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ストーリー

岩戸景気の総本山、高天原財団ビルで起きた女傑社長怪死の真相は? 『天の岩戸』など、洒落たムードの連作ミステリー。主役は二枚目刑事ゴリさん。七変化の魅力で活躍のミッちゃんは、彼に思いを寄せるバーの女の子。

解説

1959/12-1961/02/16 「別冊週刊漫画TIMES」(芳文社) 掲載

『ケン1探偵長』のケン一君は、いかにも探偵ものの主人公らしいヒーローですが、この『週間探偵登場』の名刑事ゴリさんもまた、隠れた探偵ヒーローと言えるでしょう。とはいえ、本作はおとな漫画として描かれた作品。少年漫画のようにヒーローはいつもカッコいい、と言うわけではなく、ゴリさんも探偵役とはいえ二転三転する事件に振り回されがち。むしろ名探偵の名はゴリさんにひそかに思いを寄せるバー・ウランのミツ子さんにふさわしいものかもしれません。この『週間探偵登場』、週刊の読み切り連載という体裁で、ページ数は少ないながら、どんでん返しあり、ひねりの利いたトリックあり、おまけに当時の世相の風刺まで入っていると言う、非常に盛りだくさんな内容になっています。まさに、かなり「煮つまった」味の濃い作品と言えるでしょう。事件に巻き込まれるのは、決まっておとなたち——大会社の社長から普通のセールスマンまでさまざまですが、一見普通のおとなに見えて、それぞれに裏には事情を抱えています。このおとなたちの「裏の事情」が互いに絡み合うゆえに事件は混迷を極める…、社会派推理小説にも負けないような、おとな社会そのものへの鋭い風刺を盛り込みつつも、そこは漫画、小説のようにどろどろせずに、そんなおとなたちの事情をからりと笑い飛ばしていて、読後感はいたって爽やか。皮肉やユーモアも利いていて漫画らしい愉快なばかばかしさもふんだんに盛り込まれています。手塚治虫流風刺劇が軽い気分で味わえる上に推理小説的からくりも冴えた名短編群、是非ご鑑賞ください。

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  • ひょうたん駒子

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