先月6月11日から29日まで、東京メトロ副都心線の開通を記念して、新宿高島屋・2階ウェルカムゾーンにて、使用済み切符を使用したアート作品がお目見えしていました。
 今回の虫ん坊では、この「切符deアート」について、ご紹介いたします!

●サイズ322センチ×210センチ! 特大アートの原材料は、使用済み切符。
 白黒の点描のような手法で描かれた大きな絵のアトム。新宿の高層ビル街をバックに、アトムとウラン、お茶の水博士、ヒゲオヤジがあしらわれたこの絵は、実は全て東京メトロの各駅で回収された使用済み切符でできています。 東京にお住まいの方や、最近東京に旅行された方、あなたの使った切符がどこかに使われているのかも!?
  デザイン画像は白黒の2色で点描のように置き換えられて表現されています。あまり近づくと何が描いてあるのか分からなくなってしまいます。でも遠くから見ると、ちゃんとアトムの絵に見えるのが不思議です。

●制作手順

 切符を使って作られたこの絵、どんな風にして作られたのでしょうか?
 制作手順を簡単にご紹介します!

1. 完成図のデザインを、200枚の長方形のブロックに分割します。
2. 200枚のパネルには、図のように白と黒の升目が描かれています。 この色の指示に合わせて切符を貼っていきます。台座の裏面には、その部分がどこの絵に当たるかが、番号と赤い囲みで分かるように指示されています。これなら間違えて並べてしまう心配もありません。
3. 最下段のマス目に沿って、半透明の両面テープを貼り、テープのはみ出し部分をカットします。 それから、穴の開いているほうを上にして、切符の右角をマス目の右角に合わせる形で、グレー地には切符の表面を、黒地には切符の裏面を左下から右へと、最下段の一列を貼り付けていきます。
4. 一番下を完成させたら、一番下の段の切符の上と、2段目のマス目の部分に両面テープを貼ります。 このとき、台座からはみ出した切符は大切なので、切ったりしないでとっておいてください!
5. 最下段と同じ方法で2段目を貼っていきます。以下同様に全部の段を貼ってください。
6. 台座から左1マス分、下2マス分はみ出した形で絵の一部が完成! これを他のパネルと張り合わせていきます。
7. 切符がはみ出した部分を上にして、台座同士を貼り付けていきます。実は、それぞれの台座の上2マスと、右1マスは要らない部分。 これをとなりの台座のはみ出した切符で隠すと、ちゃんと絵が完成するようになるのです!
8. 台座を全部張り合わせると、絵が完成! このままだと、切符がはみ出した部分などがありますので、木のパネルに貼り、裏から木ねじで固定していきます。
9. 切符がはみ出し、絵に関係ない部分を額装して隠し、完成です!
やはり一番大変なのは、200枚もの台座に切符を一枚一枚貼り付けていく作業。 この作業は展示会場でもある新宿高島屋や、そのテナントである東急ハンズ、HMV、紀伊国屋書店などをまじめ、新宿区高田馬場福祉作業所の皆さん、 戸塚第二小学校の児童の皆さんなどなど、様々な方のボランティアで完成されたものということ。なお、使われた切符は全部でなんと、13万8千枚とのこと!

制作された皆さん、お疲れ様でした!
除幕式には、新宿区長・中山弘子氏と、手塚プロダクション社長・松谷孝征社長が招かれ、幕を引きました。存在感のあるアートに、周囲からは歓声と拍手が沸き起こりました。
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この壁画ですが、今後は6月30日から7月30日までの1ヶ月間、新宿区役所・本庁舎1階ロビーの展示コーナーに展示されることになりました!  正面玄関を入って右手に飾られます。
高島屋展示中に見られなかった方は、新宿区役所に足を運んでみてはいかがでしょうか?