テレビ・シリーズを作るさいに、それがどんな雰囲気の作品になるのかをスポンサーや局に伝えるために、パイロット版という試作品が作られています。これは『どろろ』のパイロット版で、本放送よりも原作に忠実なキャラクターたちが動かされています。本放送ではより視聴者受けするようにと、キャラクターの顔や個性がどんどん変わって行きます。結果として本当に視聴者に受ける場合もあれば、まったくそっぽを向かれることもあります。『どろろ』の場合、パイロットはカラーでしたが、本放送では予算が削られてモノクロで作られました。 こそ泥のどろろと48匹の魔物を退治することで、はじめて「人間」として完成する、という呪いをかけられた男、百鬼丸との妖怪退治の旅を描くストーリーです。
(C)手塚プロダクション/虫プロダクション
虫プロダクション/1968年1月/13分34秒/カラー
原作:手塚治虫
監督:杉井ギサブロー
設定:鈴木良武
作画監督:北野英明
美術:槻間八郎
音楽:冨田勲