■ 「ウダウダやってるヒマはねェ!」「フルアヘッド!ココ」などの代表作でおなじみの米原秀幸先生が、手塚治虫の「鉄の旋律」を原作とした作品「Damons(ダイモンズ)」を連載中です。

 昨今、現役のマンガ家による手塚マンガのトリビュート作品が数多く発表されていますが、手塚作品の中でもマイナーな部類に入る「鉄の旋律」をあえて取り上げたその狙いなど、気になる疑問を米原先生にぶつけてみました!

※「Damons」の正式タイトルは、aの上に「・・」が付きます。

↑米原先生自画像

■米原先生インタビュー

――なぜ数ある手塚作品の中から「鉄の旋律」を原作として選ばれたのでしょうか?

米原:誰も描いたコトのない「ヒーロー」が活躍する作品を!と考えていて、以前から気になっていた「鉄の旋律」に結びつきました。
 無骨と見える鉄の腕をテクノロジーとは無縁の力で操る主人公。そして一度はテーマにしてみたいと思っていた復讐劇。
 イメージをふくらませればふくらませるほど「今描くべきモノはこれ以外ない!」という結論に。


↑上・「鉄の旋律」、下・「Damons」。主人公の“武器”の違いに注目。↓

 ――「Damons」と「鉄の旋律」で、「ここは共通させたい」と考えている点は?
 また逆に、リメイクにあたって意識して変えている点があれば教えて下さい。

米原:共通点は主人公の孤独と憎しみ。
 それでいながら捨てきれない人としての優しさや情愛。原作とは表現方法やエピソードは異なっても、それらの点はぶれずに描きたいと思っています。
 変えている点は、戦う仇がテクノロジーを武器としている所。
 仇の対象に主人公同等にカメラをあてる点では原作と同じではありますが、それらのキャラが持つテクノロジーと主人公がどのように戦うか?! そのあたりで原作とは違う楽しみ方をしてもらえればと考えています。

――読者からの反響はどうですか?手塚ファンからの感想などは届いていますか?

米原:多くの反響をいただいています。
「今までの米原秀幸の作品とはテンションが違う!」といった感想を中心に心強い言葉が沢山届いています。
 手塚先生のファンの方々からは「この先原作の要素をどのように使っていくのか楽しみ」などの感想をいただいています。

――「鉄の旋律」以外で、刺激を受けた手塚作品はありますか?

米原:生まれて初めて(小学校1年生)手にした少年マンガが「週刊少年チャンピオン」でした。その中で何十回もくりかえし読んでいたのが手塚先生の作品です。
 雑誌に没頭していた私を見て母親が一言。「ひでゆきはお医者さんにでもなるのかい?」

――期待している読者に向けて、今後の意気込みをお聞かせ下さい。

米原:神様の名に気後れせず、気負い、ガムシャラな勢いで。

―どうもありがとうございました。

■「Damons(ダイモンズ)」は、「週刊少年チャンピオン」で好評連載中!

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(C) 2006 米原秀幸/週刊少年チャンピオン
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