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ストーリー

ハナダカバチのおかあさんはせっせと獲物を採っては、巣で待っている赤ちゃんのところへ運んでいます。けれどある日、巣のドアをトントンと叩く人がいました。お母さんだと思って赤ちゃんがドアを開けると、そこにいたのはハエのおばさん。「あかあさんはおいしいごはんをたべさせてくれるかい?」尋ねたハエに「うん、」と答えるといきなりハエは赤ちゃんを地面に埋めてしまいます。そして自分の赤ちゃんを巣の中に残し、お母さん蜂が赤ちゃんに与える餌をみんな食べさせてしまうのです。それに気づいたお母さんは烈火の如く怒ってハエを追い払い、赤ちゃんを助け出しました。

解説

ハチの仲間の中で唯一、獲物を殺してしまうハナダカバチの生態を絵物語の形でやさしく解説した作品です。魔法使いのおばあさんのような姿で現れるハエのお母さんなど、絵本ならではのユーモアにあふれています。巣には必ず蓋をして狩に出かけて行く、という習性も作品の中に無理なく採り入れられていて、昆虫の観察が趣味だった手塚治虫の面目役如といった感じです。

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