手塚治虫の代表作である『ジャングル大帝』は何度もアニメ化されていましたが、原作の第三部にあたる「月光石」の物語は一度もきちんと映像化されたことがありませんでした。『新ジャングル大帝 進めレオ!』はこの第三部を1として映像化したものではありますが、対象年齢を低く設定した関係とスポンサーの事情があり、雪山でレオが人間ヒゲオヤジの命を守るため、自らの命を犠牲にする、という壮絶なクライマックスをハッピーエンドに変更していました。つまり手塚治虫が本来描きたかったレオの自己犠牲によって、はじめて浮かび上がってくる「すべての命は平等である」というテーマを、今回の劇場版ではじめて映像化している、というわけです。アメリカで作られた『ジャングル大帝』そっくりのアニメーションでは「命の循環」ということがテーマとなっていましたが、手塚マンガはその「サークル・オブ・ライフ」をすべての物語の基本設定として、そのさらに先にある「この宇宙にはたったひとつの生命しかない。だからこそ、すべての生命は平等で尊いのだ」というテーマを見据えていました。あなたの生命は私の生命。レオの壮絶な死から、そんな『火の鳥』にも通じる手塚治虫の生涯のメッセージを読み取ってください。
(C)手塚プロダクション/松竹/「ジャングル大帝」製作委員会
松竹系ロードショー/99分/カラー
手塚プロダクション、松竹/1997年8月1日
レオ:津嘉山正種
ライヤ:倍賞千恵子
ルネ:柊 美冬
ルキオ:椎名へきる
トミー:龍田直樹
ココ:肝付兼太
ブラッザー:谷啓
パグーラ:伊武雅刀
ビゾー:鈴木蘭々
ヒゲオヤジ:富田耕生
ハム・エッグ:立川談志
ラムネ:松本保典
原作:手塚治虫
監督:竹内啓雄
音楽:冨田勲
製作:松谷孝征、幸甫
企画:清水義裕、古徳稔、石田康男
プロデューサー:久保田稔、宇田川純男、秋葉千晴
脚本:竹内啓雄、手塚プロダクション文芸部
作画監督:杉野昭夫
音楽監督:東上別符精
音響監督:千葉耕市
美術監督:安部行夫
撮影監督:玉川芳行
指揮:大友直人
演奏:東京交響楽団
演出:五月女有作、吉村文宏、桑原智
編集:森田清次
製作協力:WOWOW、ソニー・ミュージック エンタテインメント、バンダイビジュアル、BMGジャパン
製作:手塚プロダクション、松竹
イメージソング:「WIND SONG」
作詞:坂元裕二
作曲、編曲:日向大介
歌:松たか子
「ジャングル大帝」応援団 特別出演:
泉谷しげる、大槻ケンヂ、大森はじめ(東京スカパラダイスオーケストラ)、北原雅彦(東京スカパラダイスオーケストラ)、車だん吉、涼風真世、竹下景子、手塚眞、中井貴一、浜崎貴司(FLYING KIDS)、林家木久蔵、林家こぶ平、Bro.KORN(五十音順)