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虫ん坊 2011年4月号 オススメデゴンス!:『火の鳥 生命編』

 虫ん坊4月号、オススメデゴンスでは、「火の鳥 生命編」をご紹介します!
 そろそろ桜の咲き始める季節になりましたね! 映画「ブッダ」もいよいよ間近となりました。特集でも取り上げたように、上野の東京国立博物館で展覧会が始まるなど、関連イベントも盛り上がってまいります!
 「ブッダ」は仏教の開祖であるシッダルタが、生命の本質を追求する物語。手塚治虫による生命観が語られる名作ですが、今回の「オススメデゴンス」では、さらに別の視点から、「生命」について考えた作品を取り上げてみました。タイトルもずばり、「火の鳥 生命編」。もし、生命がいたずらに粗末に扱われるような社会があったら、どんな悲劇がまっているのか? 高齢化社会や、マスメディアの行過ぎた娯楽主義など、遠い未来の日本を舞台にしていますが、現実の社会にもいろいろな教訓をもたらしてくれます。とってもシリアスな読後感ですが、読んで決してソンはありません!


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読みどころ:

虫ん坊 2011年4月号 オススメデゴンス!:『火の鳥 生命編』

「火の鳥 生命編」は、近未来を舞台にした作品で、「テレビの視聴率のために生命をもてあそぶ人間」が主人公として設定されています。そのため「思い上がった人間と、それを罰する火の鳥」という図式が明確で、「火の鳥」のシリーズの中でも比較的わかりやすいテーマを持った一作といえるでしょう。


虫ん坊 2011年4月号 オススメデゴンス!:『火の鳥 生命編』

 TV局のプロデューサー・青居は、クローン動物の狩りを見せる番組「クローンハンティング」のテコ入れのため、クローン人間狩りを企画します。世界にたった一つだけ、アンデスの山奥にあるクローン生物の研究所を訪れた青居は、現地で“鳥”と呼ばれている人間に会います。“鳥”は仮面をかぶった謎のまじない師で、クローン技術の権威でした。実は研究所のスタッフも、“鳥”に技術を教わって哺乳類のクローンに成功したのです。しかし、青居が待ち望んでいたクローン人間の登場は、逆に彼にとてつもない不幸をもたらすことになるのです…。


虫ん坊 2011年4月号 オススメデゴンス!:『火の鳥 生命編』

 視聴率最優先の登場人物達が織り成すストーリーは、「マスコミの狂気」や、「飽きやすく、刺激を求める視聴者達」など文明批判も明確で、ストレートに読者の心に届きます。


 また、物語の途中から孤児の娘・ジュネが登場し、青居とともに野性の中で生活する事になりますが、そのジュネ個人の運命に収束されていくラストシーンの味わいは、壮大なスケールの「火の鳥」というより、むしろ「ブラック・ジャック」のような秀作短編に似ているといえるでしょう。

虫ん坊 2011年4月号 オススメデゴンス!:『火の鳥 生命編』







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