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ハトよ天まで


ストーリー紹介

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  • 昨今は民話もあまり聞かれなくなり、子どもたちのファンタジックなものへの欲求不満は、ひたすらアニメや漫画、あるいはゲームなどによって解消されているようですが、アニメやゲームも、人間が作ったものであるかぎり、民話や神話、言い伝えなどからアイディアを得ているものが案外多いようで、民話の影響力を切に感じるのですが、この『ハトよ天まで』もまた、民話の影響を強く受けた、懐かしさを感じさせる漫画作品の一つです。
    絵物語と漫画シーンを織り交ぜた独特の形式はどこか古老や母親の語りやあるいは懐かしい絵本を思わせ、日本の中世らしい舞台設定も、随所に飛び出す妖怪たちも、いかにも民話風の道具立てです。
    ところが、ただむかしむかし、めでたしめでたしとは終わらないのが、二十世紀の漫画家・手塚治虫の面目というところで、いかにも民話調の天狗やもののけとの戦いのほかに、双子の兄弟がそれぞれにたどる運命、権力者と農民の闘争、村の開拓物語などが描かれ、さながら大河ロマン風の仕上がりとなっています。その上意外などんでん返しまで飛び出す、民話の枠組みからは大きくはみ出した作品と言えるでしょう。
    ふるさとの山は切り開かれ、川はダムにせき止められ、どこへ行っても開発か、観光の匂いばかりが漂っている現代の日本に愛想を尽かしているあなた、忙しい日常に一息入れて、たまにはこんな作品を読んでみてはどうでしょう? 民話の雰囲気を多分に残しながら、現代人の好みにもあう、かなりエキサイティングなストーリーとなっています。
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