虫ん坊

『どろろと百鬼丸伝』連載スタート! 士貴智志さんインタビュー【前編】

2018/11/19

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『どろろ』のリメイク作品、『どろろと百鬼丸伝』の連載が「チャンピオンRED」でスタート!!
手掛けるのは現在『進撃の巨人』のスピンオフ作品『進撃の巨人 Before the fall』の作画を担当し、海外で個展を開催するなど国内外で活躍する士貴智志さん。
そのインタビュー内容を前編・後編に分けてお送りします。
情報が解禁されてから話題となっている本作について、経緯やキャラクターについてはもちろん、マンガ家となるまでのお話なども伺いました。



士貴智志(しきさとし)

漫画家、イラストレーター

1970年生まれ。愛知県出身。代表作に『神・風』『光と水のダフネ』『XBLADE』など。
現在、「チャンピオンRED」(秋田書店)にて『どろろと百鬼丸伝』(原作/手塚治虫)
「月刊少年シリウス」(講談社発行)にて『進撃の巨人 Before the fall』(原作/諫山 創『進撃の巨人』 小説原作/涼風 涼)
をそれぞれ連載中。



―――マンガ家としてデビューし25年以上のキャリアを持つ士貴先生ですが、小さい頃から絵を描くのはお好きだったんですか?


士貴智志さん(以下、士貴) 人間以外の異質なものを描くのが楽しくてよく描いていましたね。最初に描き始めたのは「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」などのロボットで、なぜだか分からないけど、煙突から出る煙を描くのも大好きでした(笑)。その延長線上だったのかな。モンスターや妖怪も描くようになっていって。


―――なんと、そのころから妖怪を! もともと、同人誌を描かれていたと伺っていますが、マンガはいつごろ描き始めましたか。


士貴  中学生になってからですね。マンガとの出会いは小学生のときに読んだ『週刊少年ジャンプ』や『週刊少年サンデー』だったんですけど、僕が中学・高校生の頃には同人文化が確立されていて、同人誌を描いて即売会で発表するという下地が出来ていたんです。自分が好き勝手描いたものを手に取ってもらえる、そんな楽しい場があるんだと知って、マンガ家の伊藤明弘さんが主催する同人サークルに入って活動をしていました。


―――そのときはどのような作品を描かれていたのでしょうか。


士貴  オリジナルのSFものを描いていました。サークル内で描くテーマを決めて描くんですけど、とあるバトルもので敵と味方がいたとしたら、味方の視点と敵側の視点で描くということをしていたんです。ゲストの作家さんを呼んだら、敵や味方のいろんなサイドストーリーや中立の民間人のサイドストーリーを描いてもらったり。高校1年生くらいから、コミケにも参加するようになりました。楽しかったですね。なかなか売上には結びつかなかったですけど(笑)。

東京に出てくるきっかけも、同人界隈で知り合った友達繋がりからでした。広めのマンションを借りて共同生活を送っていた彼らのもとに転がり込ませてもらって、4LDKの結構広いマンションに男5人くらいで住んでいました。


―――みんなで漫画家を目指すという。なんだか、トキワ荘のような......?


士貴  いや、僕以外、全員プロもしくはデビュー経験がありました。ただ、プロとしてマンガを描いている人たちに囲まれて、編集者がよく出入りする環境に身を置けたのはすごくラッキーでした。原稿を待っているときに、「僕も漫画家を目指してこういう作品を描いているんです」と読んでもらったりしていましたから。それがきっかけでKADOKAWAでデビューが決まったので、僕個人としてはものすごく重要な時期でしたね。


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写真は、台湾で開催された個展でのライブドローイングの模様。他、限定のサイン会も行われた。イラストは『進撃の巨人before the fall』(『月刊少年シリウス』で連載中)よりキュクロとシャルル。


―――その後、ずっとマンガ家として国内外で活躍されるわけですが、絵の世界で長く続けていくには何が必要だと思いますか。


士貴  プロに囲まれていたときもそうですが、僕のまわりには僕以上に絵が上手い人が必ずいたので、負けるもんかという反骨心が幼い頃からずっと培われて来ました。その気持ちが今の結果に結びついたと言っても過言ではないくらいです。

あとは、絵を描く人、みんなそうだと思うんですけど、おのおの得意な絵柄があるはずで、それこそが絵の世界でずっと生きていくための"武器"だと思っています。十二分に"武器"を発揮できる作品に出会えることが、人気作品に繋がりますし、何より自分で描いていて楽しいはず。


―――"武器"という言い方がいいですね。"武器"は持つだけでなく、磨かなければいけませんよね......。絵を描くときに意識していることを教えてください。


士貴  このキャラクターをもっと格好良く描きたいっていう欲求って、絵を描いている喜びの部分でもあると思うんです。
絵描きとして自分なりの意見なんですけど、昨日描いた絵が描いた時点で満足しても次の日にここ直せば良かったって気付けるのって、成長だと思うので、ひとつ納得した絵を描いたら、そこを到達点だと思わずに、昨日描いたものより今日うまく描きたいという気持ちで描き続けていくのが重要だと思います。自分の頭のなかでイメージする絵はもっとうまいはずだとか(笑)。いまでもずっとその繰り返しです。



■次回予告


インタビュー後編では、いよいよ『どろろと百鬼丸伝』について迫ります!
12月19日(水)公開予定ですので、お忘れなく!



■プレゼントのお知らせ


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