【編】『消えた針』は『オペの順番』と比べて、かなり原作から変えられていましたが、どうでしたか?

石田:

私はやっぱり最後に「奇跡」で片付けられちゃったのが気になりました。あと原作どおりにB・Jに思いっきり悔しがってほしかったです。もしかして後味の悪いラストはダメなのかなあ、と思ったんですけど…

橋口:

針が象徴しているのは、「奇跡」みたいなものではなくて、人間の体はまだまだわからない、っていうことだと思いますから、私も「奇跡」で片付けちゃっていいのかな?って感じはしましたね。

林 :

でもこの話のサスペンスな展開はすごいなあと思いましたよ。針がだんだん進んでいって消えちゃうところなんか、子供なんかが観てたら本当にドキドキすると思いますね。

     

【編】写楽と和登サンのゲスト出演については?

橋口:

写楽君が持ってるぬいぐるみが、ちゃんと『三つ目がとおる』のキャラなのが結構嬉しかったです。

高橋:

和登サンがちゃんと「ボク」って言ってるのもいいよね。今回、ピノコが写楽君のことを好きっぽいじゃない?だからB・Jは恋愛対象じゃないのかな、って思ったんだけど。

橋口:

まだB・Jとは親子って感じですよね。いつの間にかいることになってるし。

石田:

ピノコについて両親にきかれて、どう説明していいのか困っちゃったんですけど。「B・Jの子供じゃないの?」って言われちゃいました。

 

高橋:

TVを観てるチビっ子はどう思ってるんだろうね?『名探偵コナン』みたいなもんなのかな?

 

橋口:

奥さんだったのに体がちぢんじゃって(一同笑)。でもピノコってあんなおてんばだったかな?とちょっと疑問に思ったんですけど。

 

森 :

何だかマスコット的な存在になってるよね。出生について描かない以上、どうしてもそうなっちゃうのかなあ。やっぱり『畸形嚢腫』はやってほしい。

 
     

【編】時間帯を考えると、あの話は難しいですね。

持田:

絵で見せるのは難しいだろうけど、説明で話の途中にはさむとか。

橋口:

セピア調の回想シーンとかどうですか?(笑)

高橋:

和登サンがこういう形で出ちゃったってことは、『小うるさい自殺者』(※3)とかはやらないんですかね?

石田:

アニメでは写楽が患者だけど、原作だとランプじゃないですか。だから患者役が変わっちゃうことはあるんじゃないですか?

橋口:

でも、「あのキャラが出てる原作の話をやって欲しい」と思って、実際アニメになったら他のキャラに変えられてたりしたらショックですね(笑)。

 

森 :

それはショックだね〜。だって、そのキャラが演じてるから印象に残ってる、っていうのもない?たとえば『医者はどこだ!』で、いきなりサボテン(※4)がブ〜ッって走ってきてもダメでしょう?!(一同笑い)

 
     

【編】ヒゲオヤジも原作では色んな話に出てますが、今回は喫茶店のマスターになってますね。

森 :

ヒゲオヤジが出てる作品ってどんなのがありましたっけ?

橋口:

(『300STAR'S Encyclopedia』を取り出す)『U−18は知っていた』、『二つの愛』、『ストラディバリウス』…やっぱりヒゲオヤジといえば『山手線の哲』ですかね。あと『二人三脚』とか。

高橋:

あっ、近石昭吾(※5)が出てる話ね!あの話いいよね。

石田:

他のスターキャラもいっぱい出てほしいですね。

橋口:

スターシステムの商品も展開してるしね。私は今後『ASTROBOY』のキャラクターが出てほしいですね。『ASTROBOY』ファンへのサービスとして。無理でしょうけど…。

 

持田:

でもせっかくだから言っとかないと!(笑)

 
 

林 :

しかし、同じアニメでも家で観るのとは全然感覚が違うね。画面も大きいし。

 
 

橋口:

あとまわりが手塚ファンばっかりっていうのもありますよね。家だと私一人が手塚ファンで、外野がうるさいんですよ。

 
 

石田:

うちも家族が余計な茶々入れてくるんですよね〜。「ピノコはなんで18歳なの?」とか。

 
 

森 :

次の『アリの足』もここで観たいですねー(一同笑い)。

 
     

(※3) 『小うるさい自殺者』…和登サンが腎臓病の患者で登場したエピソード。
(※4) サボテン…西部劇『サボテン君』の主人公。とぼけた味のキャラクター。
(※5) 近石昭吾…『アポロの歌』の主人公。『B・J』にも第103話『帰ってきたあいつ』のジョーズ役などで出演。

ということで、このあとはアニメの話を離れて、原作や手塚マンガなどのマニアックな話題でもりあがったのでした。皆さん、どうもお疲れ様でした。

【2004年10月某日 手塚プロダクション本社にて】

     

(C)手塚プロダクション/読売テレビ

 手塚治虫@ワールド会員向けに配信しているメールマガジン「がじゃマガ」でも 感想を募集しました。
  ここでは3名の読者の方の感想を掲載します! また15日(月)配信の「がじゃマガ」にも10名ほど掲載させて頂きますので、そちら もご覧になって下さいねぇ〜。

     

「オペの順番」 葵 さんの感想
 BJアニメシリーズ期待してたよりかなりいいです☆
  とくに台詞などを原作に似せながらも、 新しいところが取り入れてあっていいと思いました。
 やはり原作を重んじるのがこの場合 いいんじゃないかと思います。こういったのが毎週見られると思うと最高です!!

「オペの順番」 ニセモス さんの感想
 初めての放送,期待以上に楽しかったです!!BJの自然に対する思い, 田中代議士が1000万払ったのに最後に処置をしたのが,印象に残りました。

「消えた針」 にゃあ さんの感想
  このお話の写楽くんは出てたかな…とあとから漫画本を読み直しました。
 原作には忠実に、でもこうやって物語りにふくらみをもたせるのもおもしろかったです。得した気分になりました。アトムとかもでてほしいなあ。
 ただ、全般にいえることなのですが、オペ前の変身シーン、なんとかならないでしょ うか。子ども向けなのかもしれませんが、華やかにコートを脱ぎ捨てるシーンは、いただけないです…。変身ぽいけど変身してるわけではないし。あくまでもクールでニヒルなBJでいてほしいです。
 声優の大塚さんはぴったりだと思います。今でも普通にみてますが、これが30年前に 描かれたものであることに 作者の偉大さを感じます。長く続く作品になることを期待しています。