女性に大人気の「モダンペット」など、さまざまなブランドをてがけるデザインチーム「 Play set products 」が、手塚キャラクターを愛らしくデザイン!このキャラクター達は、今後『tezuka moderno』という新ブランドとして、商品展開が予定されています。

今回の「虫ん坊」では、「 Play set products 」の中心デザイナーである中野シロウさんに、『 tezuka moderno 』に関するお話をうかがいました。

――今回デザインされた11キャラクターは、どのような基準でセレクトされたのですか?
中野:あのセレクトは、自分たちがメーカーとして作っている「モダンペット」というのがあって、それを作るための考え方がもともとあるので、描きやすいというか、ウチのやり方としては「製品にしやすいだろうな」と思えるところからですね。

――それは、たとえばキャラクターのリストなどを作って選ばれたのですか?
中野:いえ、最初に資料をいろいろといただいたんですよ。その中から 自分達 なりにセレクトしました。だから、思い入れのあるものもありましたし、知らなかったものもありました。

――現在、ディズニーなどさまざまなキャラクターを手がけられていますが、何か手塚キャラクターとの違いは感じられていますか?
中野:やはり日本の作家・・・大作家ですけど・・・が描かれたものなので、思い入れが強いというところはありますよね。 僕ら はアトムをタイムリーに見ていた世代とは違うんですけど、当然よく知っていますし。確か僕の家にはビニールの空気人形があったんですよ。あとシールとか、いろいろ。

――リアルタイムに体験された作品というと、何になるんですか?
中野:『ブラック・ジャック』とか、あとはアニメの『ミクロイド S 』とか。あれはすごく好きで、再放送のたびに喜んで見ていたんです。

――ではいずれ『ミクロイド S 』のデザインも・・・
中野:最初に「何を描きたいですか?」って手塚プロの人に聞かれて、『ミクロイド S 』って言ったら、「えっ!?」みたいな反応で(笑)。でもあれはすごくかっこいい話だと思いますよ。

――トリトンのキャラクターはアニメ版ですが、やはりアニメを見られていたんですか。
中野:『トリトン』も(主題歌を)パッと歌えるぐらい知っていますね。

――『ユニコ』からは3キャラクター選ばれていますが。
中野:『ユニコ』は、製品の作りやすさで選びました。作品については申し訳ないんですけどそんなに詳しいわけではなくて、逆に今勉強させてもらっています。


↑アニメフェアでの制作発表会のもよう。

――中野さんはデザインだけではなく、商品展開についてもアイデアを出されると聞いていますが、手塚キャラクターを使った独自のアイデアなどはあるのでしょうか?
中野:そうですね、今までとは違ったもの、今までになかったようなものをあてこまないとダメだと思ってるんですよ。うちは製品として売るところまでが仕事として考えているので「描き起こしました。あとはどうぞ」ではなく、やっぱりその製品に対して、あてこんで絵を描いたりしたいですね。
手塚プロさんのこれまでにない製品では、極論でいうと「家具」ですとか。もちろん全くなかったわけではないんですけど、大人向けの、大人の鑑賞に堪えうるものを製品的にアレンジして作れれば楽しいかな、と。

――キャラクターのデザインについてですが、どの程度時間をかけるものなのでしょうか?また思ったより苦労したキャラクターなどもあれば教えてください。
中野:やはり最初は時間がかかりますね。まずラフを描いてみて、何度も描き直しをしながら、バリエーションを描いていくので・・・平均的に1体につき1日ですね。描き直しが収まればもっと速くなりますけど。まあ、時間に関しては単純に言えるものではなくて、納得がいくまでやるので、時間がかかったもの、速くできたもの、バランスはいろいろです。

 

――それでは最後に、一番取り組んでみたい手塚作品やキャラクターがあれば教えて下さい。
中野:そうですね、やはり強いてあげると『ミクロイド S 』ですかね。でも当然他にもいっぱい、言い切れないぐらいあるんですけどね。ロボットものとかも好きですし、ヒーローものなんかもいろいろ描かれているので、やってみたいですね。ウチってあまり「人もの」ってやってきてないんです。「動物もの」とかが多くて。 ブラック・ジャックは本当に難しくて、どうしたらいいんだろうと思ってるんですよ。

ただ、いままでグッズになっていないキャラクターもありますから、そういうのを掘り起こしたいという気持ちはありますね。多分、多くの手塚ファンが望んでいるとも思いますし、 僕ら もこれまでに出ていないようなキャラクターのグッズが出れば嬉しいですし。「飾りたくなる」ようなモノ作りは目指したいですね。

――どうもありがとうございました。

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