ゲームは、現実の世界とは違います。だから現実の世界で当然の事でも、ゲームの中では動き方をパターン化していたりと、表現しきれない部分があって当たり前。なのです。でも、それではイキイキとしたアトムの世界が表現できない。それに、楽しみにしてくれている方(特にお子さん)たちの期待に答えたかった。とのこと。
 「生まれた時からゲームがある今の世代のお子さんには、『ゲームだから現実の世界を表現しきれない』と言い訳はもう出来ないかなと。だから『なんで違うの?』と疑問に思われないよう、「ゲームだから・・・」の妥協を捨ててリアルな表現をとことん追求しました。」



 すごい熱意!!ちょっと難しい話になりますが、アトムが物を持ち上げたり、パンチをしたり。そういった細かな動きに対し、瞬時に物理計算できる技術を使ったので、正確な反応(リアクション)をするそうです。
 「ゲームをしている人のプレイによって、投げた物の飛び方や方向、倒れ方が違ってくるんですよ。だから、同じプレイの再現はできないですね(笑)。」


←この段ボールのくずれ方も正確なんです!!

 まだまだこだわりポイントはあるそうです。例えば街の中を走る車の音も右から左へと、進行方向に流れたり、アトムのジェット噴射で出来る煙の形や色にもこだわりが。
 「飛び方によって噴射煙の形が変わってくるのは当然ですし、色も飛んでいて気持ちの良い白い煙にこだわりました。」
 もちろん、ゲームならではの表現もあるそうです。特にアトムのアームキヤノンはカッコイイ!!そうなので、お楽しみに!


↑はるか彼方にそびえるビル郡。空間の広がりを感じます。

  アトムが飛び回るステージ(空間)の広さもこのゲームの魅力。アトムを実際の大きさ(135cm)で考えた場合、ステージの総面積はニューヨークのマンハッタン島くらいあるそうです(広い!)。
 「他のゲームであれば、キャラクターは『歩く』もしくは『時々飛べる』のが普通。でも、アトムは『いつでも飛べて』当然のキャラクターですから、小さな空間ではつまらなくなってしまうんです。縦横無尽に動きまわれるアトムを作りきりたかったので、進行方向だけに背景があるのではなく、どこでも見渡せるようにしました。」

 それだけにとどまらず、街の中を飛び回るアトムとビルの大きさの対比もきちんとしたものだそうです。うーむ。これは本当にアトムになりきれますね!


 ゲームを盛り上げるのに欠かせない挿入曲は、2/3がオリジナル新曲。
 オーケストラが演奏している曲もあるので、まるで映画を見ているよう。それだけでも楽しめるかも!?その他、ゲームが始まる時のタイトルコールも、その度に違うキャラクターが、個性豊かに呼び掛けてくれるそうです。誰が何ていうのか楽しみ!!




 「日本が世界に向けて発信できる作品なので、嬉しさ半分、プレッシャーもありました。手塚先生が生きておられたら、どんなゲームを作るだろうと考えたら、いい加減な物は作れない。だから、いいものを作ろうと様々な問題に挑み続けました!」と、皆さん力強く語って下さいました。
 「それに・・・最後のシーンのお茶の水博士の台詞を聞いて、感動して下さい。それがこのゲームのテーマでもあるんです!」とのお言葉。これは最後までやらないと!!



←左より、プロデューサーの岡村さん、ディレクターの安保さん、プランナーの高鍋さん。皆さん熱心に語ってくださいました!ありがとうございました!



 ゲームは、ちょっと苦手・・・という人でも、簡単な操作で派手なアクションが出来ますし、楽しめるミニゲームも沢山あるそうなので、是非トライしてみて、アトムになりきって下さい!!
 映画のような映像の美しさやストーリーの面白さ、挿入曲の素晴らしさは、見ているだけでも十分楽しめますが、プレイすればより新しい感動が待っていますよ。
 アトムを本当に可愛がってくださって、情熱を持って作品を作られている皆さんの現場にお邪魔して、身の引き締まる思いの虫ん坊編集スタッフでした。
 今日は、ありがとうございました。