↑こちらは受信用アンテナ。整然と並んで空をにらんでいます。アンテナが大きいほどより精密に電波を受信できるそうです




↑こちらが今回の実験で使われる送信アンテナです。それぞれ直径8メートル




↑直径180センチの割と小さ目の受信アンテナ。これでも家にあるBSアンテナなんかと比べたら充分大きいです




↑中継映像などを送信することができる車です。
  アンテナや機材が重いので、かなりの馬力が必要。テレビ局は、これと同じような車を使って、中継場所からの映像を衛星に送っています

 ★大迫力! パラボラアンテナ群★

 ひととおり通信衛星について伺った後、一度建物の外に出て、パラボラアンテナを見せていただきました。

 あっちにたくさん並んでいるのは?
  「あれは衛星放送の送信用アンテナです。あのアンテナから衛星放送の映像データが通信衛星に送られています。一番大きいものが直径13mです。アンテナは大きければ大きいほど、精密な電波が送れるんですよ」
 あそこから送られた電波を、通信衛星がはね返し、みんなのうちにあるアンテナが受けているそうです。
  「今回はこのアンテナが活躍します」
 言われて見上げた写真が2番目の写真です。直径8mとさっき見たアンテナより小さめです。

  「今回の実験で使用するKa帯という電波は、商用では使用されていません。現在、放送やデータ送信で使用されているのはKu帯という電波です。Ka帯はKu帯より周波数が高めなので、アンテナは小さくてすむんです」
 周波数が高ければ高いほどいいんですか?
  「ところが、周波数が高い電波は、雨やさえぎるものがあるとすぐ途切れてしまうんです。ラジオの電波みたいに周波数が低い電波だと、トンネルに入ってもしばらくは聞こえてたりしますよね。周波数が低い電波は、何かさえぎるものがあっても回り込んで届いたりしますけど、周波数が高い電波はすぐ跳ね返ってしまうんですよ。でも、周波数が高い電波は、受信する場合でも小さなアンテナで済みますので、雨などの問題を解決すれば、たとえば10円玉くらいの大きさのアンテナを壁に張るだけで、衛星放送が見られるなんて事も出来るようになります」
 Ka帯が実用化されれば、衛星放送がよりお手軽に見れるようになる、と言うわけです。
 このアンテナは通信衛星に情報を送信するほかに、衛星からの電波を常に受信して、衛星の軌道がずれたりしないように常に監視しています。
 もし、軌道がずれたときは?
  「監視はコンピュータが行っていますが、修正は人が操作して行います。アラームが鳴ると、当番の人が飛んでいって修正作業をします」
 結構大変そう。修正まではコンピュータ任せとは行かないようです。

 次は受信用のアンテナ。うわあ小さい。
  「小さいと言っても直径180cmはありますよ。実験用なので大き目のものを使っています」
 どうやら大きなアンテナばかり見すぎて、感覚が麻痺していた模様です。
  「このアンテナからも情報を発信しています。今回の実験のように、インターネットとつなげた場合、たとえば皆さんが見たい映像のアイコンをクリックすると、サーバを通してその情報が通信衛星に送信されます」
 おっと、お話が出たところで、そろそろ実験の様子を見せていただきましょう。



↑今回使われたサーバ。奥のサーバでデータを送信、手前のサーバでデータを受信、パソコンに出力します

↑右から関さん、林さん。あとの二人は説明を聞く虫ん坊スタッフです