■今回で 10 回目をむかえた、朝日新聞社主催の「手塚治虫文化賞」の受賞作が決まり、6月7日に東京・丸の内の東京会館にて贈呈式が行われました。今回も様々な作品が選ばれましたが、何と言っても大賞を受賞されたベテラン・吾妻ひでお先生の復活は、マンガ界でも大きな話題となりました。 |
第10回「手塚治虫文化賞」受賞リスト |
●マンガ大賞…吾妻ひでお『失踪日記』 |
■今年も贈呈式会場は、関係者をはじめ各賞の受賞者を祝う人々で賑わっていました。 『失踪日記』で「マンガ大賞」を受賞した吾妻ひでお先生は、「これからは真面目に生活します」「皆さんもアル中には気をつけて」と、作品の内容に合わせた自虐的なギャグで、短いながらも、会場の笑いを誘うスピーチを披露。 「新生賞」を受賞したひぐちアサ先生には、面白いエピソードが。実はひぐち先生は、高野文子先生に呼ばれて、3年前にも手塚治虫文化賞の贈呈式に来たそうです。そしてその2次会の席で「アフタヌーン」の編集長から「9月ぐらいから、ひぐちさんの連載考えてるんだよね」と告げられ、そしてその話が『おおきく振りかぶって』になり、今回は受賞者として会場にやって来た、とのこと。 |
「短編賞」の伊藤理佐先生は、「講談社漫画賞」を受賞したときに、担当編集者にお礼を言おうとして本番で全部飛んでしまった、と失敗談を披露。そして今回はメモを片手のスピーチでした。 最後に登場したのは「特別賞」を受賞した小野耕世さん。小野さんの父親は小野佐世男(おのさせお)さんという有名な漫画家なのですが、手塚治虫は小野さんと2人で歩いていた時、突然「君のお父さんが亡くなってからもう何年になるかな?」「小野佐世男さんは僕らの大先輩だからね」などと話し始めたそうです。小野さんはそのエピソードを紹介している最中、感極まった感じで何度も声を詰まらせていました。 |
トロフィーの贈呈終了後は、手塚眞さんが乾杯の音頭をとり、パーティーへと移行。受賞者への花束贈呈なども行われました。 |
|
|