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虫ん坊 2012年04月号 特集1:NHK BSプレミアム BS時代劇『陽だまりの樹』記者会見のもよう

「陽だまりの樹」記者会見

主演のお二人。左=成宮寛貴さん、右=市原隼人さん。

いよいよ4月6日から放送予定のドラマ、BS時代劇『陽だまりの樹』。
今月の虫ん坊では、3月12日に行われた記者会見の模様をお伝えいたします。
※ 4月号から6月号の3ヶ月連続でBS時代劇『陽だまりの樹』についてご紹介していきますので、お楽しみに!

 関連情報

『陽だまりの樹』ドラマ化決定!NHKBS時代劇にて今春放送開始
NHKBS時代劇『陽だまりの樹』オフィシャルサイト



◆主演の御二人から


市原隼人さん

万二郎役の市原隼人さん。

●役に挑んでの意気込みなど

万二郎役・市原隼人さん
「手塚治虫さんというすばらしい漫画家の原作のもとでお芝居が出来ることにまず、心から感謝します。
 今回初めての武士の役なのですが、その役作りに武士道について学び、武士とは何かを考えました。
 僕は今まで武士というと、意地で人を切ったり、敵討ちをしたり、切腹をしたりなど、荒々しいイメージがあったのですが、いろいろな本を読んでみると、大変深く、武士道が面白い思想だということが分かって来ました。
 たとえば誰かがお茶をこぼしたとき、その方が恥ずかしく思わないように自分もわざとお茶をこぼす、といったような気遣いもまた武士道なのだそうです。封建制度の中で生まれた武士道ですが、その中に生きる忠義には、惹かれるものを感じました。
 今の日本では、忠義について考えることはあまりないのではないか、と思います。たとえサラリーマンでも、たとえば会社のために命を張ったり、すべてを捨ててでも仕えるというような生き方ができるのか、といわれたら悩んでしまいますよね。そういう忠義の精神が、幕末の時代にはまだ生きていたんだと思います。

 成宮さんが演じる手塚良庵とは、友情というよりも、同士ではないか、と思います。言葉だけではなく行動で自分を見せていく、というような関係は、すばらしいと思います。
 この作品の撮影現場には新鮮な驚きが多く、勉強することもたくさんあります。成長の場としてもお借りしながら、精一杯、努力していきたいと思っています」


成宮寛貴さん

良庵役の成宮寛貴さん。

手塚良庵役 成宮寛貴さん
「良庵も万二郎もそうだと思いますが、変化を求められる時代を一生懸命生きた若者たちは、常に上を見て、どうやったら目指している目標に到達できるかを一生懸命考えて行動していたんだと思います。古くからある確執や決まりごとなど、二人はいろいろな壁にぶつかるのですが、諦めないんですよね。どちらかが窮地に陥っても、片方が励ましたりして、二人はよきライバルであり、戦友であり、良い化学反応がおきる関係です。
 良庵は女にだらしがなく、第一話で「もう女は断つ」と言っておきながら次の日にはもう女郎のところにいるような男です。普通、ドラマの登場人物は、話数が進むとだんだん成長していくものですが、良庵はそうでもない。藤尾隆監督に「良庵は成長しないんですか?」と伺ったら、「良庵はそれでいいんだよ」とおっしゃっていました。
 良庵は、とても多面性のある面白い人物です。根本のところで変わらない可愛らしさがあって、やや甘えん坊なところ、チャーミングなところがあるかと思えば、一面ではどこかつかみ所がない、何を考えているのか分からないところもあったりします。また、万二郎よりも年上なので、お兄さんっぽい面を見せるときもあるし、あるスイッチが入るとものすごく一生懸命になって、わき目一つ振らずに集中できるところもあったりします。良庵は1シーン1シーンいろんなチョイスが可能な役で、それが難しくもあり、楽しめるポイントであると思います。
 僕にとっての今回のテーマは、説明台詞です。たとえば、僕が4秒ぐらいの長セリフなのに対し、万二郎は「そうか」だけだったり(笑)。物語を進めてゆく上で説明役は必要不可欠なので、そういうセリフを皆さんに分かりやすく、楽しんで貰えるようにしていきたいです。
 日本は今大変な時代にあります。この作品を今放送できることは、非常に意味のあることだと思っています」


◆Q&A

「陽だまりの樹」記者会見

――ご自身に、演じるキャラクターと似ていると思うところはありますか?

市原: 自分で言うのもなんなのですが、不器用なところが似ていると思います。言葉では上手く説明が出来ず、腹を立てても人に当り散らすのではなく、自分に当たるところなどもそうですね。

成宮: 良庵は、父親が医者だからなんとなく自分も医者になり、何不自由なくなんとなく生きていける人物です。そういうところからスタートしながら、ある目的を見つけた瞬間、そこに向かって爆発的な力を出すところがあります。僕は一時期、何を仕事にしたら良いのかが分からなくて、3年ほどをぼんやりと過ごしていたことがあったのですが、役者という仕事にめぐり合って、一生懸命走り始めた頃の自分と重なるところがあるように思います。

――御二人は初共演となりますが、御互いの印象は?

市原: ユーモアがあって、常に新鮮です。何か楽しみを見つけたり、相手を楽しませたりすることに心を配っていて、居心地が良いです。現場でも、芝居に対する責任感が強く、すばらしい役者だと思っています。

成宮: すごくまじめですね。声も大きいし。いきなり突拍子もないことを言い出したり、ぎりぎりまであきらめずに追求するところがあります。そこがぱっと見には、わがままなように見えるかもしれませんが、つまりは、こだわりなんですよね。僕から見た市原隼人は、こだわりの男です。


「陽だまりの樹」記者会見

――作品の中で好きな人物はだれですか?

市原: やはり、万二郎です。第一印象や、うわさなどから人を判断するのではなく、本当に相手の中身を見ているところがすばらしいと思います。周りの意見には一切関係なく、人を見られる単純さは、現代ではなかなか持てないので、万二郎はすばらしい人物だと思います。

成宮: 前半で登場する、人生を達観していて、いろいろ知り尽くしている人物として、津川雅彦さん演じる藤田東湖先生という方が出てきます。第1話で良庵は、万二郎につれられて、先生に会い、そのお話に深い影響を受けるのです。
 僕は、人生にはいろいろなターニングポイントがあると思っているのですが、そのときに誰が背中を押してくれるのか、誰の言葉を信じるのか、ということが大切だと考えています。作中で良庵が、なぜ自分が医者になったのか、と真剣に考える第一歩を良庵に与えてくれる藤田東湖先生が、僕はとても好きですね。
 また、このドラマの中では伊武谷家と手塚家の家族の団欒の様子がよく描かれます。笹野高史さんと古手川裕子さんが僕の両親なのですが、本当に可愛いお父さんとお母さんなんです。
 僕の役はお母さんにすごく甘えているのですが、時代が進んでいくにつれて、そんな大切な人たちが死んでいったりもします。しかし、それはネガティブな感じではなくて、死をも含めて、次に進むステップとなって、二人の主人公がどんどん前に進んでいくような、そんな力強さがあります。

――市原さんは武士役は初めてで、成宮さんは時代劇のご経験はあっても蘭方医という専門性の高い役ですが、苦労した点などはありましたか?

市原: 苦労はないですが、毎日、覚えることがあり、発見があります。所作一つとっても、現代劇とは違う表現がいろいろあります。腕は組んではいけないとか、もっと背筋を立てなくてはいけない、などといったたくさんの違いはあります。
 殺陣は普通の御芝居と違った緊張感と間合いで、新鮮です。見ている方が気持ちよくなれるような殺陣を目指して、努力します。

成宮: 時代劇ならではの所作の基本は守りながら、感情で動くときはそれを無視しても良いと思っています。特に良庵というキャラクターは武士ではないし、現代的な要素も持ったキャラクターでもあるので、振れ幅が広くて、どこをチョイスするかを選べる分、難しくも感じています。ですから、「このシーンはこうする」というアイディアをいくつか持って挑まないと、現場で困りますね。そういう時には、藤尾監督のアイディアに助けられてもいます。


◆スタッフから

伊武谷万二郎

●制作統括・後藤高久さん(NHKエンタープライズ)

「幕末の時代を、混乱の時代を駆け抜けた二人の若者、市原さんと成宮さんを主演に迎え、やっと『陽だまりの樹』を映像化することができ、非常に興奮しております。震災から一年、まだ先行きが見えないところですが、このドラマを見て、何か前を向いて生きていこう勇気や、幸せを感じて頂ければありがたいなと思います」

●制作統括・後藤高久さん(NHKエンタープライズ)

「この原作は実写化のハードルが高く、舞台やアニメにはなっていても、ドラマは初めての試みとなります。ファンの方には待望の作品であると思います。この作品は舞台が幕末です。たかだか140〜150年前の話なのですが、激動の幕末の時代の若者がいかにしっかりと、国を思い、家族を思い、非常に真剣に生きてきたということを今の若者に伝えたいと思います。もちろん中高年の方にも若者にも元気を与えるような作品になっているので是非ご期待下さい。
 主演のお二人を起用した理由ですが、万二郎は最後の侍で、親父が武骨な武士でそれに育てられ、自身も同じく昔かたぎの武士です。万二郎役は二つのポイントで選びました。一つは眼力、もう一つはどんな身分の人とも、――外国人のヒュースケンとも、農兵たちとも打ち解けてしまう愛嬌と優しさです。市原さんは人と話すときは絶対に目をそらさず話す眼力を持っていますし、また普段は終始真面目で、あまり笑わないのですが、百回に一回ぐらい笑ったときの目が非常に優しい。万二郎にぴったりだと思っています。
 良庵は、原作者・手塚治虫の曽祖父ということですが、女にだらしがなく、ちょっといい加減なところがあります。あの当時漫画があれば、彼は間違いなく漫画家になっていたような、ちょっと夢のある人間ではないかと思っています。
 成宮さんは甘いマスクが魅力なのですが、非常に苦労人でもあり、しっかりした人物です。それでいながら、やんちゃなところがあり、その点が可愛らしい、魅力的な部分でもあります。そんなところから良庵役に決めました。」


手塚良庵

●藤尾隆監督

「原作である手塚治虫の『陽だまりの樹』の時代は、激動と呼ぶのにふさわしい時代です。しかし、原作から読み取れるのは決して暗いだけではなくて、夢や希望があり、妙に人間臭いところもある。そういう面に僕は好感を持ち、自分の演出ではそこを一番の生命線にしてやって行くべきだと思って毎日現場に臨んでいます。
 市原さんは今まで多くの作品をこなされているわりには、宝石の原石のような良さがあり、それをどう磨いていけばよいか、ということで常に頭を悩ませています。成宮さんは、器用なところもありながら、実はとても根は真面目で、物事を真正面から取り上げる方です。素晴らしい若者二人と現場を共有できることが大変幸せです。撮影はまだ半分くらいで、来週から長期のロケも控えておりますが、最後まで楽しく頑張りたいと思います」




いよいよドラマは4月6日から! お見逃しなく!


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