『ヤング ブラック・ジャック』のオープニングを飾る印象的な主題歌、「I'm Just Feeling Alive」。この曲の作詞と歌を担当するのは、この曲がメジャーデビューとなるUMI☆KUUNです。
実はUMI☆KUUN、「うみくん」という名前でYouTubeに投稿した動画が一躍人気になり、ネットでは知る人ぞ知る要注目なシンガー。アニメやコスプレが好きで、一生懸命でひたむき、過剰な爽やかさからいつしか「うざやか」といわれるようになったUMI☆KUUNですが、いったいどんな人物なのでしょうか??
虫ん坊では、デビュー曲となる「I'm Just Feeling Alive」に込められた思いや、レコーディング秘話などを伺いました!
・ UMI☆KUUN オフィシャルWEBサイト
http://umi-kuun.com/
・ UMI☆KUUN ツイッター
https://twitter.com/umi_babe
・ 参:うみくんの声優への道(東京MX)
http://s.mxtv.jp/variety/umi_kun/
・ ヤング ブラック・ジャック(TBS テレビ情報はこちら!)
http://www.tbs.co.jp/anime/ybj/
・ ヤング ブラック・ジャック(ブルーレイ・DVD発売情報はこちら!)
http://columbia.jp/ybj/
10月28日にリリースとなった『ヤング ブラック・ジャック』の主題歌にしてUMI☆KUUNのメジャーデビューシングル、“I am Just Feeling Alive”アーティストサイン入り初回限定盤CDをプレゼントします!
応募方法:
以下メールアドレスに、1、お名前 2、当選通知用メールアドレス を明記の上、ご応募ください。
応募メールアドレス:Tezukaosamu-net-guide@tezuka.co.jp
※当選された方には折り返しメールにてご連絡の上、送付先ご住所等を伺います。
〆切:2015年11月30日(月) 23:59まで!!
ふるってご応募ください!
——曲のタイトル、「I'm Just Feeling Alive」には、どんな意味が込められているのでしょうか?
UMI☆KUUN(以下、U):『ブラック・ジャック』の原作を読み込んで、主人公・ブラック・ジャックと自分のパーソナルな部分で何か重なるところはないかな、と考えていた時に、僕も、しばらく家にひきこもって、ネットなどで活動をしてきたところ、今回念願のメジャーデビューを果たすことができ、主題歌も担当することになって、とてもこう、「ああ、今まさに生きてるな、毎日がとても楽しい!」という実感がありまして。
ブラック・ジャックも原作で、「私は人を治す、自分が生きるために!」って叫んでいるじゃないですか。もちろん、医者として、人を助けたいとか、才能がある、ということはあると思うのですが、それよりも、きっと医者としてメスを振るっていることそのものが、生きている実感につながっているんじゃないかな、と。
『ヤング ブラック・ジャック』でもそうですが、たとえばライバルの軍医は、医者だからオペをする、という精神論を持っている方ですが、間黒男は、オペをしている瞬間そのものに、自分の生きている意味を見出しているんじゃないかな、というふうに妄想を広げて、なら、そこに自分と重なる部分があるかもしれない、ということで、タイトルにそういう意味を込めました。
『ヤング ブラック・ジャック』の間黒男はまだ若いし、…がむしゃらで一所懸命なところもありますよね。ぼくもまあ、ぎりぎり若いので(笑い)。
——インターンの間黒男とUMI☆KUUNは、ちょうど同じ年ぐらいですよね。では今は特に「生きてるぞ!」って感じる瞬間が多いのですか?
U:そうです。今までは、なんとなく自分のためだけにやってきたようなことが、皆さんにも喜んでいただけるものになった、というのはとてもうれしいです。
——作曲者の徳永暁人さんとは、どういうふうにコミュニケーションをとられましたか?
U:徳永さんとは、たまたまなのですが出身大学が一緒なんです。せっかくだからお会いしていろいろお話したい、と思いまして、こういうアニメの主題歌で、という説明や、僕の好きなアーティストの話もして、音色はこういう感じ、ここはこういうふうな感じで伝えたら、すぐに分かってくださって。1言ったら10分かってくださるんですよね。「じゃあ、作ってみるよ」とおっしゃって、上がってきたサンプルがもうほとんど完成した、この曲のサンプルだったんです。すごくスムーズでした。
——歌詞は、曲が出来たあとで考えるんですか?
U:そうですね。
——それは、けっこう難しいのでは?
U:いや、僕はそれほど、難しいと感じないタイプです。かえって、曲が初めにあったほうが単語を選びやすいというのがあって。
曲が上がるまでの段階で、原作を読んで、Aメロ・Bメロ・Cメロで、こんな言葉を使いたい、というのをノートに書き溜めをしておいて。あとは、じゃあ、ここは「タン、タタン♪」というメロディだから、三文字のこっちの言葉を取ろうか、とかそういう感じで。意外とそこはロジカルに進めますね。
——この曲の、気に入っているフレーズはどこですか?
U:サビの前の「なあ、そうだろう?」っていうところです。
——メロディも一瞬溜めが入る感じで。ここからのサビが気持ちいいですよね。
U:この、『ヤング ブラック・ジャック』用の詩として書かなければ出てこなかったフレーズだと思うんです。僕自身、あまり自信があるタイプでもないし、メンタル弱すぎるんで、こういう強い言葉が出てくることはなかったかもしれない。
でも、オープニングである以上、また、『ヤング ブラック・ジャック』という作品である以上、これを言わないと腑に落ちない、と思って、こういう問いかけのフレーズを入れました。
今の若い人にとって、——僕も同じく、そうなのですけれども、——「なあ、そうだろう?」っていう強い問いかけを自分にして、頑張っている人っていっぱいいるんだと思います。今は、昔よりずっと簡単に情報が手に入って、評判なんかもすぐにわかるので、何かをしようとしたときに、「これは評判悪いからやめておこうか」とか躊躇してしまうこともあって。でも、本当に光ってる人って、どんな評判がついてても、自分が気になることはやるし、あえて情報をシャットアウトしてでも、挑戦しようとしています。そういう時に、心の中には、「なあ、そうだろう?」っていう問いかけがあるのかな、と思うんです。お店とかでも、「あの店はまずい」といくら書かれてても、自分が気になれば足を運ぶ、とか。ちょっとたとえが小っちゃかったですね(笑)。
そうやって実際に行動を起こしてみる人だけが、リアルに体感ができ、爪痕を残していける人だと思うので、自分もそうでありたいな、という気持ちも込めています。
——歌の点で、いろいろ試してみたり、深く考えた部分はありますか?
U:基本、徳永さんは大阪にいらっしゃるので、一緒にスタジオにはいるということはなかったのですが、あらかじめメールで、「ここはこういうふうで」「こんなコーラスで」という軽い指示をいただきましたが、初めにビジョンをしっかり共有できていたので、もめるようなこともなくすんなりいきましたね。
——では、レコーディングもすっと一発で終わった、と
U:そうですね、勢いでこう、ばーん! と。……でも、コーラスはいろいろなパターンを撮って変化を付けたりしました。僕、音大ではオペラをやっていたので、裏声のところも、オペラっぽくビブラートを聞かせたほうが、「っぽさ」が出るかな、とか。声を揺らすことで誤差がでるので、その分広がりが出るんですよ。一人追加しただけなのに二人分、聞こえる、と…。
——ご自身でコーラスも入れられたのですか?
U:そうです! 徳永さんの声が入っているところもありますけど、ちょっと歌い方を変えて。
——では、コーラスも必聴ですね。
U:うざい裏声の僕がいます(笑)! あ、こいつかな? ってチェックしてみてほしいですね。
——音楽大学をご卒業したのち、1、2年ほどブランクというか、ひきこもっていたということですが、その間には葛藤などがあったのでしょうか。音楽の業界も狭き門ですが…。
U:ひきこもっていたのは成り行きのようなもので。卒業後、なんとか音楽でデビューするきっかけを探りながら、特に就職をするわけもなく、モラトリアム期間を過ごしました。まあ、1、2年なら両親もたぶん、許してくれるかな、と…(笑)。
せっかく、猶予の期間ができたし、ここは自分の好きなことをやらなければ、と、YouTubeに投稿なども始めました。初めのころからいい感じの滑り出しで、まあ、時にはあまり再生されない動画もありましたけど、当たるか外れるか、は結構あげてみないとわからなくて。
反応があることそのものがとても楽しくて、…人の反応がある、というのが、よくも悪くも面白いな、と感じました。たぶん、ひきこもりだったせいもあるのか、人とコミュニケーションをするのはどちらかというと苦手で、一人でいたほうが楽、というのもあるけど、家に一人でいるとさびしいっていう気持ちもあるし。…そのあたりは、対面しないでコミュニケーションできるネットは、僕にとっては折り合いの良い仕組みだと思います。少し距離のある感じが、とても居心地がいいんですよね。
——時には、面と向かっていないからこそ、厳しいことを言う人とかもいませんでしたか? そういうのは厭ではないのでしょうか。
U:逆にそういうことを言ってもらえるだけありがたいというか。そこはかえって、リアルよりいいところですよね。リアルで面と向かっていると、「いやあ、いい動画ですね」っていう社交辞令で終わってしまうところを、「これはあれがだめだからキモイんだ」とかいう意見があると、「あ、そう思うのか」と。コメントの出どころのサイトを調べて、「このサイトの使用者は、20代から30代の人が多いけど、コメントをしている人は10代から20代が多い…アイコンからするとおそらくJKか? っていうことは、こういうのはJKには受けないのか… ってことは次の動画は…」とか、とにかく分かることがいっぱい、あるんですよ。そういうのを想像しては、あれこれ分析したり。ネットって、分かることがとても多いので、ありがたいですね。
——東京音楽大学ご出身ということです。オペラの勉強もなさったそうですね。
U:とても良い歌の先生に出会えたことは、本当によかったと思っています。音大を選択したのは、生まれ育った愛媛から出て東京に行くことを両親に納得させるためというところもありました。音大であれば、教員免許も取れるし…。
大学では、クラシックの奥深さに気付いて、面白くなってきたところで卒業、という感じになっちゃいました。でも学んだことは絶対に今後の糧になると思っています。
——卒業試験みたいなものもあるんですよね。何か歌ったんですか?
U:卒業コンサートというものがあるんですよ。そこでは、プッチーニの『トゥーランドット』のアリアで、「泣くな、リューよ」という作品を歌ったんだったかな…。それから、イタリア歌曲と、日本の歌曲も…。大中恩(おおなか めぐみ)さんという作家の作品で。「みんなのうた」とかでもかかるようなカジュアルなものも歌いました。
——またちょっとオペラを歌ってみたいな、と思っていたりしますか?
U:ぜひ歌ってみたいですね! 今でも月に1度ぐらいレッスンを受けているんです。有名になれたら、ライブの一曲めにオペラを歌ったり…。そういうこともやってみたいですね。
——手塚作品は結構読まれているんですか?
U:『メトロポリス』が好きで。……近未来的な設定とかがものすごく好きで。2001年の映画も見たんですけど、映像と音楽のコラボレーションがめちゃくちゃ好きで、クライマックスで、レイ・チャールズがかかるのに鳥肌が立ちました。悲しいシーンで、ハッピーな曲がかかるっていうのが。こういうふうに使ってくるんだ…! っていうところで、もうそこから半年に1回は見てます。
主人公のケン一くんのような、馬鹿正直でまっすぐなヒーローはいいですね。へぼかっこいい、っていうかんじで。
——アニメがとてもお好きなんですよね。普段は、手塚作品以外にはどんな作品をご覧になっていますか?
U:ミーハーなところでは、『NARUTO』とか、ジブリ作品とか、新海誠さんの作品だったりとか。年代も問わず、見まくる、という感じですかね。
——映像と音楽がマッチしたような作品がやっぱりお好きですか。
U:そうですね。特に音は注意しています。
——『ヤング ブラック・ジャック』はどうですか?
U:今回の作品で言えば…、イメージのシーン、というか、内面描写のようなところで、…たとえば、間黒男が、悪に堕ちそうな時、とか、集中している時、というような描写のところで、しずくがぽた、ぽた…って落ちる演出が印象的でした。一般の人から見たら、「あいつ、頭の中で何が垂れてんの!?」っていう感じかもしれないですけど(笑)、なぜ、あのしずくで、あの効果音なのかな、っていうのが僕としては鳥肌ものですね。ああいうところで、ああいう効果音があると、あの空気感が再現できるんだ…、っていうところで。楽曲も、「月光花」を効果的に取り入れたりとか、分かりやすいところで心憎い演出もあるんですけど、楽曲よりも効果音とかが僕には響きました。
——初めて読んだ手塚作品は覚えていますか?
U:ええと…たしか『ジャングル大帝』とかですかね。アニメも、原作も見ました。一見可愛いんですけど、あれもお話はディープですよね。生命の過酷さを容赦なく描いていて。しばらくズドーン、とした重いような感じが抜けなかったですね。疫病で動物がバタバタ亡くなるシーンがあったり。最後は衝撃的なラストですよね。
——けっこう、『ジャングル大帝』がトラウマ、という方は多いですよね。
U:僕としては、良い意味でのトラウマというか、印象に深く残っていますね。
あとはやっぱり、『ブラック・ジャック』ですね。中学生くらいにやっていた月光花が主題歌の『ブラック・ジャック』とかもあったので、『ブラック・ジャック』は地元の中華料理店みたいなお店にもおいてありました。僕が小さいころ住んでたあたりでは、料理屋さんに本棚が置いてあるんですよ。
——最近、曲を作るために読み込んだ中では、どの話が印象に残っていますか?
U:「ちぢむ!!」っていう、人間も動物もどんどん縮んでいく病気のお話が、小さいころに読んだ時も記憶に残っていて、そのころから一番怖かったんですよ。原因もよくわからないのに、どんどん縮んでいって死んでしまう、という…病気としても怖すぎでしょ!?
『ヤング ブラック・ジャック』の間黒男には、いい意味でまだ迷いがあって、「闇医者になってしまうのか?」とか「これでいいのか」というような葛藤があるのですが、『ブラック・ジャック』では、「正義なんてない」って言い切っていたりとか、「ちぢむ!!」のラストシーンみたいな極限では天に向かって「神よ!」と叫んだり…。人間の倫理みたいな些末なものよりも、生命の神秘とか死の残酷さといった、漠然とした、もっと大きな敵に立ち向かっているようなブラック・ジャックの姿勢が毎回、かっこいいな、と思います。
——東京MXでは、「うみくんの声優への道」という番組が始まっていますが、声優も挑戦されたいのかな、と思いますが、『ブラック・ジャック』で演じるなら、誰を演じたいですか?
U:はい! おこがましいとは思いますが…。でも、僕がやってみたいのは、たとえば2004年の『ブラック・ジャック』なら、ピノコの友達の写楽とか…。主役格じゃなくて、添え物というか、パセリ的なポジション希望です。『ヤング ブラック・ジャック』なら、藪さんとかいいポジションですね。
——藪さんはツイッターでもかなり推してましたよね。
U:藪さん大好きですね! 正直だし、結構いいこというくせに、ちゃっかりしてるし。人間臭いところがすごくいいです。2話とかもなんか…かわいい感じで(笑)。気が弱いくせに、やりたいことはちゃんとやってるっていうか…。自分の欲望に素直だし。シンパシー感じますね!
——メジャーデビュー後、やっていきたいこととかはありますか?
U:勿論、いろいろなことに挑戦して、発信していきたいと思っていますが、できれば聞いている方、見ている方と双方向でコミュニケーションができるような活動をしていきたいな、と思っています。勿論、音楽もそうですが、ナビゲーターとか、MCとか…。
声優であれば、いもむしみたいなキャラでいいので、挑戦してみたいですね。…言葉なしで、鳴き声だけで感情を表現するようなのにあこがれがあって。そういうキャラをやってみたいです。
——最後に、「虫ん坊」読者のみなさまへメッセージがありましたら、お願いします。
U:ネットなどを拝見していると、作品に対しては賛否両論があるのかもしれません。でも、口出しをしたい、って思わせるということは、それだけ愛があるっ
てことなのかな、と思うんですよ。好きな彼女こそ、あれこれ口うるさく、言いたくなるっていうか。どんな意見もすべてLOVEなんだと思うんです。
僕もオープニング担当として、歌詞には「間」とか「つぎはぎ」というようなキー・ワードを入れ込んだり、精一杯、作品へのリスペクトをこめて取り組んでいます。ジャケットで間黒男のコスプレをして盛り上げたり…、もともと、コスプレ好きなので楽しくやらせてもらい、盛り上げていきたいと思っています。
「何こいつのコスプレきもい! でもなに、『ヤング ブラック・ジャック』って…『ヤング』? ヤングって、どういうこと?」って、僕の評価はともかく(笑)、興味を持ってもらえればうれしいですね!
——いえいえ、かなり再現性高いコスプレかと! お忙しい中、いろいろな質問にお答えいただきありがとうございました!
10月21日、東京国際映画祭内のフィルムマーケット「TIFFCOM」の手塚プロダクションブースに、UMI☆KUUNが来てくれました!
同時開催のTIMM(東京国際ミュージックマーケット)のショーケースライブに出演していたそうです。
ライブでは、大勢の外国人バイヤーの前で「I’m Just Feeling Alive」も含めた3曲を披露。英語のMCも大いに受け、盛り上がりました!