今月の投稿テーマは、
「あなたの好きな悪役キャラクター」
正義があれば悪もある!光があれば闇もある! 主役のヒーローが引き立つのは、やはり悪役あっての事!
極悪非道な切れ者、意外とあっけなくやっつけられてしまう奴、実はいい奴だったり……今月の投稿コーナーは、個性溢れる手塚ヴィランズが大集合です!
スタッフの推し悪役は…『鉄腕アトム』よりプルートゥ
“ロボットの王者”として世界の高性能7体のロボットを破壊するべく作られた、最強のロボット。
そんなプルートゥがアトムの危機を救い、そのお礼にとウランにされるがまま体にワッペンを貼られるが、剥がしもせず颯爽と立ち去るこのシーン。なんとも憎めない。
吉村昌輝
手塚プロダクション・アニメーター
手塚キャラの悪役はどこか人間くさい感じがして、どれも魅力的で大好きです。
今回は「MW」の結城を描いたつもりです。この作品を初めて読んだ時は衝撃を受けました。
主役を悪役で出すのもどうかと迷いましたが、彼は十分すぎるヒールですよね。
「MW」は、今までの手塚先生の描いていた人情の世界ではなく、ショッキングな内容に、連載された当時は僕も衝撃を受けたのをよく覚えています。
そんな「MW」の世界観、雰囲気がイラストによく表れています。黒と白でコントラストの効いた画面は、インパクトもありますね。
まさに、手塚キャラ屈指の悪役キャラともいえるでしょう。男女共に魅了するカリスマ性を持つ彼ですが、カリスマ性ある者が、必ずしも“正義”とは限らないのです……。
黒背景に白で人物を描いており、コントラストがはっきりしていますが、髪・細部の影は面割りのように色を塗りわけベタのまま見せていないのは、技ですね!
テーマが悪役なので、ハム・エッグを描いてみました!
ランプやロックと違ってハム・エッグは必ず悪役をやっている気がします。絵にかいたような悪役を演じているところが好きです。
ハム・エッグは、大物の悪役とは言いがたいけれど、そこが彼の持ち味でしょう。小賢しくて憎めない、ハム・エッグの表情を上手く表現できています。
元の造型が、目が大きくいかにも漫画のキャラクターといったデザインなので、これぐらい大胆に眉を動かしたり、表情豊かに描いても違和感なくみせられます。描きやすいキャラクターの一人なのではないでしょうか。
ところで、ハム・エッグと「リボンの騎士」のサファイアは髪型が似ていますね……。
ハム・エッグのデザインは非常にキャラクター的で、自分の絵柄で描き起こすのは難しそうですが、見事にkokorohanaさんのタッチでリメイクされていますね!
自由に動いている眉毛に、彼のひょうきんさがにじみ出ています。
かなり悩みましたが、アセチレン・ランプを。
割と早い時期に読んだ『ロストワールド』での印象が強すぎたので…本当に怖かったです…
今回は「ギャングスタア」感を意識してみました。
手塚キャラは悪役でもみんな魅力的だなと。どこかで良い役もやっているからなのか…物凄く嫌いなキャラ、というのはいないなと思います。
ランプだと『おれは猿飛だ!』でのお茶目な発言が記憶に残っています。
「わしがこんな役をするのはめずらしいでしょう」
手塚スターならではの台詞で、とても好きな台詞の一つです。
ランプかっこいいですよね! 僕も大好きです。ソービさんの言うとおり、悪役もたくさんこなしていますが、時には主人公の味方の役で出てきたり、普通の人だったりと役柄のふり幅も大きく、役者としてピカイチなキャラクターです。
僕が一番好きなのは、「鉄腕アトム」の十字架島の巻に出てくるランプです。十字架島にねむる宝を狙うギャング役で登場しますが、話が進むにつれ改心し、最後にはヒゲオヤジと手を組んでアトムを助け、金三角に立ち向かってゆく……いや〜実にカッコイイ。ランプからは男の美学を感じます!
一概に悪役といっても、ランプはさまざまな悪役を演じてくれていますよね。 それぞれのキャラクターが毎回違った一面をみせるスターシステムだからこそ、キャラクターの魅力に引き込まれるのでしょうね!
ブーンはアトムの「ロボット爆弾の巻」が初登場でしたか……。印象に残りやすいデザインであり、強烈なキャラクターが出てきたぞと感じたのを覚えています。
初登場のころは、後期に描かれたものよりももっとリノ・ヴァンチュラの面影が濃いような気がしますね。
三汐さんもブーンの特徴をよく捉えられていますね。ずっしりとした、ボスの威厳が伝わってきます。
パターンを使用した背景の処理も、センスがありこの作品とよくマッチしています! マフィア映画のポスターのようです。
マフィアのボスが決まりすぎ、威厳ありすぎな丸首ブーンです。こんなボスには、逆らえません……!今回集まった悪役キャラで、手塚ファミリーが作れそうです。
私が手塚先生の漫画にハマるきっかけになったのがロックでした。 手塚先生の作品は善と悪、生と死が混沌としていてシェイクスピア的なところが好きです。
もしや、プロの方なのでは……!? 人物の細かいところや服の立体感も、実に繊細に、上手く描けています。
ファッションセンスもありますね。
ロックは「バンパイヤ」から悪役デビューしましたが、知的な悪役が女性に受け、そこから人気が出たようです。
はじめてのご投稿、ありがとうございます! 劇画調の、とても素敵なロックです。
ロックこそ、まさに善と悪が投影されたキャラクターですよね。
目の描き方がとてもきれいですね、ぜひ原画でじっくりと筆の運びやグラデーションを見てみたいです。昔の少女マンガのようなタッチをしっかりと自分のものにしていますね。
未来さんの作風のおかげでさらに見た目麗しく描かれ、まさに愛と美を司るにふさわしいビーナスです! 人間味溢れるところがこのキャラクターのミソでしょう!
髪の流れにそって忠実に入れられたハイライトがお見事です。ブタに変身してしまいチンクに運ばれるシーンは、美しいビーナス様の面影はなく、なんともマヌケなお姿です……。
マニアックなところを突いてきますね〜! 力強く描けています。ポージングも勢いがあって良いですね。
原作にはこんなポーズなかったように思いますので、お手本なしにこのポーズ描いているのでしょうか。だとしたら、動物の動かし方がうまいですね。模写をしたり、相当練習を積んでいるのではないでしょうか。
なんだか原作よりスマートで、ポーズも決まりカッコよさ割り増しのズボラです。よくよく考えると「ズボラ」という名前もなかなかヒドイネーミングです。 毛虫が大嫌いという一面もあり、これぞ憎めない悪役ですね!
ライナが西武ライオンズのキャラクター→スポーツ→ユニフォーム交換という発想でしょうか。
なんにせよ、このシチュエーションとキャラのチョイスが面白いですね。バギも色っぽく、上手に描いていただいて嬉しいです。
ところでこのペンネームだと松谷中学32年生さんの年齢がわかってしまいますね……(歳を数えだす)
西部ライオンズのマスコットキャラクター、ライナとバギのセクシ〜なユニフォーム交換です。松谷中学さんの描くケモノキャラには、手塚先生に通ずる特有の色っぽさがありますね。
ライナについてご紹介したコラムはこちら!
手塚マンガあの日あの時 第34回:ユルくない!?手塚流“マスコットキャラ”変遷史!
If Tezuka Characters live at the sea, how do they look? I thought and drew it. (^_^)
訳:手塚キャラクターが海に住んでいたら、どう見えるでしょうか。考えて描いてみました(^_^)
発想が自由で、独創的です! 人魚をモチーフにしたり、こういう可愛らしいポージングを思いつくのは女性らしいですね。キャラの描きわけもよく出来ています。
トルコの方にも手塚先生の作品が読まれているのは、とても嬉しいですね!
キャラクターの衣装のまま、下半身が人魚の造型になっているというのは、なかなか斬新です。
日本はまだ6月だというのに、すでに夏のように暑い日が続いています。こんな風に海の中を泳ぎたいもんです。トルコは6月から海水浴シーズンと聞きますので、きっと日本よりもずっと暑い気候なのでしょうね。
大阪に、手塚先生が手がけたキャラクターが使用された珈琲店があります。珈琲は黒い魔女・マコちゃん。赤い頭巾の女の子がコーヒーカップを持った愛らしいキャラクターは、福田珈琲株式会社の「看板娘」として長年親しまれてきました。大阪市内には、船場センタービルの「珈琲スカーレット」(大阪市中央区)や「珈琲は黒い魔女アントレ」(大阪市福島区)など、マコちゃん珈琲を提供するお店がいくつかあり、純喫茶ファンの憩いの場となっています。
その福田珈琲が、4月末をもってコーヒー事業を廃業するという噂を聞きつけ、私は早速、大阪市西区の福田珈琲に向かいました。とりあえず、マコちゃんのパッケージのコーヒーをまとめ買い。そしてマコちゃんの絵柄のノリタケのカップが欲しいけれど、今、在庫がないとのことで、後日連絡をいただくことになりました。カップ入荷のお電話をいただき、再び、福田珈琲を訪問したところで、福田珈琲社長の福田正文さんにお会いすることが出来ました。福田正文さんの父・福田規雄さんが、旧制大阪府立北野中学校出身で、手塚先生よりひとつ下の60期。北野の同窓会で手塚先生に福田珈琲のキャラクター画の制作を依頼したところ、30枚くらい描いて下さったそうです。平成元年より手塚プロとライセンス契約を結び、28年間、使用してきたのがマコちゃんでした。
手塚ファンとしてやはり気になるのは「マコちゃんは今後どうなるのか」ということ。福田正文さんのお話によると、事業の引き継ぎ先のアラブ珈琲さんが、マコちゃんのキャラクターも含めて引き継いでくれるそう。「娘を嫁に出すような気持ちです」と福田さん。引き続き、手塚治虫記念館のジャングルカフェでもマコちゃん珈琲を楽しめるそうで、本当に良かったです♪
マコちゃん珈琲、大阪だけではなく、もっと広く浸透してほしいですね。 ラフ30枚も描かれたんですか、全然知らなかったです! 相当貴重なものでしょうね……ぜひ見てみたいです。
朗報!マコちゃんの嫁入り情報をありがとうございます。ボツになった他のマコちゃんがとても気になります。
手塚治虫記念館にお越しの方は、ぜひともマコちゃん珈琲をご賞味あれ♪
4月14日、手塚プロダクション資料室長の森晴路さんの訃報を受けました。森晴路さんに初めてお会いしたのは19年前。高校の卒業旅行と称して、ファンクラブの代表の和久千賀さんを頼り、手塚プロダクション新座スタジオを訪問しました。当時のファンクラブ事務局は資料室と同室で、その時に森さんに挨拶したのが最初でした。
2006年、復活第1回の手塚治虫ファン大会で再会し、以後、10人くらいの手塚ファン仲間で年に2、3回、東京で集まり、めずらしい手塚先生の未収録漫画や手塚イベントについて、毎回3時間は手塚談義に華を咲かす飲み仲間でした。
昨年、2015年2月に治虫忌に因んだイベント、ナカノシマ大学「街から読み解く手塚治虫」を開催した時、「びっくりさせようと思った」と言って、埼玉から大阪まで4時間半かけて来て下さったのが忘れがたい思い出です。この時、森さんが録画テープを提供して下さったのが、1985年3月21日に読売テレビで放送された「11PM 手塚治虫NANIWAグラフィティ」。手塚先生が電気科学館のプラネタリウムを自ら操作する貴重な映像を、後継施設の大阪市立科学館で30年ぶりに上映するという、奇跡のようなイベントを実現できたのも、森さんのおかげでした。
手塚治虫ファン大会では、マニアックな質問に森さんが答える「森さんに聞け」というコーナーが、ここ数年の恒例で、欠かせない存在でした。そして、昨年の12月の手塚ファン大会でお会いしたのが最後となりました。
突然の森さんの訃報に眠れないまま新幹線に乗り、私は新座に向かいました。
会場には「創作ノート」「手塚治虫原画の秘密」「図説 鉄腕アトム」など、森さんが手がけた本が飾られていました。ご葬儀は「ジャングル大帝」のBGMと共にしめやかに行われました。松谷社長の弔辞は「まさか僕があなたを送ることになるとはね。だいたい、あなたは写真だってちゃんとしたのを用意してないじゃないですか。この写真、探すの大変だったんだよ。」と、森さんに語り掛けるような言葉でした。
ご葬儀会場で、手塚先生の元アシスタントで「手塚治虫物語」の作者である伴俊男さんと、90年代にファンクラブ事務局を務めて下さっていた和久千賀さんに再会できて嬉しかったです。そして、和久さんに現在の「手塚ファンマガジン」会誌編集の和田収さんを紹介できました。森さんがファンクラブ草創期を築いた1971年の「虫のしらせ」から脈々と受け継がれている、手塚治虫ファンクラブの輪を感じました。まさしく森さんが引き合わせて下さった縁だと思いました。
ここ数年、感じていることですが、「手塚治虫が歴史になってしまう」ことを危惧しています。手塚先生と縁のあった方の訃報を聞くたびに、自身の無力感と同時に「手塚治虫はまだ歴史ではない」「手塚治虫を歴史にしてはいけない」との思いを常々持っています。
森晴路さんは今年の正月にサンテレビで放送された「少年・手塚治虫の宝塚」の冒頭でこう言っていました。
「先生って天才だとよく言われるんですけど僕は努力の人だと思うんです。」
その手塚先生の努力を支えたのは森さんの地道な努力。手塚先生亡き後の手塚漫画を守り続けたのは森さんだったと思います。
作品についてわからないことがあれば、すぐ森くんに頼っていました。 なんでも知っている、ブレーン的存在でしたね。
田浦さんと森の間にも、たくさんの思い出があったようですね。手塚ファンの皆様からも愛される、資料室の長でした。
4人目は、アニメーター・瀬谷新二
今月号の特集1に登場しています!「鉄腕アトム」
アトムを描くもよし、「鉄腕アトム」にでてくる推しロボットを描くもよし、
アトムと他作品のキャラを夢の共演させるもよし……
来月号も、たくさんのご投稿をお待ちしています!
ヒーロー・ヒロインに限らず、大好きなロボット、動物、宇宙人、不思議生物、むしろ無機物…何でもかんでも、あなたの大好きなキャラクター、作品などなどの絵や評論、ナゾトキ、アツイ語りなどなんでも大募集です。
イラストじゃなくてももちろんOK!!
メールや投稿ページからの投稿の場合、虫ん坊コーナーへの投稿だということが分かるように、「【虫ん坊投稿】」などの文字を件名に入れてね!
また、投稿していただいた方には、編集部からプレゼント送付のご案内などをメールでお送りします。迷惑メール対策などで、ドメイン指定受信をされているかたは、@tezuka.co.jp からのメールを受け取れるように、お使いのメールツールを設定しておいてくださいね。
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株式会社手塚プロダクション TezukaOsamu.net 投稿係
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7月号掲載は、2016年6月15日(水)までにいただいたものとさせていただきます。5月号以降にも、いただいた投稿を掲載していきます。