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「ゆかりの地見て歩き」第5回は、東京都練馬区の「虫プロダクション」を取材してきました。 虫プロダクションについては、手塚ファンの皆さんもよくご存じのことでしょう。昭和36年、「手塚治虫プロダクション動画部」を発足させた手塚治虫は、翌年に名称を「虫プロダクション」に変更し、本格的なアニメーション制作に乗り出します。そして『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』をはじめ、数々の歴史に残るアニメーション作品を作りあげました。残念ながら昭和48年に倒産をしてしまいますが、現在でもスタジオは残っていて、アニメーション制作を続けています(ちなみに、『手塚プロダクション』と『虫プロダクション』を混同されている方も多いのですが、全く別の会社です)。 |
![]() ↑てっぺんについているのが カメラです |
![]() ↑カメラの内部も見せてもらいました ![]() ![]() |
![]() 今回は、数々の名作を撮り続けた虫プロダクションの撮影台が7月いっぱいで処分される…とのお話をきき、最後にきちんと写真を撮っておきたい、というのが一番の取材目的でした。 虫プロダクションの撮影台は全部で4台。かつては1つの撮影台に2人(撮影担当+助手)がついて仕事をしており、最盛期には15〜16人の撮影スタッフがいたそうですが、少しずつ減っていき、今年の1月には5人になってしまったとか。 撮影台のメーカーは株式会社セイキで、アメリカの映画撮影用カメラを日本で1コマ撮り用に改造して、撮影台に取り付けてあります。台のあちこちにはメーターやら重そうなハンドルやらがたくさんくっついていて、素人にはどこをどう操作するのか見当もつきません。まさに「職人の機械」という感じ。また、台の足には、製造年をあらわす「1963年7月」のプレートが付いており、年輪を感じさせます。 もちろん今でも、4台全てが立派に稼動できるのですが、現在ではアニメーション制作もデジタル化が進み、フィルム作品の仕事がなくなったため、残念ながらやむなく処分されるとのこと。とはいえ、4台のうち2台はすでに大学へ寄贈され、残りの2台も保存・寄贈の方向で検討中らしいので、とりあえず一安心(?)です。 現在、虫プロダクションでは、かつての名作アニメが次々とDVD化され、それにともない、お宝資料が次々と発掘されています。虫ん坊スタッフとしては、別の切り口であらためて取材に来たいなあ〜…と考えながら帰路についたのでした。
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