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のりみ さん
【虫ん坊投稿】リボンの騎士 〜鷲尾高校演劇部奮闘記〜
2011-03-05 22:48:46

2月26日、横浜に行ってきました。目的は扉座の横内謙介氏脚本の舞台「リボンの騎士 〜鷲尾高校演劇部奮闘記〜」を観に行くため。
http://www.tobiraza.co.jp/stage/kouen/201102_ribon/ribon_1102.html
この演劇は12年前の舞台の再演で、横内ファンの私はどうしても観たかった!12年前の手塚ファンクラブ会誌で手塚ファンの感想鼎談読んで、当時観に行けなかったのが悔しくてたまらず、今回なんとしても観に行こう!と決意し横浜行きを決定しました。

私が初めて横内ワールドに触れたのは13年前に銀座セゾンで上演された舞台「陽だまりの樹」でした。今でも私は手塚原作の舞台の中ではこの「陽だまりの樹」が一番の最高傑作だと思っています。あの感動が忘れられず、以後、横内さんの舞台は何度も観に行くようになりました。原作を忠実に描くだけではどんなに上手く演じても原作を越えることはできません。でも、横内さんの場合、手塚先生の原作どおり描くわけでなく、横内ワールドの中に手塚イズムの神髄を織り込むような脚本で、いつも感動させられます。

【あらすじ】
鷲尾高校演劇部は女子が殆どの弱小演劇部。一念発起して、手塚治虫の漫画を部員自ら脚本化した『リボンの騎士』を上演することになったが、次々と困難が襲いかかる。ひたすら打ちのめされていく部員達・・・・。現実の厳しさを噛みしめつつも友情を結び合い、また淡い恋に揺れながら、少しずつ大人になっていく姿を描く青春ファンタジー。部員達を優しく見守る妖精的な存在として、『リボンの騎士』のキャラクターたちも登場!
(扉座HPより)

「リボンの騎士 〜鷲尾高校演劇部奮闘記〜」は、総勢53名のメンバーで演じる舞台で、出演者はオーディションで選ばれたメンバー+扉座。最初は、「これがリボンの騎士!?どうなるの!?」とかなりドキドキハラハラな部分もあったけれど、次第にストーリーに惹き込まれていき、フィナーレの盛り上げ方はホントに感動しました!うん、良かったよ!泣けたよ!無名の役者が演じる不安なんて吹っ飛びました。どうして、どうして、横内さんの舞台はここまで上手いものか。

この舞台では「リボンの騎士」はあくまで劇中劇という扱いで、ストーリーの大筋は鷲尾高校演劇部員の青春を描いたものでした。主人公・池田まゆみの空想の中で生きる「リボンの騎士」のキャラクターたちが、これまたベタなくらい「コスプレ祭り」状態のそのまんまの手塚キャラで、サファイア、フランツ、ジェラルミン大公、ナイロン卿、そしてヒョウタンツギ(笑)。ジェラルミン大公とかナイロン卿などは、見た目そのまんま!(笑)。そして、ヒョウタンツギがめっちゃいい役まわりだよ〜。「どうせヒョウタンツギは脇役だから」とかいじけたり(爆)、ヒョウタンツギがナレーションを言ったり、これも観ないと説明しても解らないところはあるけれど、とにかく手塚原作のもつ世界観の散りばめ方が絶妙に上手い!ちなみに「リボンの騎士」のストーリー自体はかなりエッセンス程度の味付けで、決して台詞が原作どおりというわけではありません。でも、手塚ファンが観ても最終的にちゃんと納得させてくれるのが横内脚本の素晴らしさ!終盤にかけて、空想の中で生きる手塚キャラクターの「リボンの騎士」達と、演劇部員達が演じる「リボンの騎士」のシンクロも見どころ。サファイアの「私たちはあなたが夢見ることで命を得ている」という台詞は、私たち読者がが「リボンの騎士」からもらった純粋な見果てぬ夢でもあったと思うのです。

最後は演劇部員たちが「リボンの騎士」の舞台を成功させて抱き合って喜ぶシーンでフィナーレを迎えるのですが、その演劇の見せ方には目からウロコでした!ステージは客席とは逆向きで、私たち観客が見るのは舞台の袖の中。まゆみはサファイアを演じたかったけれど、美人で演技の上手い答子がサファイアを演じることになり、それでもその答子への友情からしっかり最後まで裏方を支えたまゆみ。その裏方に徹したまゆみへの花向けとして、キラキラと紙吹雪が舞台裏にも降ってくる。

最後のカーテンコールで見せた出演者全員の「やりきった!」という心からの笑顔は、劇中劇の演劇を成功させた歓びと、本当のこの舞台を成功させた歓びとが、しっかり重なっていたように思いました。淡い恋と青春、演劇に真剣に燃える若き高校生たち、ホントにベタな話なんだけど、ピュアでまっすぐでストレートに心に響く。こういうベタさを真剣にやっちゃっても全然浮かないのが横内ワールドなんですよね。やっぱり横内謙介さんはすごい!

本当に横内謙介さんを「手塚治虫ファン大会」に呼んでほしい!と思いました。検討会の方、ぜひ検討をお願いします(笑)。もっとも、これも手塚演劇を翌年にやる絶妙なタイミングがあれば上手く宣伝にも繋がるんですけどねー。

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