アトムのような人間そっくりのロボットはまだ生まれていませんが、現在でも様々な工場などでは、ロボットが人間の代わりに仕事をし、活躍しています。
 今回は三菱自動車岡崎工場に伺い、姿形は人間にはあまり似ていませんが、人間の負担を減らすため私たちにとって大変な、長時間にわたる仕事、危険を伴う仕事など、私達のために仕事をするロボットの様子を取材しました。





↑アクセル・ブレーキ・ハンドルの操縦はロボットが


 最初に伺ったのは、全長600mある「基準凹凸路無人耐久試験場」。担当の方より説明を頂きました。
「ここではその名の通り、凹凸路での車の耐久を試験していますが1台に対し数日間〜数週間に及ぶ試験をしています。その間は24時間ずっとこの600mを走り、耐久性を試験しています。管制塔のコントロール室より、速度指令など色々な指令を送っています。コース上では車の前と道の中に設置されたアンテナでその指令信号を受信し、車のハンドル・アクセル・ブレーキをコントロールします」


↑車の前と道の中にはアンテナが設置されている
「自動で動いているんですか? 万が一、試験車どうしがぶつかったりすることはないんでしょうか?」
「もちろん、安全です。前の車に近づきすぎると、判断し、距離を保つこともできるんですよ」とのこと。
 実際に走っている姿を見たのですが、スムーズで、まるで人間が運転しているようでした。でも、一定の速さで少しの狂いもなく走ることができるのは、ロボットだからできることですよね。





↑全長600メートルの試験場


 1991年にロボットが導入される前は実際にテストドライバーが交代で運転を行っていたそうなのですが、体への負担も大きく、交代制のため試験時間もかかったそうです。 当時の方たちは大変な仕事をしていたのですね。



↑コントロール室、
ここから指令を送っています。

↑無人走行中!




↑ここでもロボットが
アクセルとブレーキを押す

 そして次に自動耐久試験室へ。1977年に導入され、実際に道を走らなくても時速120Kmで走っているように設定することが可能で、時速に合わせた風も出ていました。マニュアル車ではちゃんとギアのチェンジも行われていました。担当者の方のお話によると、人間がテストを行うと一定のパターンで確実に数値を出すのは難しく、多くの車をチェックしないといけないので今では実際に人間がやるのは不可能に近いとのことでした。


↑この機械で 数値を
出します