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虫ん坊 2010年1月号 トップ特集1特集2オススメデゴンス!コラム投稿編集後記

特集1:コンベックスショップ オープン!

 

特集1:コンベックスショップ オープン!

CONVEX代表 有井崇さん

 大阪を拠点に、キッズアパレルをメインにポップでかわいい商品を作り続けているブランド・CONVEX。2007年の「JAM ジャパン・アニメーション・コンテンツ・ミーティング(現ジャパン・アニメコラボ・マーケット)」をきっかけに…、手塚プロダクションとコラボレーション、CONVEXのメイン・キャラクター「ミュータンくん」と鉄腕アトムのコラボレートキャラクター「ATOMUTAN」が登場しました。
 その後、キッズ向けTシャツから雑貨、フィギュアやぬいぐるみなどで商品展開をしてきたCONVEXがついに東京に直営ショップをオープンしました。場所はとりわけファッション感度の高い裏原宿。新ショップでは、おなじみのATOMUTANのほか、「ジャングル大帝」や「ブラック・ジャック」とコラボレーションした新作も登場し、手塚ファンにもうれしい展開になっています。

 虫ん坊では、「CONVEX」の代表であり、デザイナーでもある有井崇ありいたかしさんに、コラボブランド「ATOMUTAN」の今後の展開や、手塚治虫作品についての思い入れなどをお話していただきました。



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アトムが原宿に登場!CONVEXショップオープニングイベントレポート



―― 手塚作品とのコラボレーションのきっかけを教えてください。

有井さん(以下、敬称略):手塚とのコラボレーションは3、4年前からだと思いますけれども、初めは、ギフトショーに手塚プロさんが出されてて、僕の知人に声をかけてもらったんですよ。僕も手塚さんの絵が好きだったので、「やれたらいいですね」という感じで、企画案を出させていただいたんですけれども、それから半年ほどして連絡があって、それからはとんとん拍子に話が進んで、1回目の「JAM」というイベントで、トークショーをやらせてもらったり。
  その後、ギフトショーにも大きくブースを出してもらったりとか、ショップバックを作ってもらったりとか、ずっとお世話になりっぱなしで。

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―― 手塚治虫ファンのメインはやはり、シニアだったり、30代以降の層だったりする中で、キッズ向けのコラボレーションということで、こちらこそお世話になっています。ショップも裏原宿という素敵な場所で、ぴったりですね。

有井:僕、もともと原宿ってすごく好きな場所で、――大阪にいるから余計なんですけれども、一度は出してみたい、というところだったので、よかったなあ、っていう。位置も良いところですし。


―― 東京には、長い期間滞在されたことはあったのですか?

有井:今回が一番長いかも知れないです(笑)。一時、お台場などにも期間限定のショップを出していましたけど。
 手塚さんとは、おおきなイベントイベントで一緒に出来ていることがうれしいな、と思います。今回もオープニングにアトムが来てくれたりとか、オープン用のTシャツを作らせてもらったりとか。


 

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パロディ商品も魅力のひとつ。日本人なら誰もが知ってる、あの錠剤のパロディ商品、中身はラムネ。元気になれる!?

―― お店の商品の中にも、薬ブランドのパロディのラムネがあったり、ぴりっと聞いたパロディ要素が特徴だと思いますが、コラボレーションしたり、パロディしたりするときに、対象はどんな感覚で選んでいらっしゃるんでしょうか?

有井:基本、僕個人がやっているブランドなので、僕が好きかどうか、がチョイスの基本ですね。やるからには、どれだけいじらせてもらえるか、というのがポイントなんですけれども、手塚作品については好きにやらせてもらっているので、やりがいがあるというか。
 もっとやりたいことはあるんですよ。こういうところに出てきたからには、いろいろ挑戦できるな、と思っているんですけれども。


―― 今後は東京にもちょくちょくいらっしゃるんですか?

有井:そうですね、月に一度は行かなければな、と思っています。
 今までずっと一人でやってきたから、出来るところは人に任せていかなければいけないな、と思ってはいます。
 昔は一人で全部やるのがかっこいいと思っていたんですが、最近は考え方が変わってきて、みんなで一緒にちゃんと作っていかなきゃならないな、と思っています。ちょっと遅いんですけど(笑)。


 

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チームワークも重要、と有井さん。ごったがえす店内を切り盛りされるスタッフの方がた。スタッフブログも頻繁に更新されている。

 

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こんなところにもミュータンくん。遊び心がいっぱい。実はこのミュータン君、どくろ柄のお洋服です。


―― むしろ、いままですべてお一人で手がけていた、というのは驚きです。

有井:そういった意味ではまだまだ伸びしろがあると思っています。これからもやりがいがあるな、と。
 たとえば、これからはかわいいだけじゃなくて、かっこいいものも作っていけたらな、と思っていて、たとえば「ブラック・ジャック」とか、もっと押していきたいんですけど、ブラック・ジャックで、大人向きのTシャツは作りたいな、と思っているんですよ。こういうデフォルメしたタッチじゃなくって、実際の絵のブラック・ジャックとミュータンが競演して、たとえば手術しているところの絵とか、そういうブラックな感じも、してみたいな、と思いますね。


―― ちょっと怖いというか、そういうとがったテイストも面白いですね。

有井:これまで、ミュータンはかわいく、大事に育ててきたので、一回落とすのもいいのかな、と。今までもたまにあるんですよ。おぼれてるプリントとか、倒れてて頭からケチャップみたいのがダーっとたれてたり(笑)とかもやったりしているので、そういうのは今後コラボでもしたことが無いので、やっていきたいな、という。
 手塚プロさんでは、そのあたりも懐深く考えていただいているんで、助かっているというか、考える幅を狭めないでアイディアがだせていると思います。制約があまりない分、より面白いことが出来るのかな、と。


―― ミュータンくんはすでに、怖い感じのテイストの絵柄にも登場していますよね。
有井:がい骨とか、どろどろしたものばかりやっている「シークレットベース」というおもちゃ屋さんがあるんですけど、そことのコラボ商品はやっぱり、どろっとした感じのものになりますね。
 そんなものばかりになってしまうと、やっぱりまずいんですけれども、かわいいのもちゃんとありつつ、あえて狙ったものもやりたいな、と思って。
 ここが出来てから、チャレンジがいっぱい出来そうです。守りにばかり入らずに攻撃的なことをいっぱいできそうなので、それは楽しみです。大人の方はブラックなのも結構好まれるので、かわいいけどちょっとブラック、みたいな路線もやっていきたいなと思っています。
 

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いろいろなところからのお祝いの花!


―― ミュータンくんは息子さんがモデルということですが、有井さん自身が子供の時代に、印象的なエピソードはありますか? 今のお仕事をされるきっかけなどがありましたら、教えてください。

有井:きっかけというか、昔から絵を描くのが好きで。一からオリジナルに描くのも好きなんですけど、好きな絵を写すのが好きで。好きな絵を写して、きれいなマジックやペンで清書をして、ボール紙に貼りつけてコレクションしていましたね。小学校低学年ぐらいの、本当に小さい頃だったと思うんですけど。
 そのころからデフォルメが好きだったみたいで、自分でデフォルメして、グッズのようなものを作っていました。ものの作り方が小さい頃から一緒だったですね。サンプリングをして形にしていく、という。


―― サンプリングの仕方も面白いですね。

有井:それはもう、好きだからだと思います。それぞれのデザインなどが。


―― 手塚治虫キャラクター以外のブランドとも、コラボをされていますが、それぞれにミュータンくんの描き方が違うように思いますが。

有井:そうなんですよ! コラボレーションするときには、相手のにおいを残すのが好きなんですよ。たとえばサンリオとのコラボの時には、サンリオのタッチを残したいと思ってるんですよ。その上で自分のアドリブを出して、というのが好きなので、完全にこっちの色にするのは好きじゃないですね。手塚先生とのコラボの時も、それは意識してやっています。


―― 手塚作品には、特別な思い入れがあるのでしょうか?

有井:ちょっと、前の小さい頃のエピソードの話に戻りますけど、うちの父親がすごく絵が上手くって、すごく印象的な話があるんですよ。小さい頃、僕、プールを習ってたんですよ。でも、あまり好きではなくて、正直なところ、やめたかったんですよ。歳は幼稚園ぐらいだったと思うんですけど、プールの時間にやっていた「ウルトラマン」のほうが気になって。そっちを見たかったんですけど、そのころ泳ぎはじめで、まだヘルパー(注:泳ぐときにつける浮き輪のような補助器具。腕につける)をつけてたんですけど、それに手塚のキャラを描いてもらったのをすごく覚えていて。フリーハンドなんですけどめっちゃ上手くて、なんでそのチョイスなのか、いま考えると不思議なんですけど、お茶の水博士を描いてくれて。作品を見るより前に、そっちからの入り込みがありました。
 そのころ、まだ小さかったので、アニメとかも見ていなくて。僕の場合は、漫画のほうが先ですね。小学校ぐらいのころに「ブラック・ジャック」が好きで、単行本で結構読んでいました。子供ながらに、勉強になるな、と思いながら読んでいたのを覚えていますね。友達のお兄ちゃんが持っているのを借りて、みたいな感じだったと思うんですけど。
 手塚作品は父親も良く知っている、という、世代を超えて支持されてきたすごさを感じます。この仕事が決まったときは、親も喜んでいましたね。
 アニメだったら、「リボンの騎士」とか「ふしぎなメルモ」を見ていました。姉がいたので、メルモちゃんとかも好きでした。


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子供たちに囲まれるアトム。


―― ミュータンくんのモデルとなった息子さんは、やはり有井さんに似ていらっしゃるのでしょうか?

有井:顔や立ち居振る舞いなんかは、似てるみたいなんですけど、性格はぜんぜん違っていて。たぶん、僕とは違う方向に行きそうな感じです。逆に娘のほうが器用で、絵も上手くて、僕のほうに近い、というか。小さい頃はみんなで絵を描いたりとかもしましたね。
 自分がミュータンくんのモデルになってることは分かっているらしくて、やっぱりうれしいみたいですね。服も着てますし、グッズも使ってます。結構目立つ服なので、学校の先生とかに「ええのん着てんな」とか言われたらうれしいみたいで。親が作ってるし、モデル自分だし、っていうことで。でも、一時、下の娘にぼやかれましたけどね。「私だけない」って。で、一度女の子のキャラクターを作ったんですけど、できばえがあまり気に入らなくてだんだん登場しなくなっちゃった。
 身近なものからキャラクターを作るのが得意で、犬を飼い出したら犬のキャラクターを作ってみたり、要は自己満足度が問題なんですけれども(笑)。でも、コラボレーションも結局、僕がやりたいところとやらないと上手く行かないというか、納得いくものが出来ないです。売れ行きなんかはあまり気にしていなくて、…本当は気にしなくちゃいけないんですけれども、それよりも自分の中で「やった」感というか、満足感が重要ですね。「こんなかわいいのが出来た」とか「こんな面白いことが出来た」というのが重要で、もちろん、それが売れたらベストなんですけれども、売上ばかりを考えると、なんだか枠に収まってしまうようなところもあるので…。


―― ファンの方から、リクエストをいただいたり、またそれを取り入れたり、ということはありますか?

有井:前に出したあの服や雑貨がもう一度ほしい、とか、そういう声をいただくことはあります。最近、雑貨のリクエストの声が多くなってきたので、今後は雑貨を増やしていこうと思います。よいパートナーの会社も見つかったし。アトミュータンも、これまではTシャツばかりだったんですけど、カバンとか、フィギュアなどの雑貨も増やしていきたいです。年齢層も、大人ももてるようなものを作っていきたいな、と。


―― 開店にあわせた福袋もいま予約受付されていますね。

有井:なんやかんや言ってもうちの服は高いので、普通の価格だとスタートしにくい人もいらっしゃるので、オタメシしたい人向けに作りました。福袋から着てもらって、その後気に入ってもらって、高いですけど、普通の商品も買っていただけたら良いな、と思っています。着たときに、値段に見合った満足度を味わっていただければ。


―― 今後、手塚治虫とコラボした「ATOMUTAN」では、どのような展開をやりたいと思っていますか?

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若い人も写真を撮っています。

有井:今後は立体物なんかも作ってみたいですね。ほかのキャラクターももっといっぱい取り入れていきたいと思っていて。オープン記念のイラストに、オールキャラの絵柄を使わせていただいて、とてもうれしかったですね。しかも、そのキャラクターたちの中にうちの「カエルのディロッグ」を入れてもらったりとか、前でミュータンとアトムが握手してたりとか。冷静に考えたら、こんなの、普通出来ないよな、と。
 この喜びを忘れずに、もっといろいろ行きたいな、と思います。
 レオは前の展示会で、ブラック・ジャックはこのショップからのデビューなんですよ。イチオシの商品はレオとミュータンが後ろ姿で、夕日を見ているデザインのTシャツです。背中だけにプリントしたものなんですけど、ものすごくかわいくて、上手く出来たな、と思っています。レオも、ミュータンも、背中側にはあまり特徴がないのに、両方ともキャラクターが立っていて。

―― ほかに、「これはやりたい!」っていうキャラクターはいますか?

有井:「悟空の大冒険」がやりたいですね。


―― それは初耳です!

有井:あれもキャラクターからいいな、と思ったんですけど。かわいいじゃないですか。
  それから、「三つ目がとおる」とかもしていきたいのと、いままでのキャラクターを掘り下げても行きたいですね。「アトミュータン」には、物語がついているので、その先の物語も考えていきたいですね。
  でも、ストーリーを考えるのは得意ではないので、できればストーリー作家の方などに考えていただきたいですね。


―― デザインにストーリー性を感じるので、お得意だと思っていましたが。

有井:いえ、苦手ですね。ストーリーを考えることについては、すごい人がいっぱいいらっしゃるので。絵にしてももっとすごい人はたくさんです。常に勉強のつもりでやっています。僕もまた成長していかないと。
  初めてまだ3、4年ですけど、作品もタッチも、最初のものよりもっともっと成長していきたいです。「最初はイマイチやったな」ぐらいの感じで、がんばりたいですね。
  でも、実際そうなんですよ。僕、デザインを始めて15年で、独立して9年経つんですけれども、最初のころの絵とか、恥ずかしいですもんね。


―― コラボレーションをすることで、ご自身のデザインに何か新しいテイストがくわわったり、ということはあるのでしょうか?

有井:デザインはあまり考えずにやっているんですけど、間違いなくテンションが上がるんで、そこが良かったな、と。でも勉強はしますよね。タッチの感じを近づけよう、とか。


―― ご自身のキャラクターたちにも、新しい仲間が増えたりしますか?

有井:今のところは、ミュータンとディロッグを育てていきたいと思います。新しいのはあまり考えてないです。


―― ミュータンくんはもうおなじみですが、ディロッグはどんなキャラクターなんですか? 不思議なキャラクターですよね。熊がカエルのぬいぐるみをかぶっているような。

有井:ディロッグはまだ出来て2年ぐらいなんですけど、これも面白くて、はじめは犬だったんですよ。犬が宇宙服を着ているのが最初で、今とぜんぜん違うんですけど。描いているうちにだんだん変わっていった、というか。考えているうちに、犬の宇宙服のキャラクターって、あまりかわいくないな、と思って。なにかミックスしたようなキャラクターを作ってみよう、と。
 ポイントで言うと、カエルなんですけれども、のどのところにテディ・ベアがついてる、っていうキャラなんです。


―― へえ! そうなんですか!

有井:だから、この、カエルの顔のところにしか表情が無いんですよ。カエルのところが本体で、このクマの顔はテディ・ベアなんです。


―― そう考えると、ちょっとグロテスクなキャラクターですね。でも、かわいいんですね。

有井:グロテスクなふうに見せないようにはしているんですけど、実は、被り物をかぶったクマ、じゃないんですよね。
 手塚作品にも、とても個性の立ったキャラクターがたくさんいますからね。今後はミュータンだけじゃなく、ディロッグもキャラクターたちと絡んでいきたいですね。

特集1:コンベックスショップ オープン!
© CONVEX


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―― 最後に、虫ん坊読者に向けてなにかメッセージはありますか?

有井:コラボレーションしている側から言うのもなんなのですが、手塚ファンにとっては、「手塚先生のキャラクターをいじってほしくない」という気持ちがあることは、僕もキャラクターが好きなので、良く分かるんですよね。でも、先ほども言いましたけど、手塚先生のメインファンって、僕より少し上の人が多いとは思うんですが、子供服ブランドとしては、手塚先生の作品を次の世代に受けついでいくことに、一役買えたらいいな、とは思っています。
 このショップのオープンの時に、アトムに来てもらいましたが、あのときに集まった子供たちって、5歳か6歳ぐらいで、その両親たちもどちらかといえば、手塚メインの世代じゃないじゃないですか。それでも名前も通っているって、すごいな、って。それをもっと伝えていかないと。
 きっかけはコラボ商品でも、そこから原作を読んでみよう、っていうふうになってくれたらうれしいです。


―― 本日はお忙しいところにお時間いただき、ありがとうございました!


 

CONVEXショップはJR原宿駅・地下鉄千代田線明治神宮前駅から徒歩でいける距離で開店中! 原宿にお越しの際はぜひお立ち寄りください!


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ショップ名:CONVEX TOKYO
営業時間:12:00〜19:00 水曜定休
場所:東京都渋谷区神宮前3-22-1 神宮前スクエア101
Tel:03-6411-4025
ショップブログ:http://ameblo.jp/convex-tokyo/


ほかにも、CONVEX商品を取り扱うショップは全国で展開中! 
詳しいショップリストはこちらで確認してみてね!
http://www.convex.jp/2009/?page_id=9




<関連リンク>

株式会社convex
http://www.convex.jp/

有井崇さん公式ブログ
http://ameblo.jp/convex-mutan/



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