――メンバーのお二人と直接会って、音楽を作るという話になったのはいつですか?
手塚:2004年に彼らがアルバム『ENCANTADO』を出して、そのライブツアーで来日した時、たまたま主催者と知り合いだったので、頼んで楽屋で会わせていただいたんです。その時、宮島の話とか、父が漫画家で『火の鳥』という作品を描いていて、あなた達の音楽には同じ「輪廻転生」というテーマとメッセージを感じるので、ぜひ読んでみてくれないか、という話をして、『火の鳥』の英訳本を1冊プレゼントしたんです。その時、彼らは手塚治虫のことを知らなくて、ただ「『アストロボーイ』の原作者だよ」というと「『アストロボーイ』は知っている。『火の鳥』は知らなかった」と。
そして「もし『火の鳥』を読んで何か感じるものがあれば、自分は音楽レーベルをやってるので、コラボレーションして音楽を作らないか」と持ちかけたんです。それから後、来日のたびに会って、食事やお茶をしながら「『火の鳥』を読んだ。面白かった」「あれは何巻まであるのか」なんて話をしているうちに、SYSTEM7自身がすごくこの作品に惹かれて、「ぜひアルバムを作りたい!」と申し出があったんです。
当初私は「一曲ぐらいコラボできればいいかな」と思っていたんですが、逆に彼らから「ぜひ次のアルバムのテーマにしたい。そのくらいこの作品から色んな刺激を受けたよ」と言われ、驚きました。そんなふうに話がまとまったのが、2005年くらいでしたね。
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