところがそんな中、井塩家のロボット青年・ロビオと、矢似家のロボット娘・ロビエットが恋に落ちてしまう。 密かにロビエットに会いにきていたロビオ。 それに怒ったロビエットの兄チボルトは、ロビオを破壊しようとする。 そして、それをやめさせようとしたアトムとチボルトが戦い、両方とも傷ついてしまった。 また、そんな無意味な傷つけあいの中で、チボルトも、自分がなぜ他のロボットを憎まなければならないのか、悩むようになっていた。

62 盗まれたアトム 1965/06-1965/09 「鉄腕アトムクラブ」

瓜二ツ(うりふたつ)博士の提案によって、今後はロボットにも年をとらせようという計画がもちあがった。 ロボットの電子頭脳を、10年ごとに新しい体に入れ替えていくというのだ。 アトムはその実験のために、3日間だけ、電子頭脳を大人になった体に入れてみることになった。 ところが、アトムが大人の体になっている間に、金庫に保管されていた元の体が、何者かによって盗み出されてしまった。

63 青騎士の巻 1965/10-1966/03 「少年」

ある日、人間に平気で逆らえるブルー・ボンというロボットが現われた。 ブルー・ボンは、ロボットを虐待する人間や、人間に味方するロボットを次々と襲いはじめる。 彼は青い鎧(よろい)を身にまとっていたため、青騎士と呼ばれ、恐れられる。 アトムはその青騎士に戦いを挑み、その過程で、青騎士が持っていた1本の剣を手に入れた。 そしてその剣を調べてみたところ、ロボットの中には、その剣を持つと痺れてしまうロボットと、持っても平気なロボットの2種類がいることがわかる。 ロボット嫌いのブルグ伯爵は、その剣を持っても平気なロボットは、人間に逆らう可能性のある危険な青騎士型ロボットであると決めつけ、青騎士型ロボットの逮捕・解体を命令した。 そして、アトムの両親も青騎士型であると判断され、収容所送りにされてしまう。 アトムは、初めて人間に逆らい、両親を連れて青騎士の元へと逃げた。

64 宇宙放送の巻 1965/12-1966/01 「鉄腕アトムクラブ」

ある日突然、夢も見ないはずのロボットが、一斉に幻覚を見るようになった。 中には、幻覚にまどわされて暴れ出すロボットまで現われる。 調べてみると、宇宙からテレビ放送の電波のようなものが発信されており、それがロボットの電子頭脳に影響していることがわかる。 だが対策は見つからず、仕方なく、一時的に全てのロボットのエネルギーがぬかれることになった。 そんなとき、アトムの前に、ナッパと名乗る宇宙人が現われた。 ナッパは、宇宙放送の受信料をもらいに来たのだという。そしてその受信料とは、地球の酸素を半分もらうというものだった。

65 人面岩の巻 1966/02-1966/03 「鉄腕アトムクラブ」

六か町村の丘の上に、人面岩と呼ばれる人間の顔に似た巨大な岩があった。 そして村では、昔から、その岩が西を向くと村が全滅すると言い伝えられていた。 アトムは、その岩がわずかに西を向きかけていることを知り、調べてみると、岩の地下で、悪人・金三角が、古代の財宝の発掘を行なっていた。 金三角が火の玉こぞうというロボットを使って、地下の岩盤を爆破する振動が、人面岩を動かしていたのだ。 そしてついに西を向いた人面岩は、六か町村めがけてころがり落ちはじめた! ゲスト 金三角/金三角

66 アトム復活の巻 1966/03-1966/05 「少年」

青騎士との戦いによって、アトムは完全に壊れてしまった。 お茶の水博士は、科学省の総力をあげてアトムを修理しようとするが、どうしても直すことができない。 最後の手段は、アトムの生みの親である天馬博士に修理を依頼することだった。 しかし天馬博士は、アトムを修理するかわりに、アトムの両親と弟と妹を解体しろという条件を出してきた。 お茶の水博士は、アトムの両親と相談し、やむを得ずその条件を受け入れる。 だが天馬博士は、アトムを、人間のいうことを聞かないロボットに改造しようとたくらんでいたのだった。 そして復活したアトムは、天馬博士の言うことさえ聞かないロボットに生まれ変わっていた。

67 チータンの巻 1966/04-1966/05 「鉄腕アトムクラブ」

68 メラニン一族の巻 1966/06-1966/08 「少年」

天馬博士に直してもらい、人間の言うことをきくのをやめたアトムは、妹のウランと一緒に、ロボットだけの新天地を求めてアフリカへやってきた。 するとそこには、すでにロボットだけで王国を築き、人間を奴隷として使っているメラニン一族のロボット王子ブルボがいた。 ブルボは、ウランが、旅の途中で拾った謎の十字架を胸に入れていたことから、ウランを救世主(メシア)だと思いこみ、宮殿に招き入れる。 一方アトムは、ブルボに倒され、身動きできなくなっていたところを、スパークと名乗る謎のロボットに助けられる。 スパークは、アトムのことも、そして十字架のことも、すべてを知っていた。 実はスパークこそが、その十字架をアトムに渡そうとした本人だったのだ。 だが、それをウランが勝手に胸に入れてしまったのである。 果たして十字架の正体は。そしてスパークの目的はいったい何なのだろうか。

69 ミーバの巻(原題:四次元の少年の巻) 1966/09-1966/12 「少年」

メラニン一族やスパークと戦ううち、アトムは、いつの間にか、また正しい心の少年に戻っていた。 そしてその帰路、アトムと天馬博士は、砂漠の真ん中で、体がみどり色の少年を見つける。 そのミーバという少年は、死にそうな恐怖を味わうと、目の前に過去の空間を呼び寄せられる超能力を持った、ふしぎな少年だった。つまりミーバは、生きたタイムマシンだったのだ。 アトムは、ミーバを奴隷として使っていたダモレスクという男から、彼を救い出した。 だが天馬博士は、ミーバを日本へ連れ帰り、あることをさせようとたくらんでいたのだ。 そのたくらみとは、科学省へ忍びこみ、ミーバに2003年4月7日の空間を呼び寄せさせることだった。 それは天馬博士がアトムを完成させた日時だ。つまり天馬博士は、生まれたばかりのアトムを手に入れたかったのだ。

70 顔のないロボットの巻 1967/01-1967/02 「少年」

月基地で働いていた宇宙開拓用ロボットのダム・ダムは、宇宙船事故によって自分の首を失う。 しかしダム・ダムは、自分の首は盗まれたのだと主張し、ロボット病院を脱走する。 ダム・ダムは、街で出会ったロボットから首を奪っては、自分の体に合わないと、また別の首を探し続けた。 アトムは、そんなダム・ダムを説得しようと試みるが、一向に聞き入れようとはしない。 するとそこへ、本物のダム・ダムの首を付けたロボットG・12号が現われた。 G・12号は、悪人スカンク・草井が、ロボット商人から奪い取った首を付けて作った最強のロボットだったのだ。 ゲスト スカンク・草井/スカンク草井

71 一億年前の犯罪の巻 1967/03-1967/04 「少年」

ある宇宙人が、地球を一億年ぶりに訪れた。 ちょうどそのとき地球では、特別少年院を脱走した5人の不良少年が、強奪した戦車ロボットに乗って暴れまくっているところだった。 宇宙人はそれを見てショックを受ける。実はその宇宙人は、一億年前に地球を訪れたときに、ほんのいたずら心から、猿を改良して進化させてしまったのだ。 つまり人類を生み出したのは、その宇宙人だったのである。 そしてそれは、宇宙の規則に反する重大犯罪だった。 宇宙人は自分の過去の犯罪が発覚するのを恐れて、人類を消してしまおうとする。 それをやめさせようとするアトムに、宇宙人はひとつの条件を出した。 1年の間に、5人の不良少年が改心すれば、人類を消滅させるのをやめると言うのである。

72 ゾロモンの宝石の巻 1967/05-1967/12 「少年」

その昔、金山というひとりの少年が、山の中で1個の宝石を拾った。 金山少年は成長し、やがて大金持ちになった。そして、その宝石「シリウスのしずく」が、自分に幸運をもたらしたのだと信じていた。 だが、その宝石を狙って、ゾロモンと名乗る怪物が、金山の元へ迫っていた。 金山は、アトムを含む4人のロボットをボディガードとして雇い入れる。 だがゾロモンは、怪力の持ち主であるにもかかわらず、攻撃しようとしても、まるで霧のようにスリ抜けてしまい、まったく歯が立たない。 そしてゾロモンは、アトムに向かって意外な秘密を明かした。 それは、シリウスのしずくが実は宝石ではなく、地球のようなひとつの惑星だというのである。

73 火星から帰ってきた男の巻 1968/01-1968/03 「少年」

18年前、地球で18人の人間を殺し、2億円を強奪して火星へ逃げていた凶悪犯ユダ・ペーターが、18年ぶりに地球へ帰ってきた。 しかしすでに時効が成立しているため、捕えることはできない。 堂々と宇宙空港に降り立ったユダを、警官隊はただ見守るしかないのだった。 しかもさらに悪いことに、ユダは火星で、体から強力な電流を発することのできる超能力を身につけていた。 アトムは、そんなユダを、誰も人間のいない北極海へ連れていく。 ところが、ふたりは氷の上で争い、アトムは壊れ、ユダも遭難してしまった。 そのとき、ユダは、みずから最後の力をふりしぼり、体から電気を発して助けを呼んだ。


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