■今月の読者レポートは、「手塚治虫文化賞」の10周年を記念して開催されたイベント「マンガ未来世紀」です。このイベントには、審査員の皆さんをはじめ、受賞者であるマンガ家の皆さんも大勢参加され、おおいに盛り上がりました。レポーターは田浦紀子さんです。 (写真提供/朝日新聞社) |
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9月10日、有楽町朝日ホールで行われた手塚治虫文化賞10周年記念イベント「マンガ未来世紀」に行って参りました。 |
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第1部 極私的マンガ事情2006 ひと言で言えばいしかわさん独特のゆるゆるトークで(笑)。これは「マンガ夜話」ですかっ!?な感じで始まった第1部。 |
内容は「手塚治虫文化賞」の選考にあたっての裏話なのですが、最初は審査員同士顔をあわせることなく「投票」で決めていたものの、途中からは「談合」(笑)で決めることに。しきりに「談合」を連発していたのがおもしろかったです。 |
第2部 画力対決七番勝負〜二人とも、ほんとに美大出身なんですか? しりあがりさんと西原さんが手塚キャラの絵を何も資料を見ずにスケッチブックに即興で描くというテーマ。 第3部 手塚治虫から続く道 21世紀の漫画家たち |
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第2部の内容をうける形で浦沢先生のアトムが披露され、会場からは「お〜っ!」という感心の声が。そもそも浦沢先生は手塚マンガの完全なコピーから始まり、大友克洋氏の影響を受けて今の絵になったそうなのです。それにしても、浦沢先生ってすごい。「サイボーグ009」の島村ジョーをサラサラと。さらに大友タッチの人間(若干上から見下ろした人間の後姿)を書き上げ「ここに影をつけたら大友さんの絵になるんです」。あまりの画力にただただ客席は感嘆するばかり。この人って本当に天才なんだ、と改めて思った次第です。 |
というわけで、あっという間の4時間半でした。今回3部構成だったイベントですが、それぞれ全然違う意味のおもしろさがあり、実に有意義なひとときでした。 ■このイベントの模様は10月中旬に出版される「ニッポンのマンガ」(朝日新聞社)に収録予定だそうです。で、調べてみてビックリ!な、な、なんと!この本、米国で発見された手塚治虫の幻の作品も完全収録、とあるではありませんか!?めっちゃすごいんじ ゃないですか!? |
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