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虫ん坊 2013年09月号 オススメデゴンス!:『ブラック・ジャック』より 医者はどこだ!

 今月の「オススメデゴンス」では、「神様のベレー帽 〜手塚治虫のブラック・ジャック創作秘話〜」の放送を記念して、そのものずばり、『ブラック・ジャック』第1話「医者はどこだ!」をご紹介します!

 壁村編集長が「死に水を取る」覚悟で掲載に挑んだ本作品ですが、手塚治虫の描きっぷりはいつもどおり(?)の乾坤一擲! 新連載に臨んでのちからの入りようが今でもアツい名作ですよ!





解説:

 (手塚治虫 講談社刊 手塚治虫漫画全集『ブラック・ジャック』18あとがきより)

 ブラック・ジャックについて、裏話をいろいろかいてみましょう。

 まず、いちばんよく聞かれるのは、どこからああいった設定を考えついたかという質問です。

 この漫画は、もともと五回ほどの短期連載の予定で、編集部からもそういう希望だったのです。だから、五回でブラック・ジャックの身の上や、性格なんかかきつくせるはずがありません。五回とも、「この医者は、どこかでメスをふるって奇跡をおこしているはずである…」といった調子の終わり方をし、謎に包まれた怪人物のまま消える運命だったのです。

 あの向こうキズはおろか、顔の色がちがう点や髪の毛が白黒だったり、時代おくれの蝶ネクタイにマントのいでたちだったり、なぜ大金をとるのにあんなオンボロ小屋に住んでいるのか? ということなんか、これっばかりも理由を考えなかったのです。黒に白がまざる髪の毛なんか、最初はただの光のツヤだったのです。

 (後略)



読みどころ:


虫ん坊 2013年09月号 オススメデゴンス!:『ブラック・ジャック』より 医者はどこだ!

 不朽の名作、『ブラック・ジャック』の記念すべき第一話です。



虫ん坊 2013年09月号 オススメデゴンス!:『ブラック・ジャック』より 医者はどこだ!

 大富豪・ニクラ氏の息子アクドが、車で暴走中に事故を起こして瀕死の重傷を負ったため、ニクラ氏は大金をかけて世界中から名医を探しはじめます。そこで、無免許ながら奇跡の腕を持つといわれる、天才外科医ブラック・ジャックの初登場となるのですが…。




虫ん坊 2013年09月号 オススメデゴンス!:『ブラック・ジャック』より 医者はどこだ!

 『ブラック・ジャック』が、手塚キャラのオールスター出演作品であることは有名ですが、トップスターのロックをはじめ、レッド公、ハム・エッグ、お茶の水博士、力さん、ヘック・ベン、アセチレン・ランプ、サボテン君、丸首ブーン…と、第一話から出るわ出るわ(このへんのキャラクターの名前がスラスラ出てくるというあなたは、かなりの手塚ファンです)。





虫ん坊 2013年09月号 オススメデゴンス!:『ブラック・ジャック』より 医者はどこだ!

 そしてブラック・ジャック自身も、この第一話で手塚キャラの仲間入りを果たすわけですが、やがて連載の人気が上がるにつれて、グングンとトップスターの座にのぼりつめていったのは皆さんご存じの通り。長期連載の漫画で、キャラクターの顔が少しずつ変わりながら確立されていくことはよくありますが、ここでのブラック・ジャックも、トレードマークの長い前髪は短くて控えめだし、するどい眼は幾分クリッとしていて、その後のブラック・ジャックに比べると、いかにも少年漫画の主人公らしい感じです。


 



虫ん坊 2013年09月号 オススメデゴンス!:『ブラック・ジャック』より 医者はどこだ!

 今では「医学漫画」の代名詞ともいえる『ブラック・ジャック』ですが、1973年当時、少年誌で扱うジャンルとしてはかなり特殊で、実験的な作品でもありました。そういう意味でも、内容・キャラクターデザインについての「手探り感」を感じながら読んでみると、より面白いのではないかと思います。








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