ある日、蝶の奥さんから赤ちゃんのお守りを頼まれたびいこちゃん。お守りは大好き! と引き受けたのはいいけれど、赤ちゃんと言うのはびいこちゃんよりも体の大きなイモムシです。おんぶしようとしても、逆に背中に乗って運ばれてしまうびいこちゃんです。その上、ちょっとお昼寝している間に赤ちゃんはしなびて皮だけの姿になっちゃった。びいこちゃんはもうびっくり仰天。あかちゃんがしなびちゃったあ! と泣くのですが、大丈夫、赤ちゃんは脱皮しただけなんです。
ミツバチのびいこちゃんのおっちょこちょいぶりを可愛らしく描きながら、手塚治虫はやさしく丁寧に昆虫の生態を幼子たちに教えてあげています。そんな昆虫の世界への超入門書といった趣のこのシリーズは、昆虫図鑑なんかには絶対に近づきたくない、と思っているような虫ぎらいの女の子たちでさえ、楽しく笑いながら虫の世界に触れることが出来るでしょう。