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ストーリー

「らびちゃん」は、手塚治虫お得意の動物ファンタジーものです。幼年向けということで、一回のエピソードが見開き2ページという短さながら、手塚治虫の色彩感覚がフルカラーで味わえる、贅沢な連載でした(残念ながらTezukaOsamu@Bookではモノクロでの配信です)。余談ながら、手塚治虫の妹・美奈子さんと夫人の悦子さんは、締切りに追われてこの作品の色塗りを手伝わされたことがあるそうです。らびちゃんは、うさぎ一家のちょっとわんぱくでワガママな子供ウサギ。毎日まきばや森の中で元気よくほかの動物達と遊んでいますが、時にはケンカしたり、失敗したり。そんなドタバタ劇が、幼児向けのわかりやすい絵とストーリーで、ほのぼのと描かれています。レオやアトムといった、優等生的なキャラクターとは違いますが、ちょっと欠点のあるらびちゃんだからこそ、子どもたちへの教訓を含んだストーリーを、無理なく、わかりやすく演じられると言えるでしょう。コロコロとしたタッチで描かれた、かわいい動物達は、まさに手塚ファンタジーの世界です。青年向け・大人向けのハードな社会派作品や、重厚な大長編作品などを読み疲れた時、気分転換にほのぼのした気分を味わいたい時には、うってつけの作品です。

解説

1960/04-1961/12 「たのしい幼稚園」「たのしい一年生」(講談社) 連載

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